皆の小説  ~大抵休日ダラダラしてる~

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神様代行  ~最初のエピソード~



人類の世界を、見下す立場。

世界の調節や、運命を定めるのが「神」

「神様」の、下っ端的な存在を「仙人」と呼ぶ。

そして、仙人には秘書的な役目の「天使」がいる。

そんな天界での出来事を、ここに記す。











~第1話~   「こんな人でいいのか?」


今日の風は、とても良い。

ゆっくりと吹いて、暖かい。

あっ。自己紹介するの忘れてた。

僕の名前は、ケレス。

職業は「天使」

天使については・・・、さっき言ったよね。

さて。

天使といっても、最近仕事はない。

死んだ魂を導くのは、「死神」

悪いイメージがあるみたいだけど、そんなの嘘。

死神はちゃんとしたやつだ。

僕は仙人のサポートをするだけで、他は何にもしない。

いやっ、違う。

正確に言うと「しなかった」

つまり過去形。

なんと、今日から僕の仙人が「神様代行」に選ばれたのだ。

えっ?神様代行って何って?

神様代行っていうのは、そのまんまの意味。

神様の代わりって意味。

理由は知らないけど、神様が出張に行くんだって。

で、指名したのが僕の仙人。

全く不思議だ。

だって仙人、いままで一度も仕事してないんだもん。

まぁ、別にいいけどね・・・。

仙人が選ばれたおかげで、僕も名誉があたえられた。

これほど嬉しいことはない。

で、今日が初日。

だが、考えてみればこの仙人が仕事をするはずがない。

あっ、仙人のこと紹介してなかった。

僕の仙人の名前は「エリル」

仙人の中でも、一番若い。

性格は、「ダラダラ」がモットー。

なんで、この人が選ばれたんだろう・・・?

僕は仙人にしゃべりかけてみた。

「仙人。仕事しないんですか?」

すると、仙人は読んでいた本を閉じた。

そして、人間界を見た。

「ケレス君。君は神の仕事を知っているかい?」

「もちろんですよ」

「では、天気を僕が調整しているのは知っているね?」

僕は返事をせずに、コクッ、とうなずいた。

「それも仕事の一つだよね?」

だんだん、仙人の言いたいことがわかってきた。

「つまり仙人は、ちゃんと仕事をしている、って言いたいんですよね」

すると仙人は満足そうに、

「よくわかっているじゃないか」

と言うと、再び本を読み始めた。

「仙人。運命を定めたりはしないんですか?」

自分の顔が引きつっているのがわかる。

すると、仙人は本を閉じた。

そして、ハァー、とため息をついた。

「ケレス君。君はじゃんけんを知っているよね?」

「はい」

イライラが溜まってきてる。

さっさと仕事しろよ!!

心ではそう思っていたが、口には出さなかった。

仙人は人間界を見て、指差してこう言った。

「ほら、あそこにじゃんけんをしようとしている子がいるね」 

そこには、小学生くらいの子が数人いた。

僕はうなずく。

「僕は、あのじゃんけんの運命を変えられる」

仙人は、パチン、と指を鳴らす。

「あの赤い服の子が勝つ」

じゃんけんの結果は、仙人が言った通りだった。

「何が言いたいんですか?関係ないじゃないですか!!」

僕の怒鳴り声に、仙人は一瞬驚いたが、話を続けた。

「つまり、僕は今の人間界を平和にすることができる」

「ええ、それは知っています」

「だけど僕はしない。なぜか?」

僕は刹那の速さで言葉を返す。

「面倒くさいだけでしょ」

「・・・違うよ、ケレス君」

「じゃあ、なんでですか?」

僕はだんだんと怒りが溜まってくる。

仙人はそのことに気がついたのか、早口にしゃべった。

「そんなことをしたらつまらないじゃないか」

一拍おいて、仙人は続ける。

「人間にだって意思はある。それを尊重してあげているんだよ」

「・・・・・・」

確かに仙人の言うことは一理ある。

人間にも意思はあるのだ。

それを、勝手に決めたら失礼だ。

「そうですね。仙人の言うことはよくわかりました」

その言葉に安心したのか、仙人はホッとしている。

ちゃんと仙人も考えているんだなぁ・・・。

僕はそう思い、本を取り出し読もうとした。

その時。仙人が小さな声で、

「本当は、面倒くさいだけだけどね」

と言ったのが聞こえた。

怒ろうとしたが、面倒な事になるのでやめた。

はぁ~、こんな神様代行でいいのだろうか・・・。

そう思ったが、僕は口には出さなかった。



END




















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