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2003年02月24日
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 まだ、手書きの原稿による納品があった頃の話だ。30歳で独身だが、フリーになってから6年になるという女性に、ある旅行雑誌の執筆を依頼した。

 原稿が締め切りよりもはるかに遅れ、本人が直接持参でやってきた。直前まで書いていたのか、その場で書き終えた用紙を用紙帳から切りはなしていた。それは今回は措こう。さらなる問題の行為は次にある。原稿用紙は400字詰めだったが、書かれた最後のページにあたる原稿用紙は、半分にもみたない100字程度しか書かれていなかった。彼女は、私の見ている前で、その用紙に縦半分に折り目を付け、引き離すように2つに裂いて書いてある方を提出。升目の余っていた方はまた使うつもりか、鞄にしまったのである。私は、まさに「目が点になった」状態で言葉を失った。

 考えてみて欲しい。500円の買い物をしたからといって、1000円を半分に裂いて渡すバカがどこにいるだろうか。原稿用紙は、たとえ1字でも書いたらそれがまるごと商品なのである。

 これまで書いてきたように非常識な言動は枚挙にいとまがないが、商品そのものを自分から冒涜するここまで“自虐的”な人は後にも先にもそうはいない。

 この人は6年フリーをやっているというが、もともと出版社などを経験していないため、この仕事に対する基本的なふるまいや知識を教えてもらえる機会がなかったのかもしれない。いくらキャリアがあると自称していても信用はできないということだろう。

 2月14日(金)の日記でご紹介した、エッセイストも司法書士も挫折してしまった主婦も似たようなことをしてきた。彼女が書き上げた原稿は、原稿用紙帳からまとめて切りはなしたのか、提出したものの1枚1枚が切りはなされておらず、タクアンの包丁入れそこねのように全部をつなげたままだった。ノンブル(頁番号)もふられておらず、タイトルも入っていない。クリップで止められてもいない。私はその場で1枚1枚切りはなしながら、「あなたの提出したものは商品なんですよ。商品としての取り扱いを、制作者である著者自身が放棄してどうするのですか?」と注意をした。彼女は謝罪もせず、ふてくされたようにそれを聞いていた。彼女が仕事を投げ出したのは、それも気にくわなかったのかも知れないが、そんなもの、知らない方が悪い。

 昨今は、パソコンで原稿を作成し、メールで送るケースが主流ではあるが、「商品」としてのルールは手書きのものと同じではないにしても厳然と存在する。しかし、それを配慮しているとは思えないケースが多すぎる。

 たとえば、通常のベタ原稿について、断りも必要もないのに特定のワープロデータ形式で送ってくる人がいるが、なぜプレーンテキストで提出できないのだろう。リードやキャプションなどを、こちらが不必要と言ったわけでもないのに書かなかったり、書いても、本文と見分けがつきにくい書き方をしたりする人もいる。画像や図版がつく原稿は、何があってどのへんに入るかという断りもないままバラバラに送りつけてくるケースも少なくない。いくらブロードバンド時代とはいえ、大容量の画像データを一言の断りもなく勝手に送るのは「ネチケット」に反するだろう。

 これらに共通して言えるのは、仕事として非常識であるだけでなく、ネットワーカーとしての常識も疑わざるを得ないことである。「パソコンを買ったからお気楽アルバイトで仕事をゲットしよう」と考えているアナタ。仕事以前に、まずパソコンユーザーとしてのキャリアを積んで下さい。





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最終更新日  2003年02月25日 09時27分16秒
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