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3つの情緒がバランスよく現われたり、リラックスした情緒が多く表れて安心感が増したりする場合には、安定した心の状態となり、心のトラブルは起きにくいものです。しかし、情緒の現われ方が偏っていたり、安心感が少なかったりすると、精神的な不安定さが起きてきます。その時に起こりやすい問題について、考えてみましょう。
まず、情緒に依拠して現われる認知の問題があります。快不快の情緒に関して言うと、不快感が続きイライラした時には、普段であれば腹を立てることのない出来事や考え方に対して、腹を立ててしまうことがあります。例えば、友達が冗談で「お前、貧乏だよな」と言ったことに対して怒ることがあります。その時の気分に影響されて、友達がひどいことを言ったと認識してしまうわけです。気持ちよい状態であれば、その言葉も冗談として受け止めることが出来、腹を立てることがありません。また、普段であれば友情関係を疑う人でも、陽気な気分の時には、友達を遊びに誘って断られても怒らず、一人だけで遊びに行ってもいいかと思えるでしょう。情緒の状態によって、認知の仕方に違いが現われます。
特定の情緒が強く現われれば、その時現われる考えが情緒の影響を強く受けて、現実の出来事から遊離した形になってしまうことがあります。例えば、人に対する不信感がとても強い場合、友達が親切心から「お菓子をあげる」と言っても、「お菓子に毒が入っているのではないか」と思ってしまう場合があります。冷静に考えれば、いつも親切にしてくれる友達だから、毒入りのお菓子などくれるわけはないと判断するでしょう。しかし、不信感が強いと現実離れした考えを抱いてしまうわけです。不安が強いために、明日にでも地震が起こるのではないかと考えたりします。地震が来ると思うから不安になるのではなく、不安だから、科学的根拠のないことを考えてしまい、強い信念となってしまうのです。そういう場合は、地震が来ないという科学的根拠を示して説得しても効果はありません。不安感をまず無くすことが大切となります。このような情緒に影響された考えや物の見方を「情緒起源の認知」と呼びます。それが現実離れした考えであれば、妄想ということになります。そのような妄想に持続的にとらわれていると、妄想の世界で生きることになり、社会生活が困難となってしまいます。歪んだ認知が情緒のアンバランスを起源として現れた場合は、情緒に焦点を当てて、問題を解決することが大切となります。
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ゆうにゃん2134さんコメント新着