オーロラの瞳

オーロラの瞳

ことわざ/人間(弁舌・嘘・秘密)


   空き樽は音が高い
   (あきだるはおとがたかい)
    └空の樽はたたくと高い音がすることから、中身のない、
     内容空疎な人間ほどよくしゃべり、周囲をうるさがら
     せることのたとえ。

   揚げ足をとる
   (あげあしをとる)
    └相手が蹴ろうとして上げた足をとって倒すこと。転じて、
     人の言い間違いや言葉尻をとってやり込めたり、皮肉っ
     たりすること。

   浅瀬に仇浪
   (あさせにあだなみ)
    └「仇浪」は、いたずらに立ち騒ぐ波の意。波は川の深い
     所よりも浅い所に立ち騒ぐもの。転じて、考えの浅い人
     ほど騒ぎたてるということ。

   言い勝ち功名
   (いいがちこうみょう)
    └言葉数の多いほうが勝ち、道理のない意見でも多弁なほ
     うが人に受け入れられるという意。また、黙っていては
     よい意見も周囲の者に通じないということ。

   言いたい事は明日いえ
   (いいたいことはあすいえ)
    └思ったことはすぐ口に出さず、一晩じっくり考えるくら
     いの間をおいたほうが、失言をせずにすむということ。

   言うは易く行うは難し
   (いうはやすくおこなうはかたし)
    └口に出して言うのは簡単だが、それを実行するとなると
     なかなか難しいという意。出典は「塩鉄論」。

   痛くもない腹を探られる
   (いたくもないはらをさぐられる)
    └痛くもないのに、痛む所はどこかと腹を探られる。やま
     しいことは、まったくしていないのに、あれこれと疑い
     をかけられたり、調べられたりすること。

   言わぬが花
   (いわぬがはな)
    └黙っているほうが、かえって趣や値打ちがあってよい、
     露骨に言ってしまっては、身もふたもないということ。

   売り言葉に買い言葉
   (うりことばにかいことば)
    └相手に言われた悪口に、悪口で返すこと。「けんかを売
     る」「けんかを買う」などの言い方に関連したことば。

   奥歯に物がはさまる
   (おくばにものがはさまる)
    └事実や本心をはっきり言わないで、思わせぶりな言い方
     をする様子をいう。

   語るに落ちる
   (かたるにおちる)
    └聞かれたときには用心して言わなかったのに、話している
     うちに、うっかり本当のことを言ってしまうこと。「問う
     に落ちず語るに落ちる」の略。

   蟹の念仏
   (かにのねんぶつ)
    └蟹が泡を吹く様子から、いつまでも口の中でぶつぶつ言
     っているさま。

   壁に耳
   (かべにみみ)
    └他人に聞かれていないはずの室内での密談も、まるで壁
     が聞いていたかのように、いつの間にか外に漏れてしま
     うということ。秘密の話が外に漏れやすいことのたとえ。

   神様にも祝詞
   (かみさまにものりと)
    └神様はすべてを見通せるとはいっても、やはり祈りのこ
     とばを口に出して言わなければ願いは通じない。わかり
     きっていることでも、改めてことばにして言うことによ
     って、はじめて相手に通じるということ。

   看板に偽りあり
   (かんばんにいつわりあり)
    └実際の商品と、看板に書かれた文句が違うこと。悪い品
     物でも、売り込むために過大に広告して客寄せすること。
     また広く、外見と実質が一致していないこと。

   狐を馬に乗せたよう
   (きつねをうまにのせたよう)
    └揺れ動いて落ち着かないこと。言うことが当てにならず、
     信頼できないたとえ。「狐に馬を乗せたよう」とも。

   唇亡びて歯寒し
   (くちびるほろびてはさむし)
    └唇がなくなれば歯も寒い、の意。互いに助け合うものの
     一方が滅びると、他方も危なくなるというたとえ。

   口も八丁う 手も八丁
   (くちもはっちょう てもはっちょう)
    └「八丁」は巧みなことで、「八挺」とも書く。しゃべるこ
     とも、仕事することも達者なこと。

   巧言令色鮮し仁
   (こうげんれいしょくすくなしじん)
    └「巧言」は、口先だけのうまいことば。「令色」は、媚び
     へつらって、相手によく思われようとする顔つき。口が
     うまくて愛想のよい人間には、思いやりの心を持つ者が
     少ないということ。出典は「論語」。

   鷺を烏と言いくろむ
   (さぎをからすといいくろむ)
    └真っ白な鷺を真っ黒な鳥と言い張ること。明らかに正し
     くないことを正しい、あるいは正しいことを正しくない
     と言いくるめるたとえ。ものの道理を正反対に曲げて言
     う、あるいは不合理なことを強引に主張すること。

   囁き千里
   (ささやきせんり)
    └ささやき声での話が、すぐ遠くまで伝わること。内緒話
     や秘密が漏れやすいことのたとえ。「囁き八丁」とも。

   舌の根の乾かぬうち
   (したのねのかわかぬうち)
    └言い終わるか終わらないかのうち、言い終えたすぐあと、
     ということ。前言を翻すような行動や言動を非難すると
     きのことば。

   舌は禍の根
   (したはわざわいのね)
    └うっかり言ったことが思わぬ災難を招くことがある。口
     には気をつけよという戒め。

   雀の千声 鶴の一声
   (すずめのせんこえ つるのひとこえ)
    └多くの雀がいっせいに鳴くより、鶴の一声のほうがよく
     響く、の意から、つまらない者があれこれ言うより、優
     れた者が一言発言するほうがまさるということ。大勢で
     議論してまとまらないことが、権威者の一声で決まるこ
     とのたとえ。前を略して「鶴の一声」ともいう。

