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2014.11.15
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カテゴリ: H24過去問解説
問題33

1 本件賃貸借において、Bが甲建物のために必要費および有益費を支出した場合、特約がない限り、Bはこれらの費用につき、直ちにAに対して償還請求することができる。

2 BがAの承諾を得て本件賃貸借に基づく賃借権をCに譲渡した場合、特段の事情がない限り、AはBに対して本件敷金を返還しなければならない。

3 BがAの承諾を得て甲建物をDに転貸したが、その後、A・B間の合意により本件賃貸借が解除された場合、B・D間の転貸借が期間満了前であっても、AはDに対して甲建物の明渡しを求めることができる。

4 BがAの承諾を得て甲建物をEに転貸したが、その後、Bの賃料不払いにより本件賃貸借が解除された場合、B・E間の転貸借が期間満了前であれば、AはEに対して甲建物の明渡しを求めることはできない。

5 AがFに甲建物を特段の留保なく売却した場合、甲建物の所有権の移転とともに賃貸人の地位もFに移転するが、現実にFがAから本件敷金の引渡しを受けていないときは、B・F間の賃貸借の終了時にFはBに対して本件敷金の返還義務を負わない。





解答・解説

1.×
まず、民法608条1項に「賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する 必要費 を支出したときは、賃貸人に対し、 直ちに

必要費 については、 直ちに その償還を請求することができます。

この点は妥当ですね。

しかし、次に同条2項本文に「賃借人が賃借物について 有益費 を支出したときは、賃貸人は、 賃貸借の終了の時 に、第百九十六条第二項の規定に従い、その償還をしなければならない。」とありますように、

有益費 については、 直ちに償還を請求できるのではなく 、 賃貸借の終了の時 に、その償還をすることになります。

よって、この肢は誤りです。



2.○
賃借権が旧賃借人から新賃借人に移転され 賃貸人がこれを承諾したことにより旧賃借人が賃貸借関係から離脱した場合においては、(中略)、右敷金をもつて将来新賃借人が新たに負担することとなる債務についてまでこれを担保しなければならないものと解することは、敷金交付者にその予期に反して不利益を被らせる結果となつて相当でなく、 敷金に関する敷金交付者の権利義務関係は新賃借人に承継されるものではない と解すべきである。」とありますように、

敷金の契約は賃貸借契約の従たる契約ですが、別個の契約なので、

賃借権がBからCに移転しても、AB間で行われた敷金の交付は、AC間に承継されません。

つまり、AB間の敷金契約は、賃借権がBからCに移転したときに終了するので、AはBに受け取った敷金を返還しなければならないということです。





3.×
判例(大判昭和9.3.7)に「賃貸人と賃借人(転貸人)との間で賃貸借契約を合意解除することで転借人を追い出すことができるとすると、転借人の地位は不当に害されることになるので、賃貸人と賃借人による賃貸借契約の 合意解除 は、特別の事情のない限り 転借人には対抗できない 。」とありますように、

A(賃貸人)とB(賃借人、転貸人)の間でされた賃貸借契約の合意解除は、D(転借人)に対抗できません。

つまり、Aは、Bとの賃貸借契約の合意解除を理由に、Dに甲建物の明渡しを求めることは できません 。

よって、この肢は誤りです。



4.×
判例(最判昭和36.12.21)に「転貸借の終了するに先だち賃貸借が(債務不履行により)終了したときは爾後転貸借は当然にその効力を失うことはないが、これをもって 賃貸人に対抗し得ない こととなるものであって、賃貸人より転貸人に対し返還請求があれば転貸人はこれを拒否すべき理由なく、これに応じなければならないのであるから、その結果 転貸人は、転貸人としての義務を履行することが不能 となり、 その結果として転貸借は終了 に帰する」とあります。

これは、Bの債務不履行により、AB間の賃貸借契約が解除され、 AがBに甲建物の返還を請求すると、Bとしては拒むことができません 。

そうすると、 BE間の転貸借契約に基づくBの甲建物をEに引き渡す義務を履行することが不可能 になります。

その結果、 BE間の転貸借契約は終了 します。

ですので、Eは、Aから甲建物の明渡しを求められると、 対抗することができません 。

言い換えると、 Aは、Eに対して甲建物の明渡しを求めることができます 。

よって、この肢は誤りです。



5.×
判例(最判昭和44.7.17)に「建物賃貸借契約において該建物の 所有権移転に伴い賃貸人たる地位に承継があった場合 には、旧賃貸人に差し入れられた敷金は、賃借人の旧賃貸人に対する未払賃料債務があればその弁済としてこれに当然充当され、その限度において敷金返還請求権は消滅し、残額についてのみ その権利義務関係が新賃貸人に承継される ものと解すべきである。」とありますように、

旧賃貸人から賃貸借契約の目的物である建物の所有権を取得した新賃貸人は、

旧賃貸人と賃借人との間の敷金に関する権利義務関係を承継 します。

つまり、 Aの敷金返還義務を、Fが承継する ということです。

ですので、Fは、Bに対して 敷金の返還義務を負います 。

よって、この肢は誤りです。





以上により、答えは2です。


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Last updated  2014.11.15 16:14:48 コメントを書く
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