マックの文弊録

マックの文弊録

2005.08.02
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◇火曜日:旧暦六月二十八日 戊午(つちのえ うま) 八戸三社祭、鬼貫忌
昼間のオシロイバナ

今日の暦の「鬼貫忌」というのは、江戸中期の俳人上島鬼貫の命日ということである。この人は1661年伊丹の生まれで1738年大阪に没した。俳聖といわれる松尾芭蕉(1644~1694)とほぼ同時代の人であった。しかし、芭蕉がひたすら俳句に精進したのに対して、鬼貫はあくまで俳句は余技であるという姿勢を貫いた。
だから、後世になって与謝野蕪村が「再発見」するまでは、鬼貫は余り有名な人ではなかった。代表作は
にょっぽりと秋の空なる富士の山
だ。
しかし、それ以前に長男が不慮の病を得て早世した際の
土に埋めて子の咲く花もあることか
という悲痛さは心に沁みる。

明治の後半、河東碧梧桐の画策もあって、鬼貫忌は秋の季語になった。
但し、また暦の話になるが、鬼貫の命日は旧暦の八月二日なのである。つまり今年の新暦では九月の五日が本来の鬼貫忌なのだ。だからこそ秋の季語になっても良いのである。新暦では今日は未だ立秋の前だから、秋どころか盛夏の真っ只中なのだ。

午後五時のオシロイバナ

以前夏休みになると、未だ幼かった長女を連れて、伊東の山の中腹にあった、義父の会社の所有する温泉付きの保養所によく行った。みやげ物店の並ぶ駅前から、伊東線のガードをくぐってほどなく、保養所に至る急な坂道の取っ掛かりに来ると、角地にオシロイバナの群落があった。夕方坂道を下って海へ散歩に行く途中、一つの株ながら紅色の花や、白い斑入りの花が混じり合って咲いているのが不思議だった。



オシロイバナは白粉花。花の終わった後に付く胡椒粒大の黒い実を割ると、中から白い胚乳粉が出てくる。昔は女の子たちがこれを顔に塗りつけて化粧の真似事をしていた。

この花の英語名はfour o’clockという。つまり「四時」。午前ではなく午後四時のことだ。
つまりオシロイバナは夕方四時頃になると花を開くのだ。そして夜の間、周辺に甘い香りを漂わせながら咲いている。こうして、一晩艶然と過ごした花は朝になるとつつましくもつぼんでお休みになってしまう。正に夜の花だ。
脂粉を名前に持つ花が夜に咲く花だとは、うまく出来ているものだ。






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最終更新日  2005.08.02 16:02:17
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