青空のように

青空のように

瀬戸内寂聴


エッセイやらガイドブックやら小説(死国)、般若心経についての本、空海についての本。
多くは勉強になり役にも立ちましたが、最初に僕の背中を押してくれたのは、瀬戸内寂聴「瀬戸内寂聴の人生相談」(生活人新書・NHK出版)という本でした。
これはNHKで放送された番組を本にしたもの(僕はその番組は見ていません)。
僕は対談やインタビューを本にしたものはあまり好きではないし、人生相談のたぐいも嫌いなので、なぜこの本を手にしたのかは憶えていません。そういう心理状態だったのでしょう。

この中に、42歳の女性からの相談があります。
突然23歳の娘が自殺した、というものです。
主人が急死し、父親っ子だった娘が半年後、あとを追うように自殺してしまった。娘が悩んでいたことに気付かず、親として何もしてやれなかったことが悔やんでも悔やみきれない、どうしたらいいのか・・・という相談です。

寂聴さんはこの相談に、悲しさ・辛さを癒してくれるのは時間だけだ、と答えています。
狂おしいばかりの辛さも、あとを追いたいぐらいの悲しみも、じっと我慢して歳月が過ぎるのを待てば、傷はきっと癒される。
その人のことは忘れないでいてあげること。何年経っても、その人がここにいた事を思い出してあげること。

かなり長い寂聴さんの答えは、ここに全文引用したいくらい説得力があり、また美しいものです。
最後に寂聴さんは、この女性に「巡礼」に出ることを薦めています。

僕は何度も何度も泣きながらここを読み返しました。
そしてお遍路に行くことを決めました。
このページのタイトルが「お遍路」でも「巡拝」でもなく「巡礼」であるのは、キッカケをあたえてくれたこの本に敬意を表してのものです。

もし今、愛する人がいなくなってもうだめだ、と思ってる方がいたら、この本を読んでください。

北杜夫が、自分に必要な(あるいは自分が読まなければいけない)書物は、読まなければいけない時に本の方からやってくる・・・と語っています。
この言葉は正しい。
「瀬戸内寂聴の人生相談」を読んだ僕はそう思っています。

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