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2008/10/29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
※2キロバイト前後の小説(ショートショート)を書いてみた。

いきなりで何なのだが、皆さんはテレポーテーションをしたことがあるだろうか?
いわゆる超能力の一種で「意志による瞬間移動」ってやつだ。
俺の場合は、無意識による瞬間移動だったが。

俺は、朝の通勤電車の中でその日3回目のため息をついた。
仕事はおもしろくないし、人間関係も最悪だ。
まわりには、俺のミスを見つけようとうかがうやつらばかり。
忙しいわりに思っていたほど給料ももらえない。
仕事だって、なんだかんだ言っても、結局は「雑用係」にすぎない。

心の中でそんな愚痴を思いっきりこぼせる通勤電車内の「孤独」が俺は好きだった。そう、その日までは…。

もうすぐ、会社のあるA駅に着く。
(ああ、会社に行きたくないなぁ)
そう思って目をつぶった次の瞬間、アレは起こった(らしい)。

気がつくと俺は駅のホームに立っていた。それも、下車するA駅の一つ先、B駅だった。
まわりを見回しても電車は見当たらない。時計を見ると、ほとんど時間が経っていない。
信じられないことだが、俺は約ひと駅分をテレポーテーションしてしまったらしい。

その日、俺は会社に10分遅刻した。
口うるさい部下にはガミガミ言われたが、黙って耐えた。
テレポーテーションしたなんて言えるはずがない。

次の朝は、気がつくとA駅の二つ先、C駅にいた。

最後に、彼女は冷たく、しかし口調は慇懃にこう付け加えた。
「まさか、気がついたら遠く離れた場所にいた、なんてへたな言い訳をおっしゃるんじゃないでしょうね?」
これほど口調と内容が食い違っている女も珍しい。
俺は、ますます本当のことが言えなくなった。

次の日、俺が出現したのは三つ先のD駅だった。

その証拠に、テレポーテーションする距離がどんどん伸びていく。

思ったとおり、毎日飛ばされる駅は一つずつ遠くになり、遅刻する時間も比例して増えていった。

1時間半遅刻したその朝、しかたなく部下に本当のことを打ち明けた。
毎朝テレポーテーションしてしまって、しかもその距離がどんどん伸びていると。

「なるほど」
彼女は、事もなげに言った。
「電車通勤をやめれば解決するのでは?」
「しかし…」
「重役以上で電車通勤しているのは、社長、あなただけですよ。」





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Last updated  2008/10/29 05:53:38 PM
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