西式甲田療法

 西式甲田療法

2010年04月23日
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カテゴリ: 甲田療法


さて、次は鈍重肝臓の断食について少し述べておくことにいたします。

この鈍重肝臓のことはすでに拙著『あなたの少食が世界を救う』(甲田光雄・春秋社)の中でくわしく説明しておきましたから、興味のある方はぜひご一読ください。

たいへん珍しい病名ですが、これは筆者(甲田光雄)が名づけたもので、現代医学にはまだ正式な病名をつけられておりません。

しかし、病名は珍しいものでも、この患者さんは非常に多いのです。

おそらく日本の社会でも、何百万、いや何千万という大多数の人々がこの病気にかかっておられると見て間違いないでしょう。

ただ、その病気の程度が軽いために、深刻に考えられていないだけです。

しかし程度は軽くても、その人の生涯にわたっていろいろと悪い影響を及ぼし、時には運命をも狂わせてしまこともありますから、けっして甘く見てはなりません。

この鈍重肝臓は、筆者が断食療法を研究している中で次第にはっきりとわかってきたものです。

甲田医院へ断食療法を希望して来られる患者さんの中には、いわゆる心身症という病名をつけられた方も少なくありません。

そのような患者さんの訴えられる症状は心身症といわれるだけあって、実に多彩です。

精神的にも肉体的にも病んでおられるわけです。

このような、心身症という病名をつけられている人の中に、鈍重肝臓が秘められているのです。

症状としては、とにかく疲れやすい、身体がだるく足が重い、肩がよくこる、頭が重く仕事に根気が続かない、手足がよく冷えて寒がりである、しかしまた夏の暑いのにも弱い。

つまり暑がり一番、寒がり一番です。

また腹が張って便が思うように出ない。

そして、記憶力が落ちてきて、人の名前や電話番号などを思い出せない。

何事にもよく取り越し苦労をして、ときどき家族の者達に癇癪玉を爆発させて当たり散らす、等々です。

このような多くの症状が、一時的ならともかく、半年も一年も、いや人によっては十数年も続くのですから、本人達にとっては大問題です。

そこで何とかしてこの苦しみから早く解放されたいという思いで、病院や診療所などを転々として治療を受けるのですが、いっこうによくならない。

その結果、心身症という病名でどこの医師からも軽く扱われてしまい、根本的な解決策を見出すことができない。

いったい自分はほんとうはどこが悪いのか? 

いろいろと精密検査を受けたが、別にこれといった重大な欠点はない。

しかし、この体調の悪さは尋常ではない。

だから、どこかが悪いのに違いない。

世間には、このような悩みをかかえておられる人が非常に多いのです。

そこでどうしたらこの苦しい症状から解放されるのかと考えて、いろいろな治療法を試みることになるわけです。

東洋医学の鍼や灸、それに漢方、いろいろな民間療法も採り入れてやってみる。

しかし、決定的な根治法は見つからない。

そのような迷いの中で、ふとした縁で断食療法がよいと聞く。

「ひょっとしたら、断食が効くかもしれない」

このような一縷の望みをいだいて、甲田医院へやってこられる患者さんも少なくありません。

これらの患者さんの中に鈍重肝臓があるわけです。

入院された直後の血液検査では、別に肝臓が悪くなっているという成績は何も認められない。

なるほど、これまでどこの病院でも「あなたの肝臓は別に悪くなっておりませんよ」と言われていたとおりです。

ところが、一週間の断食をやって、その直後に検査をしてみると、明らかな異常値が出ているではありませんか(図6参照のこと)。

図6・鈍重肝臓の断食療法 

     

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      断食7日間 |

     0                     日数→

「やっぱりあなたは肝臓が悪かったんですよ。どうです」

「よくわかりました。いままでの疑問がやっと解けました。肝臓だったのですね」

こうして患者さんは安心して、この療法を続けることができるようになります。

その結果、これまで長いあいだ続いていたいろいろな症状が一つ、また一つと軽快してゆき、やがてほんとうに日本晴れのような爽快な毎日を送れるようになったと喜ばれる。

患者さんのそのはればれとした顔はどうでしょう。

しかし世間には、いまもその鈍重肝臓の重苦しい症状に悩まされている人がたくさんおられるのです。

その数幾百万も!

しかも大人達だけではありません。

昨今はこの病気が子供さん達のあいだに増えているのです。

キレる子供、不登校、いじめ、家庭内暴力、そして自殺、ひきこもり等々で悩んでおられる家庭がどれだけ増えてきたか。

それらの家庭で、この鈍重肝臓のあることを知っておられる方がどれだけあるか?

このような哀れな人達を救ってあげないと、日本民族の将来は絶望的です。

民族の将来を背負って立つ子供さん達ですから、このやっかいな鈍重肝臓を完全に克服することがいかに重大な課題であるか。

是非識者にこれを訴えたいと思います。

鈍重肝臓を発見(?)した筆者は、この問題が一日も早く解決されることを心から願っているのです。

最近現代医学の中でも「非アルコール性脂肪性肝炎」(NASH)と呼ばれる病気が注目されるようになってきましたが、このNASHこそ鈍重肝臓の別名であるのです。








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最終更新日  2010年04月23日 06時47分29秒
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