娘と同じクラスの子の中に
カナダからの帰国子女がいる。
二年ほど前に帰国したそうだが
帰国直後はソウルで1年以上暮らしていたらしい。
その後こちら首都圏郊外に引っ越してきて
だいたい1年弱くらいになるのか?
娘は今春新学期まもなく
この帰国子女Hちゃんと仲良くなった。
詳しいことはわからないけれど
Hちゃんは本来なら学年がもう一個上の子で
勉強の遅れからなのか、
一個下の子達と一緒に学校生活を送っている、
という事情があるのだが
娘は同い年の友達に接するように
Hちゃんとはフツーに付き合っている。
Hちゃんは勉強にほとんど付いて行けない状況で
親がそれを危惧して塾に通わせたりするような
Hちゃんに対する危機感を持ってる様子もない。
プリント形式の自主学習教材で勉強していたのも
週一で様子をチェックしに訪ねてくる先生のことを
「頼りないし効果もないし」といって
その学習教材で学ぶのをやめた代わりに
何を新しく始めたかというと『ピアノ』なのだ。
普通韓国では小学校高学年から
『ピアノ』だの『テコンドー』だの『美術』だの
そういう習い事を新しく始める子はまずいない。
たいていは英語塾をはじめとする学習塾系に
親も当然お金を費やす。
子供だって周囲の友達がみんな塾通いで
放課後つるむ相手もいないことに孤独や焦りを覚えて
自ら学習塾を選択することが多いのに。。。
いや、
彼女が『ピアノ』を選んだのは
放課後つるむ相手がそのピアノ教室にいたからだった。
そう、
ウチの娘。。(苦笑)
これには私、正直困った。
当初、心境、とても複雑だった。
個人練習ブースにひとりずつ入って練習することになってるのを
二人で入り込んでドアに鍵かけて
漫画を読みふけったり芸能人話で盛り上がったり
ケータイいじりっぱなしだったり。
もともと練習に集中するタイプでない娘に
さらにHちゃんがいろんな誘惑をけしかけた。
さすがにこれはHちゃんと娘に
親として不快感を示さずにはいられなかった。
院長にも注意するようにしてもらった。
まあ、私もときどきHちゃんには
そうしてお小言をいう立場だったのだが
そんなHちゃんは少々口が悪い(娘談)のも手伝って
クラスのみんなから嫌われてるというのだ。
学校から家が遠いということもあって
タクシー通いもひんぱんにするし
何かカンかとずる休み(娘談)も多いという。
コトバの面では韓国語も流暢だし
これによる『いじめ』というのはなさそうだが。
そのHちゃんがここ2週間ずっと学校をお休みしている。
学校にも連絡をいれず
担任の先生もしばらくは欠席理由を知らなかった。
日頃から彼女をいじめる一派というのがあって
今回もその一派に耐え切れなくなって
学校に行けなくなってしまったようだ。
しょっちゅう休む彼女がこないだ数学の試験日に
また休んだのを『試験ずる休み』と騒ぎ立てて
それからこの長期無断欠席は始まった。
彼女を執拗に攻める級友たちが
彼女のケータイに電話をかけて居所を探ろうとしたり
彼女のお母さんに「娘のこと把握してるのか?」みたいな勢いで
果敢にも電話をかけて母親を激怒させたらしい。
ところで、
私はHちゃんと何度も会っていて知っているのだが
彼女はけっして見るからに嫌われるタイプ
というのでもない。
ただ、外国暮らしが長いせいか、
波長が少々韓国人っぽくないのは確かだ。
一言で言えば『自由人』とでも言うの?
決め事や節度みたいなもんは指摘されると理解を示すが
実際にはやんわりと遠ざけて避けようとする。
礼儀がないわけでもなく
物分りが悪いわけでもない。
ただ、おない歳の子達と並べれば
少々幼稚な振る舞いもあるし
落ち着きがないのかもしれない。
きっとカナダでもけっして勉強が出来た子ではないと思う。
それで韓国に来て韓国ではもっと勉強についてゆけず
親は将来のビジョンを彼女に示すわけでもなく
(また海外移住があるのか、韓国に定住するのかとか)
なんのめどもないまま、
自分の立ち位置を見定められない状況で
それで毎日何を目指して彼女に暮らせというのか。
他にも帰国子女がいーーっぱいいるウチの小学校は
以前も書いたように京畿道には二つしかない
《帰国子女受け入れ小学校》ということになっている。
だからどんどんと帰国子女がこっちに引っ越してくる。
お母さんたちと《緑のおばさん》などの当番活動をすると
そのチームの中に帰国子女のお母さんもいて
じかに親の立場からの帰国子女問題の切実さを
聞くことも多い。
韓国で子供がやっていけそうにないので
もうそろそろ、また以前いた海外居住先に
舞い戻ることを考えてる、というお母さんもいた。
自分はむこうでも自営業をしてきたので
また自営業でもしたらいいから。。。と言う。
海外居住が必然的な状況で行ったというわけでもなく
今後も必然的だから行く。。というわけでもない。
親の海外赴任などでやむにやまれず
というのならしょうがないのかもしれないが
子供の英語力に箔をつけたいからとか
一発海外で金儲けてくる
みたいな発想での海外移住はどんなもんか。。
どちらの国にも根を下ろせない子供は
将来きちんとアイデンティティを確立できるんだろうか。
それはまずいんじゃないか。。と他人は思うのだが
お母さんとしては親子ともども
ただ安らかに暮らしたい というところなんだろう。
人生に目的や目標があるのはけっこうだけど
なんのための目的や目標なのかということを
掘り下げて考える心の余裕は
今の韓国社会(とくに庶民層)にはまだ見当たらない気がする。
その韓国社会の中で
「異質だ」とはじき出された人たちを
自分たちのストレスのはけ口にしているのが
さしずめ Hちゃんを執拗にせめる級友たちみたいな
いまのところ韓国学歴社会の軌道に
きちんと乗れてる者たちだ。
いつでも他人と自分を比較対照して
自分の位置を確認し
安心したり不安になったりするのが
もう あたりまえになってる韓国社会。
「そんな韓国では子供は育てたくない」と思って
海外移住していった家族もいるんだろう。
でもうまくいかなかったらまた戻ってきて
戻ってきても何の希望もなく。。
さらに状況は厳しく。。
私は子供たちをどう育てていこうか。。
本当に迷うのだ。
韓国の価値観には今だ染まりきることは出来ない。
いわんや帰国子女とその家族は
いかばかりだろうか。。。
Hちゃんがなんとか苦しい状況から
一歩抜け出せるように。。と願う。
明日から行きます 2011年01月31日
謹賀新年 2011年01月01日
100,000アクセスありがとうござい… 2010年12月26日
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