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浪漫的狼

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nanaco☆ @ Re:なんと(01/08) 狼さん、お元気です?? その後調子はいか…
浪漫的狼 @ Re[1]:なんと(01/08) nanaco☆さん  わあい。すぐにお返事いた…
nanaco☆ @ Re:なんと(01/08) 狼さん、大変ご無沙汰しております~!!…
wine ガブガブ @ Re:充電します。(04/30) エネルギーが、蓄積されたら、また再開し…
deco7 @ Re:充電します。(04/30) 充電のお役には立ちませんが、遊びに来て…
Jan 29, 2009
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カテゴリ: 創作の部屋
お待たせしました。それでは年末年始企画第3弾『鏡の森』です。
少し長めの ショートショート をお楽しみ下さい。(狼)



『鏡の森』(その1)




 水を打ったように静かだった宮殿の広間。そこに集まって息を飲んでいた兵士や側近達から

は威勢の良い歓声が上がった。

 王はその様子を、階の上に深くかけた椅子の上で微笑みながら見つめていた。

 「奇跡だ」「神よ…」などと、跪いて手を合わせたり十字を切ったりする者も姿も見えた。

 大広間の真ん中に据えられた鏡。その表面は風にそよぐ水面のようにさざ波だっていた。

 「神よお守り下さい…。」

 口々に驚嘆の声が聞こえる中、その大きな鏡の中から甲冑に包まれた足が現れ、続いて腰

が、そして頭が見えてきた。

 最後に右手を引き抜くようにして、完全に姿を現した英雄ウォレスの手には、魔女のものと

思しき、長い白髪が握られていた。


 討ち取った相手の頭髪を戦場から持ち帰る、それはこの国の戦士のしきたりであった。


 そして、その手が高い殿堂の天井に届かんばかりに突き上げられた時、城内の歓声は最高潮

に達した。

 ウォレスは、玉座に続く階の下までゆっくりと歩みを進めると、そこに跪き、側近達が用意

していた大皿の一つには魔女の髪を、そしてもう一つには懐から取りだした紫色の草の束を大

切そうに置くのだった。


 王のもとに、その二つの皿が行くと、王は「こちらはもうよい」と、命じて髪の載ったそれ

はすぐに下げさせた、そしてもう一方の紫色の草が載った皿を一旦は眺め、ニヤリと笑った

が、すぐに不機嫌そうな顔になり、階の下に控えているウォレスに向かっていった。

 「そちの働き…、なかなかのものじゃ褒めて遣わす。…じゃが、これは紫草だけじゃの。

  『銀の百合の根』はどうしたのじゃ。」

 ウォレスはその王の言葉に、下げていた頭を一層低くして言った。

 「申し訳ありません。紫草は魔女の屋敷で手に入れましたが、百合の方は思ったよりも数倍

  大変でして…。

  銀の百合が咲いている谷間までは見付けたのですが、そこはドラゴンが守っておりまし

  て…、ぐずぐずしていて紫草の効力がなくなってはと思い、一旦引き揚げることにしたの

  です。」

 「ドラゴン」という言葉に、周りの家臣達からは、ざわめきが聞こえたが、王はその言葉

に、小さく「ふん」と言うと、

 「じゃあ、次の満月には、また出かけるということじゃな。」

 ウォレスは、少したじろぐ気配も見せたが、すぐに居住まいを正し、

 「はい。当然そのつもりでございます。」

 と告げた。王は、

 「もう下がってよい。褒美は金貨一袋じゃ。」

 とだけ告げ、また大きな椅子にふんぞり返るのだった。




 ウォレスは城を出ると、すぐに街の居酒屋へと足を向けた。

その後を、彼を慕う多くの兵士達も追った。

 その居酒屋はウォレスの行きつけだった。

 酒場の戸を開けると、すぐに先程貰ったばかりの革袋に手を入れると、一握りの金貨をつか

み、それを樫のテーブルの上にジャラリと並べた。

 「今日はみなにも振る舞ってやってくれ」

 と、笑顔で告げた。

 「おお。勇士ウォレス様のお帰りじゃ。」

 「今宵は皆、御祝いじゃ」

 英雄が帰還し、街は灯がともったような明るさを取り戻した。

 剣の腕だけではなく、その豪快かつ優しい人柄。ウォレスは街の人々にとって、真の英雄で

あった。



 ルルンガ王国は、小さいながらも、気候もよく平和な場所であった。

 隣国からも離れており、独特の地形から、他国のいさかいに巻き込まれることもなく、また

先代から引き継がれた外交術と、強い軍隊がその独特な中立的立場を守り続けることに成功し

ていた。

 そして、その軍隊の中でも、最も兵士達の信望を集めている者がウォレスその人であった。

 そんなルルンガ王国の平和は、とこしえに続くのではないか…と誰もが思っていた。

 しかし先代の急死により、若くして即位したヒレドス王によって、国政は一気に転機を迎え

た。

 他国への侵攻、国土を広げようという欲望。

 新王は、それまでの伝統を全く無視した政治をはじめたのだった。


 そして、それは当然屈強な軍隊を恃んでのことであった。

 ウォレスはその軍隊の中でもひときわ腕の立つ武将として知れ渡ることとなった。






















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Last updated  Jan 29, 2009 06:09:56 AM コメント(10) | コメントを書く
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