マイペース70代

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長倉洋海さんとアフガニスタン


長倉洋海(写真家)さんを知ったのは、約二年前。
米国での同時多発テロの2日前に亡くなった
アフガニスタンの北部同盟のリーダー「マスード」の写真を撮り続けていた彼が、
その後写真展と講演会を開催するという小さな記事を
新聞で目にした時だった。

釧路出身で私と同世代の長倉氏が、
それまで私が全く関心を持っていなかったアフガニスタンに
長年通いつめていたということに、妙に感動してしまった。
その後、彼の写真展を札幌で見て(マスードを中心としたアフガニスタンの写真展だった)、
写真のマスードを見て涙が出そうになった。
タリバンも北部同盟もよくわからなかった私が、
アフガニスタンに関心を持つようになったのはそれからだ。

一年前、この写真展に感動した人達が中心になって
「長倉洋海さんの写真を見る会」が発足し、私も会員になることにした。
そして今日は、
会員限定の長倉洋海氏によるアフガニスタンの報告会に参加してきた。

彼はアフガニスタンだけではなく、
コソボなど各国の紛争地に生きる人々を撮り続けている。
戦争の悲惨さを訴えるというよりも、そこに生きる人々の逞しさや、
子供達の笑顔にシャッターを切っている。
人間の生きる営みや、人としての喜びや希望を見出そうとしているように思える。
彼は今、アフガニスタンのパンシール峡谷の「山の学校」への支援活動を始めている。
建物はあっても、机も椅子も黒板も満足ではなく、窓にはガラスもない。
さらに、教師への給料も未払いになることが多いので、先生も当然少ない。
文房具や教科書不足は、言うに及ばすといったところだ。
そんな学校でも、子供達は山道を通ってくる。
(遠い子どもは二時間も歩いてくるという)
スライドで写真の説明を受けながら見ると、
遠い国アフガニスタンの子供たちが、とても身近に感じられてくる。
それは、その子供達が長倉さんが親しい子供達だからなのだ。

「マスードは、外国の介入に最後まで戦った人」と長倉氏は言った。
アフガニスタンの国と人々を愛し、
平和と自立を求めて戦ったということだろう。
長倉氏が出席したマスードの追悼式には、
かつての敵であった旧ソ連の将校も参列していたという。
立場は違っても「偉大なリーダーだった」と尊敬されるマスードを、
生前にちゃんと知らなかったことが今更ながら悔やまれる。
生きているマスードを応援したかったな・・。
そして、今のイラクのことを思う。
あの国には、マスードはいなかったのかな。

長倉さんの写真展が開催される時には、そのPRに汗を流そうと思う。

( 2004年01月13日)

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