④ケン・クロサキ

④ケン・クロサキ

最近フリーマーケットで買ったマンガが、けっこうつぼにはまってて。
絵はかなり荒削りなかんじがするんだけど、素直に感情移入できちゃったんですよね。
なにより私の好きなファクターがそろいにそろってるストーリーだったし。
「歴史」とか「ルーツ」とか「出生」や「神」・・・・。

今回は吉田秋生著「YASHA~夜叉~」のケン・クロサキです。
(やっぱり、例によってケンが主人公ではありません。)

ストーリーは、遺伝子操作の結果生まれた双子の超人類有末静と有末凛が、
サイバー・ウィルスの開発とその抗体の開発をめぐって対峙するところから始まります。
サイバー・ウィルスを人類の人口調整に利用し、人種淘汰まで考える凛と、
凛を大切に思いながらもその凛の行為を許せない静。
すでにDNAからクローンを生んでいる現代科学を思えば、絵空事とは言い切れないテーマ。
超人レベルの知能と聴覚、発達した伝達神経と運動神経をもつ静と凛。
母に育てられた静と父に育てられた凛と、そんな幼少期の育った過程が、
ふたりの関係をねじれた迷路に引き込んでいきます。

で、そんな中で、ケン・クロサキは。
優秀な米軍将校だったのをあっさり脱退し、傭兵として静のボディガードをしているのです。
もちろん彼は実力ある優秀なプロ、立場をわきまえてはいるものの、時々のぞく静への愛情。
なんかね、そういうのって、独特の切なさがあって好きなんです。

ケンの、自分の一生を静を守るためだけに消耗しようとする覚悟は、まるで切ない恋みたい。
傭兵仲間のルー・メイにちょっと一晩気を許してしまったのは残念だけど、ま、仕方ないか。
ルー・メイもイイ女なので、それはそれ、愛はなくてもアリでしょうかね。

では、静とケンのやりとりを。

静 「もしおれがどうしても脱出できずなんらかの形で意志を奪われ、
   彼らの言いなりにさせられるようなことがあったらその時は・・・・」
ケン「・・・・・」
静 「おれを殺してくれ」
ケン「な・・・・何を・・・何を言ってるんです あなたは・・・・」
静 「おれは本気だ」
ケン「・・・・・」
静 「おれがどんな目にあってきたかよく知ってるあんただから頼んでるんだ!!
   自分の意志で死ぬことができないならあんたの手で殺してくれ!!」
ケン「!」
静 「そして忘れるな!おれの死体は灰になるまで焼き尽くせ!!
   決してDNAを取りだすことができないように!
   髪の毛1本も残すな!!頼むケン!!」
ケン「・・・・・」
静 「頼むよケン あんたにしか頼めないんだ 
   心を殺されたまま生きていたくない 本物の化物になってしまう前に・・・
   自由にしてやると誓ってくれ でないとおれは・・・・」
ケン「わかった 約束する
   苦しませずに殺してやる」
静 「・・・・・ありがとう」






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