   寸鉄人を刺す
   (すんてつひとをさす)
    └「寸鉄」は、小さい刃物。転じて、警句や警語、諷刺のこ
     とをいう。短い適切なことばで、人の急所や要点をつくこ
     とのたとえ。「寸鉄人を殺す」ともいう。

   竹屋の火事
   (たけやのかじ)
    └竹が燃えると、竹の節がはじけて「ぽんぽん」とやかま
     しい音を立てる。にぎやかな竹屋の家事のように、怒っ
     てぽんぽん言うこと。また、言いたい放題に言う様子を
     しゃれてたとえたもの。

   叩けば埃が出る
   (たたけばほこりがでる)
    └どんな物事や人物でも、調べ上げれば欠点や秘密、悪行
     が出てくるものだということ。「叩けば埃が立つ」とも。

   立て板に水
   (たていたにみず)
    └立て板に水を流すと早く流れ落ちることから、弁舌が
     さわやかで、すらすらとよどみないことのたとえ。ま
     た、続けざまにしゃべること。

   狸が人に化かされる
   (たぬきがひとにばかされる)
    └だまそうとした者が、逆にだまされること。甘く見た相
     手から、してやられること。

   忠言耳に逆らう
   (ちゅうげんみみにさからう)
    └真心を尽くしていさめることばや忠告は、欠点、弱点、
     過ちをずばりついてくるので耳に痛く、素直に聞くこと
     が難しいということ。

   手前味噌を並べる
   (てまえみそをならべる)
    └自分が作った味噌を並べて自慢するという意味。自分や
     身内のことをあれこれ自慢すること。「手味噌を擂る」
     また、単に「手前味噌」ともいう。

   戸板に豆
   (といたにまめ)
    └戸板に豆を転がすとよく転がることから、早口でよどみ
     なくしゃべるさま、物事がどんどん進展していくたとえ。
     また、戸板で転がる豆は思い通りには扱えないことから、
     男女の仲で思うようにならにことにもいう。

   鳴く虫は捕らる
   (なくむしはとらる)
    └鳴き声の美しい虫がその声ゆえに捕らえられるように、な
     まじ特技があるために身を誤ることをたとえていう。

   二の句が継げぬ
   (にのくがつげぬ)
    └相手のことばにあきれたり驚いたりして、次のことばが
     なかなか出てこないさま。雅楽の朗詠の第一句末から二
     の句に移るとき、急に高音になるため詠じ続けるのが難
     しいことから出たことば。

   二枚舌(を使う)
   (にまいじた(をつかう))
    └一つの物事を二通りに言うこと。矛盾したことを言うこ
     と、嘘をつくこと。

   能なしの口たたき
   (のうなしのくちたたき)
    └才能のない者ほど軽口をたたく。口先ばかりで実力のな
     い者をあざけっていうことば。

   吐いた唾は呑めぬ
   (はいたつばはのめぬ)
    └いったん口から出たことばは取り消せないということ。無
     責任な発言を戒めたことば。

   馬鹿も休み休み言え
   (ばかもやすみやすみいえ)
    └くだらないことを言うのもいいかげんにしろということ。

   這っても黒豆
   (はってもくろまめ)
    └理屈に合わなくても、自説を曲げず強情をはること、ま
     たそのような人のたとえ。

   話上手は聞き上手
   (はなしじょうずはききじょうず)
    └本当に話し上手な人は、相手にも気持ちよく話を
     させるものだということ。

   歯に衣着せず
   (はにきぬきせず)
    └遠慮しないで、思ったことをずけずけ言うこと。相手に
     とって厳しいことや、不快なこともはっきりと言うこと。

   半畳を入れる
   (はんじょうをいれる)
    └人の言動を非難してやじったり、人の話をまぜっ返した
     りすること。「半畳を打つ」ともいう。

   秘事は睫
   (ひじはまつげ)
    └秘伝や奥義などの秘め事は、以外に身近にあるものであ
     るというたとえ。

   吠える犬は噛みつかぬ
   (ほえるいぬはかみつかぬ)
    └むやみにいばったり、強がったりする者に限って、実力
     はないものだというたとえ。

   眉に唾をつける
   (まゆにつばをつける)
    └相手にだまされないように用心すること。とても信用で
     きず嘘ではないかと疑うこと。

   丸い卵も切りようで四角
   (まるいたまごもきりようでしかく)
    └同じことでも言い方や、やり方次第で円満に終わったり、
     角が立ったりするということのたとえ。

   物言えば唇寒し秋の風
   (ものいえばくちびるさむしあきのかぜ)
    └松尾芭蕉の句。人の悪口や自慢を言ったあとは、何とな
     くむなしい気分になるものだ、が本来の意味。転じて、
     よけいなことを言うと思わぬ災いを招くものであるとい
     うこと。

   物は言いよう
   (ものはいいよう)
    └同じことを言う場合にも、話し方一つで良くも悪くも受
     け取られるものであるということ。

   薬石の言
   (やくせきのげん)
    └「薬石」は病気を治す薬と、石で作った漢方の鍼のこと。
     薬と石鍼のように役に立つことばの意。ためになる戒め
     のことば、忠告や諌言のこと。

   綸言 汗の如し
   (りんげん あせのごとし)
    └「綸言」は、君主のことば。汗が一度流れたら体内に戻
     せないように君主のことばは一度口にしたら、訂正も取
     り消しもできにということ。出典は「漢書」。

   禍は口から
   (わざわいはくちから)
    └人は、自分の口から出たことばによって災難を招くこと
     が多い。ものを言うときは、慎重にせよという戒め。



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