2004年11月23日
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実際の人物が何者であったのかは謎のままに現代まで語り継がれている写楽を映像派の名匠篠田正浩監督が描いた秀作の登場です。
演じる真田広之の演技も光るこの作品。見所は江戸時代の時代風景です。
庶民の生活がまざまざとカラーで描き出され、そのスケールの大きさはまるで、日本のどこかにこんな町が残っているのではないかと思わせるくらいです。

フランキ-堺の怪演も見所の一つ。彼の独特の個性と、アクションよりも演技で花開いていく真田広之の名演技がぶつかり合って、さらに周りを囲む脇役人も多彩に、作品を色づけていきます。

とにかく、その場その場の展開が本当におもしろく、実在したかさえ、定かではない写楽を謎解きながら見ていくと、またこの映画のおもしろさも倍増するというもの。
日本文化華やかなりし日の一ページをじっくりとご覧ください。そして、篠田監督の美しい映像にも堪能してほしいと思います。

◆写楽BSpm7:45

製作国:日本
製作年:1995
配給:松竹=松竹富士配給


スタッフ
監督: 篠田正浩 
製作総指揮: 高丘季昭 
プロデューサー: 原正人 ト
原作: 皆川博子 
脚色: 皆川博子 
堺正俊 
片倉美登 
篠田正浩 
撮影: 鈴木達夫 
音楽: 武満徹 

キャスト(役名)
真田広之  (とんぼ(齋藤十郎兵衛/東洲齋冩樂))
フランキー堺  (蔦屋重三郎)
岩下志麻  (おかん)
葉月里緒菜  (花里)
佐野史郎  (喜多川歌麿)
片岡鶴太郎  (幾五郎(十遍舎一九))
永澤俊矢  (鉄蔵(葛飾北齋))
坂東八十助  (松平定信)
中村富十郎  (市川團十郎)
加藤治子  (おふじ)

解説
寛政6年から7年にかけて浮世絵界に突如として現れ、およそ140種の役者絵と相撲絵を残して消えた謎の浮世絵師・写楽の、霧に包まれた正体に迫る歴史ドラマ。
監督は「少年時代」の篠田正浩。撮影を鈴木達夫、音楽を96年に急逝した武満徹が担当。また、“写楽研究家”としても知られている俳優・フランキー堺が、企画総指揮に当たっている。松竹創業100年記念協賛作品。95年度キネマ旬報ベストテン第5位。


ストーリー
寛政3年、人口100万を越えた江戸は、最も華やかな時代を迎えようとしていた。市川團十郎の舞台を見物していた大道芸人のおかんは、團十郎の上る梯子を支える稲荷町役者・十郎兵衛がその梯子に足を潰されて血を流しているのを発見。その後、役者として使いものにならなくなってしまった彼を、大道芸の道に引き込んだ。大道芸人となった十郎兵衛は、とんぼと呼ばれるようになり、おかんたちと一緒に吉原界隈などに現れてはケチな商売をして金を稼ぎながら、歌舞伎小屋に出入りして書割りを描く手伝いをするようになっていた。

一方その頃、京伝や歌麿といった人気浮世絵師を抱える版元“蔦屋”の主人・十三郎は、京伝の描いた洒落本がお上のご禁令に触れ、手鎖50日の刑に服していた。このことに不安を感じた歌麿は、蔦屋を見限って他の版元へ鞍替えする。いっぺんに二人の売れっ子を失ってしまった蔦屋は、起死回生を図ろうと幾五郎や鉄蔵などを使って役者絵に挑戦するが、なかなか思うようにことは運ばない。

そんなある日、鉄蔵が一人の名もない男が描いたという絵を蔦屋に届けに来た。決して上手いとは言えない絵ではあったが、溢れかえるような毒気に魅力を感じた蔦屋は、早速その絵の描き主・十郎兵衛を探し出し、役者絵を描くように説得を試みるのだった。

かくして東洲齊冩樂が誕生し、その絵は世間や役者たちに反感を買いながらも、一世を風靡するほどの話題を江戸に撒き散らすことになる。しかし、この恐るべき才能に最も敏感に反応したのが歌麿だった。彼は自分の地位を危ぶみ、必死になって冩樂なる謎の人物を探し、ついにそれが十郎兵衛であることを突き止める。十郎兵衛を前にした歌麿は、それが度々吉原に姿を現していた大道芸人であったことを想い出し、しかも彼が自分の贔屓の花魁・花里と目を交わす仲であったことから嫉妬の炎を燃やして、二人を江戸から追放させようとした。・・・







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最終更新日  2004年11月23日 13時31分02秒
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