I歯科医院の高楊枝通信。

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ほんとうの虫歯の発生メカニズム2


実際の虫歯がどうしてできるのか良く理解できます。

今日は 歯根面う蝕 とよばれ、
歯周病にかかった人によく見られる虫歯の画像です。



口腔内に露出した象牙質(歯根)が、
リンゴをかじったみたいにグルっと虫歯になりますので厄介です。
充填処置も難しい、というか出来ない。。
中高年の虫歯の多くはこれで、
子供の虫歯が減っても全年齢の虫歯が減らないわけは、
高齢になるほど、この歯根面う蝕が増えるからです。

若い人の 虫歯は歯医者が削らなければ増えません !?

通常この場合、象牙質だけがやられエナメル質は大丈夫です。
このことから、
これは 異種金属接触腐食 ではないか、というお話はしました。
zu02.gif

接触している2つの金属のうち自然電位の低い方が溶解します。
歯の場合、象牙質の方が溶けると言うことです。

また、象牙質が虫歯になりやすい原因としては
すき間腐食 が考えられます。
zu03.gif

これらの腐食の原因は象牙質の構造にあります。
IMG_0109-6.JPG
この図は象牙質の表面の顕微鏡像ですが、
無数の穴が開いています。
かろうじて細菌が入れる程の
せいぜい2~3μm位の小さな穴なのですが、
歯髄(神経)まで管状に続いていて、
ものすごく深い穴というかすき間になっているのです。

これを象牙細管とよんでいますが、
イオンレベルで象牙質を見ると、
その表面積は非常に大きい、
それだけ溶出しやすい構造をしてるということです。

この穴の中は酸素が少なく外は酸素が多い、
酸素の濃度の差ができると通気差電池が形成され、
腐食する。
Fig3.jpg

酸素が少ない方が溶けるのですが、
その化学的な理由は、下図の右側を参照してください。
酸素が反応する過程で電子を奪い、対極の金属が溶出する。
酸だけで溶けるのは左側の図。
酸素消費型.JPG

もちろん細菌が歯根面に張り付いていれば、
細菌が呼吸の過程(解糖系)で酸素を消費するので、
酸素濃度勾配はさらに大きくなり、
腐食を助長する。
これを 微生物腐食 と言います。

こう考えると歯根面う蝕予防の方策も思いつきますね、
それは 象牙細管を埋めればよい!

マイクロ・ハイドロキシアパタイトは歯の成分と同じもので、
再石灰化の原材料となり、虫歯予防に効果があるとされていますが、
高濃度のマイクロ・ハイドロキシアパタイトは
象牙細管を埋める効果もあることが確認されています。

マイクロ・ハイドロキシアパタイト の歯磨剤、効くかも。。

特許成分、薬用ハイドロキシアパタイト(mHAP)で、虫歯予防。低発泡。研磨剤もフッ素も無配合。医薬部外品。アパガード キッズ ラムネ味 60g です。


参考文献:1、 金属の腐食と摩擦磨耗
2、 亜鉛による防食
3、口腔病理カラーアトラス 石川梧朗編 医歯薬出版
4、 丹治研究室 Tanji Laboratory ホームページ
東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生物プロセス専攻 生物機能工学講座 生物化学工学分野

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