青空のように

青空のように

岩屋寺


旅館を5時半に出発。
真っ暗な中、おばあちゃんが見送ってくれた。
あまりに寒いのでどうしても早足になるが、足はすこぶる快調。

夜明けと同時に、真弓峠のトンネルを通過。
このトンネルがもう、凍え死ぬかと思うくらい冷たくて耳がジンジンする。
やけくそで、「南無大師遍照金剛」と大声で唱えながら小走りで行く。
するとあら不思議、冷たさがずいぶんとやわらぐ(ホントです)。
トンネルを越えると夜は明けていて、急に暖かさを感じて、頭がクラクラする。
しばらく歩くと霧が発生。
急激にこちらへやってくる。
アッという間になにも見えなくなった。
映画「ザ・フォッグ」みたい。

霧1
これが

霧2
こうして

霧3
こうなりました


この日は峠を三つ越える。
ひとつめは国道だったが、あとのふたつは遍路道。
やはり土の道のほうが気持ちいいが、台風と大雨のせいだろう、道はかなり荒れている。

ひょうしき

ku
ふたつめの峠、制覇!


ここからいったん集落まで降り、再び峠を越えるのですが、集落までおりると畑仕事をしている方々から、ずいぶんと励ましの言葉をもらった。
道は車一台がやっと通れるくらいの道(舗装してある)をずっと下って行く。

その途中で、道路工事をやっていた。
狭い道路いっぱいを掘り返し、20センチくらいの側溝には工事の人たちの荷物がいっぱい。
迂回路はグーッと左に曲がっていました。
「ありゃー、困った」と思いながら近ずいていくと、ユンボに乗った若いアンチャンが僕をみつけました。
「お遍路さんやー」と叫び、ユンボを止め、「みんなあ、お遍路さん、こっち通ってもらお」といいました。
すると掘った穴から3,4人の人(全員若い!)が顔を出し、側溝に置いてあったウォータークーラーやら弁当やらジャンパーやらを、サッと手に持って道をあけてくれた。
僕は恐縮してお礼を言いながら通ったのだが、その若いアンチャンたち(ヘルメットからでている髪はみんな茶髪)が口々に「がんばって!」と声をかけてくれた(穴の中から!)。
みんなすごくいい笑顔でした。
僕が通り過ぎると、再び工事が始まりました。

僕は後ろに工事の音を聞きながら、感動で胸がいっぱいでした。
工事の人や交通整理の人たちの優しさは、前にも書きました。
それはもちろん、僕が遍路だからなのでしょう。しかしそれだけで、こんなに優しくできるか?
「お遍路さんやー、ここを通ってもらお」という声には、(チェッ、仕事中なのによー)というニュアンスはなかったし、穴の中で作業されていた人たちも、本物の笑顔で僕をとおしてくれた。
僕ひとり通すために、工事止めてくれたんだぜ。
これが感激せずにおれるか。

僕はこういう優しさを持った人になりたいと思う。
彼らは特別なことをやったわけじゃないだろうし、今通したオヤジが、感動に打ち震えているなどとは思ってもいないだろう。
普通のことを普通にやって、それが実は素晴らしい優しさに満ちているような、そんな人間になりたい。
50近いオヤジは、20代の兄ちゃんたちに、今回のお遍路で最高のプレゼントをもらった気分でした。

最高の気分で山を降り、次の峠へ。
のんびり山の写真など撮りながら。
台風のせいかな、ハゲ山になってるぜ・・・とか思ってたらなんと、この山に登っていくことになるのでした。

はげ

                続く・・・



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