マックの文弊録

マックの文弊録

2005.12.23
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◇12月23日(金曜日)晴れ:旧霜月二十二日 辛巳; 天皇誕生日

大文字草(白)
一 昨年だったと思うけれど、或る日、夕刻から膝が痛くなり見る間に腫れてきた。我慢できなくなって朝になるのを待ち医者に行ったら、変形性関節炎と診断され、「加齢によるものです」と云われてショックだった。

四 十歳を越した頃は、「オジサン」と呼ばれてショックだった。
昨年の夏、嫁いだ長女に男の子が生まれて、カミサンや娘から「オジイチャン」と呼ばれてショックだった。
行きつけの飲み屋で、初孫の誕生を話題にしたら、そこのオカミからも「オジイチャン」と呼ばれて、そっちの方がもっとショックだった。

誰 でも多分そうだろうが、人間というものは自分からは老化を認めない。少なくとも認めたくはない。周りはどうであれ、自分だけは例外だと思い続けたい。人に言われてショックを受け、それが何度も繰り返されて、やがて不承不承抵抗を諦めることになるのである。抵抗を諦めず、頑として否定し続ければ、ひょっとしたら若いままでいられるかもしれない。人間は「気」の生き物だ。これは是非やってみよう。心頭滅却すれば加齢もまたこれを侵し得ず。だ!?

と ころで、変形性関節炎だが、医者に行って膝に溜まった水を抜いてもらって、腫れも痛みもかなり治まったが、指定された二週間後の通院日が近くなると、今度は同じ足の先が腫れて痛くなった。診察の際にそういうと、今度は「痛風ですね」と云われた。レントゲン写真を僕に見せながら、関節の軟骨の磨耗変形は見られないから、先日来の膝の痛みも恐らくは痛風との関係だろうと。
僕は医者では色々しつこく訪ねる方だが、レントゲン写真だけは何度説明されても良く分からない。なぜあんなに明瞭に診断が下せるのか。目を凝らしても、もやもやした濃淡が見えるだけだ。色々説明されても、「そういうものかなぁ」と半信半疑だ。本当は、医者だって見かけほど自信を持てないのではあるまいか。変形性関節炎と診断された関節が、二週間で普通に戻るわけはない。

そ れにしても「加齢による変形性関節炎」よりも、「高尿酸血症による痛風」と云われてむしろほっとするのだから妙なものだ。「加齢による・・・」という言葉の持つ不可逆性には、希望が無い所為なのだろうな。

しかし、喉もと過ぎればなんとやらで、うっかり戒律を破っては、「今度からは気をつけよう」ということばかりである。それに、今のような仕事に追われる毎日では、中々抜本的な体質改善など、実際上できるものではない。

そ うこうする内に、一昨日辺りから右足の膝に不穏な感じがしてきた。前回で懲りて以来、僕なりに色々勉強して、対症法は準備してある。第一師走の最も忙しい時期だ。医者に行くこともままならないし、ましてや仕事を休むことなどできない。
尿酸値を下げる薬(僕の場合ザイロリック)は、処方薬であり処方箋無しに薬局に行っても売ってくれない。だから、飲酒をやめて水分を多く摂取し、自ら尿酸の生成を抑制し、排出を促進するしかない。日頃の活動に支障をきたすのは、足の腫れとそれによる痛みだから、対症的にはこれの緩和に集中することになる。そこで、「経皮吸収型鎮痛消炎貼付剤」、簡単に言えば湿布を用いる。インドメタシンを主剤にした所謂冷湿布である。これを、患部を包み込むように貼る。痛くて腫れているところだけではなく、周辺も含めて「贅沢に」貼るのである。そうして伸縮性の包帯を巻きつけて留めた上にズボンをはけば、一応外見上も大丈夫になるし、行動中に湿布が剥がれ落ちることは無い。
もう一つは、経口鎮痛薬だ。これは一般の市販薬としても色々販売されているので、普通に薬局で買うことが出来る。僕の場合はメフェナム酸が効く。所謂非ステロイド系消炎・鎮痛・解熱剤である。同様の薬には、エピリゾールもあるが、僕の場合これは効かないようだ。

