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2017.10.14
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私のボクサー時代の話です。
例えば格闘技で自分の考えの範疇を超えた動きをする選手などはよく「天才」などと言われる。
私も天才と言われた事がある。
しかし自分からすればそんな気持ちは全くなく最初に書いた「自分の考えの範疇を超えた」事をする選手たちは先輩後輩にたくさんいたのでその選手達こそ天才ではないかと思った。走り込み合宿へ行けばみんなに置いていかれ合宿終盤には膝を痛めて走ることもできなくなった。フィジカルトレーニングをやれば私より重いウェイトを挙げたり回数をこなしたりしていた。はっきり言って大勢でやるトレーニングは私に劣等感をどんどん植え付けた。当時からフィジカルが圧倒的に弱かったからだ。
なのでジムでは人と関わることなく黙々とトレーニングをして帰り、人目を避けるように夜な夜なランニングをした。だからといって合宿などのトレーニングをこなしていける選手が必ず勝ち上がる訳ではなくそんな選手達をさしおいて私は新人王、日本チャンピオンとなった。理由は私の中では明確で常にボクシングの事を考えてトレーニングをしていた。他の選手と話をしていて試合やトレーニングの話題になった時になぜ勝てないのかこのトレーニングでどうなるかなど考えていない選手が本当に多かった。
フィジカルが強くても頭を使えなければ結果勝つことはできないのだ。
もちろん頭を使ってもフィジカルで劣って勝てないという事もある。
私はフィジカルが弱くてもどうしたら勝てるかをずっと考えていた。
ひとつトレーニングと結果の例を挙げると
フィジカルが弱いので体での押し合いになるようなインファイトは本当に嫌だった。
「ランニングで使う筋肉は体を前へ運ぶためのものだよな。相手との距離をとるのに背中を見せて走る訳ではないのだから前向きに走るだけではだめだ。」
その日から後ろ向きにランニングすることがメニューに加わった。
背走になる訳だがこれは本当に難しかった。
見えない方向へ走る恐怖と常に細心の注意を払っていなければいけない。そして普段の歩く、走るの動きの逆になるので体の使い方も慣れていないからだ。
しかしそれを繰り返し続け月日が経つとまた考えが浮かぶ。
「別にリングで走る訳じゃあないんだよな…」
後ろ向きにランニングする事に慣れてきて後ろへ動く恐怖がだいぶなくなってきていたので次のステップとしてファイティングポーズから左ジャブを打ちながら退がるというトレーニングを追加した。
これは本当にしんどかった。
いつもランニングしていた土手の片道2.5キロが1時間以上かかるしランニングと違ってすり足しているときもあるのでシューズがすぐボロボロになった。
その結果自分のアウトボクシングというスタイルができた。
しかしそれは相手との距離を取りたいという戦い方だけにはとどまらなかった。
「距離を保って左ジャブを打ち相手がイライラして大振りしてきたところを外して打とう。」
フィジカルが弱く相手のガードを打ち壊す事もできず判定勝ちが先行していた貧弱なボクサーはこれを機にKO勝利ができるまでになった。
最初に浮かんだ考えからここまで展開したのだ。
天才と言われてしまうとその言葉ひとつでこれまでのトレーニングを否定されてしまう気持ちになる。
このトレーニングをやってきたのを知っていたら一緒にやってきていたら天才なんて軽く言えるだろうか?
天才と言われる人はきっとこんなジレンマを持っているだろう。
そんなジレンマを持った人は天才と言われてもきっとあまり嬉しくないので「天才」の使い方には注意が必要だと思う。
最後にボクサー時代に買ったヘッドギア。
格闘技を引退するまでこれひとつしかヘッドギアを使った事はない。
汗であご紐の金具が錆びて壊れてしまい修理してもらったがそれだけ。
格闘技は打たれない事が最重要だと思う。
鈴木悟

明日は新極真全日本へ。
がんばれオレ
がんばれみんな





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最終更新日  2017.10.17 22:26:16
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