マックの文弊録

マックの文弊録

2005.08.04
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◇木曜日:旧暦六月三十日 庚申(かのえ さる)
雲の峰
いやぁ、とにもかくにもお暑うございます。
まさに”You might owe more aid…”失礼!暑気ボケ!
「 云ふまいと思へど けふの暑さかな 」だ。

ここのところ天気予報では連日のように、「夕刻には大気が不安定になるので激しい雷雨にご注意」と言っているけれど、少なくとも職場と我が家の近くはただ暑いばかりで全く降らない。
雷と共に夕立でも来てくれれば、涼風も立つであろうに。予報を聞いて期待するだけに、余計に暑さに腹が立つ。
日中の立派な入道雲だって、雨も降らさずヘナヘナ崩れていくのでは竜頭蛇尾もいいところだ。

驟雨の過ぎた後、遠雷を聞きながら、茹でたての枝豆できりっと冷えたビールを戴く・・・・てな訳には、中々行かない。


ちょっと前にもご紹介したが、「かのえ」は「金の兄」で、五行の「金」の陽の日である。明日は「金」の陰の日として辛酉(かのととり=金の弟の酉の日)だ。庚申・辛酉と「金」が続くから、庚申(「こうしん」とも読む)の年や日は、世の中に「金性の冷酷さ」が蔓延するのだという。

ちょっと田舎へ行くと庚申塔という小さな祠を見かける事がある。コウシン樣と呼ばれているものも多い。

昔の道教の教えに曰く。
人間の体内には三尸(さんし)の虫というのが宿っていて、日頃宿主の悪事を監視しているのだそうだ。この虫は普段は体内に留まっているが、庚申の日になると、宿主が眠り込んだのを見計らって天に昇り、天の神様に己の宿主の悪事を言いつけに行く。だから、それを畏れて日頃から悪事に走るのを慎め。というわけだ。

しかし、日頃宿らせて戴いている主の悪事を、夜陰に乗じて言いつけに行くのだからたちが悪い。
いわば、チクリ屋だな。

人間の方もさるもので、それなら悪事をしないかといえばそんな風に殊勝には考えない。
ならば眠らなきゃいいだろうという方向に行ってしまうのだから、たくましいじゃないか。

神様に悪事をチクられては、どんな罰が下るやら恐ろしい。そこで、いささかでも身に覚えのある連中は、この日は眠らないのだ。ただぼんやりしていれば眠ってしまうから、適当にお灯明を上げて、後ろめたい仲間同士集まっては、庚申講と称して、徹夜で酒盛りをしたのだ。

さりとて、全く悪事を働かないなどと天下に大見得を切れる人間なんか居る訳は無いから、とどのつまりは皆揃って朝まで騒ごうぜという事になる。
つまりは、庚申講は近隣同士の宴会の口実に過ぎなかったようにも思える。


それで、チクリ屋放逐のお祝いに塔を建て、祠を結んだ。それが庚申塔、或はコウシン樣で、今も各地に随分残っているようだ。

庚申伝説は、日本には枕草子の時代には既に伝わっていたようだ。民草の間に普及するようになったのは江戸時代に入ってからである。

さてさて、僕は何もやましいところは無いから、これから帰宅して冷えたビールでも一杯戴いて、存分に眠ってやろう。

…もしこのブログが最後になったら、悪事がばれてバチが当ったと思ってください。





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最終更新日  2005.08.05 01:51:32
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