一 昨日は、仕事の関係でどうしても外せない食事会があり、これはちゃんとこなしたが、そのお蔭でてきめんに痛みと腫れが進行し、何とか車で家に帰ったものの、下車してから家の玄関までたどり着くのに必死の思いをした。家に上がってから二階の自分の部屋に行く際も歩いて上がれず、階段に腰を下ろし、両手と無事な方の足を使っていざり状態でたどり着く有様であった。
そうして何とか着替えをし、上記の処置を施した後でやっと横になることができた。

寝 付けないことを輾転反側というけれど、足が痛いとこれができない。姿勢を変えるだけで、痛みが走り自由に寝返りを打つことなどできないのだ。一時的に二足歩行の動物ではなくなってしまうのである。
しかし、膝の周囲に貼り廻らした湿布と、メフェナム酸が効力を現してくれたようで、今朝目覚めたら痛みは随分軽くなった。腫れはそんなに早々に引かないが、多少分散を始めたようである。未だよちよち歩きではあるが、一応二足歩行は何とかできるようになった。幸いにして師走の三連休だ、この間大いに自重すれば、月曜からは又仕事に復帰できると思う。

ま ぁ、50年以上使っていれば、体にも色々な不都合が生じる。しかし、初めての病気ならともかく、過去に経験した症状であれば、注意していれば予兆を感じることができるし、症状の推移も概ね分かる。
具合が悪くなれば直ぐに医者に行くべきだとか、普段から医者にかかって、早期の発見や未然の予防に心がけるべきだ、とはよく言われることではあるけれど、忙しい仕事の世界に身を置いている多くの人にとっては、これを実践することは殆ど不可能だろう。だから、自分の体には自分でプローブを入れて走査し、すこしでも予兆を感じた時には、対症法であれ即座に講じてやれば、随分違う結果になるというのが実感である。

僕 のこの症状を知っている周囲は、等しく「寒い時は股引を穿け」と忠告を下さる。僕は、幼稚園を出て以来股引なんて無粋なものは穿いたことがない。青春時代を過ごした信州松本は、真冬になると零下10度を下回る寒気が平気で襲ってきて、室内でインクも凍る寒さだったが、そこでも股引を穿くことはなく、下宿のオバサンに、揶揄だか感心だか「まぁ!しょう(性)が良いねぇ」とよく云われたものだ。だから、「あんな不恰好な野暮なものなんか穿くものか」と云っては見たのだけれど、「もう歳なんだから無理しなさんな。炎症を起こしている最中はともかく、普段は冷やすのが良くないよ。歳なんだから粋がってもしょうがないでしょうに。」と云われてしまう。

あ
しかし、そう云われてみると、なんだか説得力がある。
別の友人は、「人間の体液中の水分は、約3ヶ月で完全に入れ替わる。だから、体質を抜本的に改善するには、3ヶ月間清涼な環境に身を置く必要がある。昔の湯治だって、3ヶ月滞在したものだ。だから、クラスター水を3ヶ月間飲んで・・・・」ともおっしゃる。なるほど、これも説得力がある。
しかしこういう話題が友人との間に頻繁に出てくるようになったのも、それに説得力を認めてしまうのも、これも又「加齢現象」なんだろうな。
それで、今日はリハビリを兼ねて覚束ない足取りで車に乗って、とりあえず近所の衣料品店に股引を買いに行った。男性用下着のコーナーで、にっくき股引を恐る恐る手にとって見たら、股引ではなく「ロングパンツ」と書いてあった。何となく許せる気になった。まぁ、股引じゃなくてロングパンツならいいか。それで、幾枚か買ってしまった。
あぁ!

た





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最終更新日  2005.12.24 04:33:04
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