青空のように

青空のように

お接待


いよいよ歩き遍路の開始。白衣を着、菅笠をかぶると、なんか恥ずかしいような晴れがましいような・・・。
民宿のおばあちゃんに見送られ出発。今にも雨が降り出しそう。

二番「極楽寺」も大きい寺で、ここで何人かの歩き遍路さんたちと一緒になる。
このときは何も喋らなかったが、この人達とはその後何度も会うようになる。

2番・極楽寺
2番・極楽寺

初めて、「へんろ道」を通る。短い距離だったが、民家の庭先を通ったりするので驚いた。ホントの庭先なのよ。今はオフであまり人は通らないかもしれないが、シーズンには一日中鈴チャリンチャリンいわせながら自分ちの鼻先を知らない人間が通っていくなんて、とても僕には我慢できないと思う。それを許してくれてる四国の人はなんてやさしいんだろうと感激した。
皆さんが普通に生活している場所を好意で歩かせてもらってるんだ、ということを忘れまい、四国の皆さんに少しでも迷惑はかけまいと心に誓う。

三番を過ぎたところで雨が降り始める。僕の雨具はポンチョなんだけど、菅笠とポンチョで傘をささず、笠に当たる雨の音を聴きながら歩くのは不思議な感覚でした。

自販機でタバコを買ったら、タバコ屋のおばちゃんが雨のなか追いかけてきた。「遍路さん遍路さん、あんた何を吸いよるの?」僕は一瞬、遍路がタバコ吸ってちゃいかんと怒られてるのかと思ったが、おばちゃんは僕のマイルドセブンを見ると「ちょっと待っときいや」と言って、店からタバコと携帯灰皿を持ってきてくれた。初めてのお接待だった。
ガイドブックとかにはお接待のことは必ずでてくるけど、いざ自分がやさしくされるとうれしいもんだった。タバコはともかく、雨のなかわざわざおいかけてくれたのよ。ほっときゃそのまま通りすぎてたのに。
それまでの得体のしれない憂鬱もいっぺんに吹き飛ぶ出来事でした。

この日は五番と六番の間の民宿。菅直人さんも泊まったそうで、サインと写真が飾ってあった。お付きもなく、ひとりできたみたいよ。

5番・らかん像
5番・地蔵寺の五百羅漢。耳の後ろをバサバサなにか飛んでいった。コウモリだった。


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