●４／１２本日のテレビ映画「現金に体を張れ」と犯罪映画

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2004年04月12日

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現金に体を張れ

太く短く人生を送ろうー刑務所を出たジョニー（スターリング・ヘイドン）が目をつけたのは競馬場の売上金だった。彼は仕事の仲間として５人の男を引き入れた。
ジョニーは競馬場近くのモーテルを１室借りて犯行当日の根城とした。決行の前日、一味は最後の打合せをしたが、この話を立ち聞いたジョージの妻シェリーは情夫のヴァルとよからぬ計画を企んだ。仕事の当日がきた。ジョニーが用意した機関銃はマイクの手で競馬場の更衣室の中へ。いよいよ決行である。・・・・
セミ・ドキュメンタリの手法を使った犯罪もので、探偵小説作家ライオネル・ホワイトの「完全なる消散」の映画化。

もと「ルック」誌のカメラマンのスタンリー・キューブリックが脚色・監督をつとめた。キューブリックには第１回作「不安と欲望」（我国未公開）があり、これは第２回作品。

撮影は「ながれ者」のルシエン・バラード。主演は「虐殺の砂漠」のスターリング・ヘイドン、「赤い河」のコリーン・グレイ、新人ヴィンス・エドワーズ、「怒りの河」のジェイ・Ｃ・フリッペン、「シェーン」のエライシャ・クック。
＜スタッフ＞
監督・脚本：スタンリー・キューブリック
出演：スターリング・ヘイドン,コリーン・グレイ,ヴィンセント・エドワーズ,ジェイ・Ｃ・フリッペン,テッド・デ・コルシア,ティモシー・ケリー,マリー・ウィンザー,エリシャ・クック・Ｊｒ

本日の映画は、最近亡くなったスタンリー・キューブリック監督の初期の傑作。
平凡な物語のようで、周到に組み立てられた演出は見事である。

犯罪映画はたくさんあるが、一見似通っていてもそれぞれ様々な工夫を凝らして楽しめる作品づくりをしています。

アメリカの犯罪映画といえば、アクションシーンやスタントシーンを使った派手な展開が中心ですが、一方で「ゴッドファーザー」のような重厚な作品も。

一方、ヨーロッパのフィルムノワールはご存じジャンギャバンやアランドロンが活躍した非常に凝ったストーリー展開の作品が多い。ラストであっと言わせる作品なども多々あり楽しめます。

本作はイギリスのキューブリックがとるアメリカ映画で、さすがに上記の二つのメリットとキューブリックの特異な才能が花開いた傑作といえるでしょう。
＜参考作品＞

暗黒街のふたり
フランス映画界が世界に誇る2大俳優、アラン・ドロン＆ジャン・ギャバン3度目の共演作にして、ジャン・ギャバンの遺作ともなったドラマチックなフィルム・ノワール。暗黒街出身という異色の経歴を持つ名匠、ジョゼ・ジョバンニ監督ならではの視点で、暗黒街から足を洗おうとする男の苦悩と誇りがスリル満点のアクションを交えて描かれている。無名時代のジェラール・ドパルデューは要チェックだ。