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2026.03.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
3月11日、いわき市の中学校で卒業祝いの給食として赤飯を出す予定だったものが、直前で取りやめになり、大量に廃棄されたというニュースを見た。
その話を知ったとき、私はどうしても心に引っかかるものがあった。

赤飯そのものが悪いとは思わない。
卒業シーズンに赤飯を出すこと自体は、むしろ自然な発想だと思う。赤飯にはお祝いの場の食べ物という印象があるし、卒業を祝う献立として考えれば、特別不思議なことではない。

けれど、それが3月11日となると、どうしても同じようには受け止められない。

3月11日という日付の重さ

3月11日は、東日本大震災が起きた日だ。
とくに、いわき市のように実際に被害を受けた地域にとっては、単なる一年のうちの一日ではないはずだ。

あの日を境に生活が変わった人もいれば、大切なものを失った人もいる。


だからこそ、その日に「お祝い」を象徴するような赤飯を給食で出すと聞くと、違和感を抱く人がいても不思議ではない。
卒業を祝うことはもちろん大切だが、3月11日という日には、それとは別の意味が重く重なっている。

悪意がないからこそ考えたいこと

今回の件で、献立を考えた側に悪意があったとは思わない。
むしろ、生徒たちの卒業を祝いたいという気持ちから考えられたものだったのだろう。

でも、善意であっても、日付が持つ意味まで軽くなるわけではない。
気持ちはあたたかいものでも、受け取る側の記憶や感情とは、必ずしも一致しないことがある。

私はこのニュースを見て、以前聞いた話を思い出した。
知り合いに3月11日生まれの人がいるのだが、その人は「誕生日ではあるけれど、この日だけは心からお祝いムードになれない」と話していた。

本来、誕生日は祝われていい日だ。
それでも、3月11日という日付には、それだけでは済まされない重みがある。直接震災を経験していない人であっても、複雑な気持ちになることがあるのだから、被災した地域でなおさら敏感になるのは自然なことだと思う。



この件は、単純に「赤飯が悪い」「廃棄はもったいない」だけで終わらせられる話ではないと思う。
もちろん、食べ物が大量に廃棄されるのは残念だし、もったいないという声が出るのももっともだ。

ただ、その前に考えたいのは、なぜその献立が3月11日に組まれていたのか、ということだ。
卒業祝いで赤飯にする。そこだけ見れば自然な流れだったのかもしれない。けれど、3月11日という日付を見たときに、「この日は別の意味を持つ日ではないか」と立ち止まる視点があってもよかったのではないかと思う。

しかも、いわき市は震災を経験した地域だ。


だから学校給食の献立であっても、ただの季節行事として片づけてしまってよい話ではなかったように感じる。

祝うことと、静かに向き合うことは両立できたはず

卒業を祝うことは大切だ。
それは間違いないし、節目をきちんと形にしてあげたいと思う気持ちもよくわかる。

ただ、3月11日には、追悼の日として静かに向き合う空気もまた必要だと思う。
その二つは、どちらか一方を消さなければ成り立たないものではなく、本来は両立できたはずだ。

たとえば、卒業祝いは別の日にする。
あるいは、3月11日は別の形で過ごす。
そうした選択肢もあったのではないかと思う。

今回のニュースを見て私が考えたのは、何を出すかということ以上に、その日がどんな日なのかをどれだけ想像できるか、ということだった。

お祝いの気持ち自体は間違っていない。
でも、その気持ちだけで進めるには、3月11日という日はあまりにも重い。
だから私はやはり、この日に赤飯を出そうとしていたことに、強い違和感を覚えた。

地域の記憶に寄り添うこと。
その日にしかない空気や感情を想像すること。
たとえ学校給食の献立ひとつであっても、そうした視点は欠かしてはいけないのだと、今回の件は改めて考えさせてくれた。





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最終更新日  2026.03.20 09:26:19
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