ことの葉のことば

ことの葉のことば

りぼん(2)


 小説の中の彼女はとても愛情深い人物だった。

 与えても与えても愛情は絶えず溢れ出してくるのだ。

 そしてそれは彼女と生活を共にする彼には重荷でしかなかった。

 彼は絶えず与えられるその深い愛情にどう対応すれば良いのか

 まったく分からなかった。

 そして彼女を愛すれば愛するほど 自分が彼女のように

 愛情を与える事ができないということが苦痛になっていった。

 彼と彼女は 愛し合うほどにお互いを苦しめ合う存在にしか

 なれなくなっていった。


    私は自分を「愛している」と言ってくれた人に

    精一杯応えたかった。

    私が側にいることがこんなに誰かをしあわせな

    気持ちにするということに優越感を持っていた。

    愛せないけど愛されたい・・・・。

    こんな考えは 間違っていたのだろうか・・・。

    そして私を幸せにできる 深い愛情を

    その人は持っていなかった。

    与えられることを当然のように受け止めて それと

    同じものを相手に与える才能を持ち合わせてはいなかったのだ。



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