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kugutsushi

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2006.09.05
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カテゴリ: 妄想の記録
駅から5分ぐらい歩くと、ある団体のビルがある。熱くてぼうっとしながら歩いていたので途中に何があったかよく覚えていない。そのビルは5階建てのビルで、1回はテナントが入っている。見たところ健康用器具や介護用器具を売っているようだ。脇道に入るとビルの入り口がある。この際なのでとビルの入り口まで入ってみる。2階はエネルギー関連の NPO。3階は商社のようだ。そして4階がその団体。5階にはネームが入っていないのでどうなっているのか分からない。

建物に入った感じでは、いかにも怪しげで嫌な感じというのは漂ってこない。ごく普通のビルだ。勢いでここまで来たのはよいが、さすがに団体の階まで行く勇気はない。外を見ると、ちょうど向かいに喫茶店があるのでそこからしばらく人の出入りを眺めることにする。

喫茶店の扉を押すときに小さなマーキングが取っ手の脇に書かれているのが目に付いた。見たことがないマークがマジックで小さく書き込まれている。 マーキングは悪質な訪問販売や窃盗団がよく使う手法 。あるいは、何かのグループのタギングなのかもしれない。このあたりは治安が悪いのかななどと漠然と考えながら店の中に入る。

すずしい風を感じる。クーラーがほどよく効いていて気持ちがよい。店員は1人だけしか見えない。若い女性が「いらっしゃいませ」と声をかけてきた。それほど広くない店内を見回すと客は自分一人だけ。窓際の向かいのビルがよく見える席につく。

メニューを見ると、ハーブティーが充実しているようだ。メニューの横に「心が落ち着きます」とか「気分を高揚させます」とか効用が書かれている。その中で「心の目を開かせてくれます」と書かれたものがあった。なんだかよく分からないが、それを頼んでみることにした。

注文をすませると窓の外をぼうっと眺める。眺めていると意外に人の出入りが多い。10分程度の間に 14人もの人がビルに入り、9人が出ていった。出入りする人は2,3人組が多いが、1人の場合もある。男女比はほぼ半分半分。そのうちの何人が団体に関係しているのかは分からない。そうしているうちにハーブティーが出てきた。ガラスのポットの中でハーブが揺れている。

「このカップはほんとうのクリスタルなんですよ」
自分にはガラスもクリスタルも見分けが付かない。

と言った後、我ながらくだらない反応だと思った。
「両手でグラスを包むように持って、ハーブの香りを楽しんでくださいね。どうぞ、ごゆっくり」
そう言い残すとカウンターに戻っていった。

さて、これからどうしたものかなと思いながらカップにハーブティーを注ぐと、言われたとおりに両手でカップを包み込みハーブの香りを吸い込んでみる。甘くて気持ちがいい香りがする。2回、3回と息を吸い込む度に穏やかな気分になる。そうしていると何をしに来たのかも忘れそうになる。


(これは、妄想の記録であって、ほんとうのことではありません)





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Last updated  2006.09.06 04:27:05
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