渋谷から愛を込めて・・誰にだ!

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Nov 21, 2006
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カテゴリ: 癌との戦い


もう、誰の心にも悲しみなど入り込む隙間は無いだろう。
みんな、誇らしげに、自慢げに式場入って行った。

そこで目を奪ったのは、祭壇の端に乗ったギターだった。
兄の自慢のマーチン。
そうと分かるように、特有の形をしたギターケースも一緒に乗っていた。
持ち込んでくれるようにお願いした記憶はなかった。
バスの中でも、忘れてきたと思っていた。
そのマーチンが、誇らしげに祭壇の端に陣取っている。
葬儀屋さんが、思い出話の中に出て来るマーチンの話で気を利かせてくれていた。
嬉しかった。

祭壇から後ろを振り向いた瞬間、最も大きな不思議が目に飛び込んだ。
兄の手掛けた仕事の中で、最も兄が満足していた仕事。
常に自慢げに話していた屋内スケート場が、目の前に存在していた。
間を遮るのは高速道路だけ。
正に道1本挟んで、巨大なスケート場の前に立てられた斎場だったのだ。
兄が仕組んだ、最大の自慢話がそこに有った。
家族の誰もが笑った。

自分の田舎では、訃報は新聞に掲載される事が多い。
兄の訃報も、勤め先が新聞に載せてくれていた。
その訃報を見て、どんどん弔問客が集まって来てくれた。
200席近くを、殆んど埋め尽くして、通夜が執り行われた。

外には、兄が旅立った日以来の雪が、チラつき始めていた。






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Last updated  Dec 2, 2006 04:33:41 AM
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合掌  
バグース さん
知っていますよ、あそこですね。
屋内スケート場と斎場。
目に浮かびます。
マーチン、何から何まで、小生の頭の中で、一度もお会いした事のなかったお兄さんだけど、見えます、感じますよ。
(Dec 2, 2006 06:09:43 AM)

Re:合掌(11/21)  
バグースさん、そこもご存知でしたか。
本当に、バグースさんと生きた世界が近かった兄のようです。
不思議なご縁でしたね。
(Dec 3, 2006 04:44:49 AM)

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一人@ Re:蓮の花のリレー seimamaさん、こんばんは。 見付かっちゃ…
seimama5682 @ ありがとうございます♪ みっけ~! 随分早くからリレーに参加し…
一人@ Re:蓮の花のリレー カルボさんも頑張って! 神経の痛みって、…
カルボナーラ458 @ Re:蓮の花のリレー(12/12) 久しぶりの更新ですね^^ 待ってました…
一人@ Re:蓮の花のリレー ニコさん、どうもです。 PCが生き返った…

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