言霊堂

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だまされる人


だまされる人

今は、女いらない。
ただ、セックスはしたい。

そんな都合のいい想いを胸に秘め、
夜の天使たちの電話やメールを受ける。

「ねぇ、最近さびしいじゃんよ。」
「ねぇ?元気?どうしてる?」

たくみに俺を誘う。

歪んだ妄想がオスを目覚めさせ、
その強大な本能を抑える理性が、
働きすぎて、体調さえ崩す。

「なにしてる?電話ちょうだい。」

天使からの留守番電話。

なぜか消すことが出来ない。

宴の季節は終わり、育てなければいけない秋に。
何を育てるのか。

遊びたい気持ちと遊びたい体がすれ違い。

「なぁ、俺は、酒を呑みたいだけなんだ。
 浴びるほどの酒を。
 でもね、それをついでくれる君が必要なんだ。」

天使と悪魔、
飴と鞭

魂の限り叫びたくても、
愛を語りたくても、声が出ない。

『なぜだろう。
 だまされてもいいやと君に会うたびに思うよ。』

酒の空き瓶を眺めながら、
精神も肉体も夢の中で開放させて……。

何も熱くほとばしるものを受けとめてくれない。
熱くほとばしる方法さえ忘れてしまいそうだ。

「ねぇ、君は、今、何をしている?」

「なぁ、俺をだましてくれるかい?」

『今宵は、善良の悪魔と混沌の女神がダンスを踊る』

2001/10/19



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