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10月も終わり、気温が早朝や深夜だと氷点下になり霜が降りてくる季節になりました。
ドイツでは10月を「ゴールデンオクトーバー」と呼び、比較的快晴が少ない9月~12月の中でカラっと晴れる日が多い月だと言われていますが、今年は収穫期終盤に雨が多い年になってしまいました。
10月は前半にぶどうの受け入れ作業を終え、終盤から発酵作業に携わりました。その他にはぶどう収穫体験もさせていただきました。
今年のぶどうの収穫では、約4600tのぶどうを受け入れました。ドイツでは赤ワインの醸造量が増えてきたとはいえ、国内全体では白ぶどうの栽培が約6割5分を占めています。
こちらのワイナリーでは今年受け入れたぶどうの約6割が黒ぶどうとなっており、私の研修しているヴュルテンブルクでは30年で栽培量の割合が倍以上に増えています。
全盛期ほどではありませんが、未だ続いているドイツでの赤ワインブームも考慮すると、もうしばらく黒ぶどうの栽培が増えていくであろうと感じました。そして受け入れた黒ぶどうからは赤ワインだけで無く、ロゼワインやBlanc de Noir(色素が強くない黒ぶどうを、醸し発酵をせず受け入れ後すぐに圧搾し白ワインと同じ製法で仕込むワイン)など赤ワイン以外にも様々なワインを醸造しております。
特にBlanc de Noirに関しては私自身初めて飲んだタイプのワインだったので味わいから作り方まで非常に勉強になりました。
今年の収穫量は例年に比べるとやや少なく(例年は約5000t)、これは10月に入ってからの雨が多かったことに起因しています。ぶどうは収穫期に雨が降ってしまうと果皮が破れ果汁が流出しカビが生えてワインに出来なくなったり、ぶどうが水分を含みすぎて出来るワインが水っぽくなったり、デメリットがあります。
しかしながら、9月までの生育状況が良かったことや天気予報が大きく外れて雨が降ることがほとんど無かったので、被害が大きくなる前に収穫が出来、ぶどう自体の品質は例年並みのクオリティを維持できたそうです。それだけに10月の雨が悔やまれる年でもありました。

私自身は9月後半から変わらず圧搾作業や高温醸し作業に従事し、受け入れ終了後はプレス機や高温醸し機の洗浄やメンテナンスを行いました。3人のスタッフで清掃作業に取りかかったので、全て終えるまでに2週間ほど費やしましたが、この清掃作業を時間をかけて行えたことで、大型機械の汚れやすい部分や消耗しやすいパーツ、使用している洗浄剤など細かく体験し、知る事が出来ました。これは北海道に帰ってからすぐに仕事に生かしていきます。
発酵に関しては、ぶどう(醸し発酵を除く)を受け入れた日にプレスと酵母の投入を行います。すぐにプレスをすることでぶどうの微生物汚染のリスクを低減し、タンク自体の空きを作ることが出来ます。プレス後のジュースはセパレーターと呼ばれる大型遠心分離機(遠心力で比重の重いオリを除去し果汁を回収する装置)をかけてオリとジュースにおおまかに分離し、タンクに送ります。
加えて白ワインはジュースを送る際にCO2ガスを注入することで、タンク内の上層にオリを固めることが出来ます。これらの段階を経てジュースのみを発酵タンクに移動し、酵母を添加して発酵をスタートさせます。
こちらのワイナリーでは、そのオリをジュースの段階で除去する事により発酵後最低限のろ過でクリアにすることが可能になっています。もちろんジュースの段階でオリを除去する事にはデメリットもあります。
酵母を添加しても、ある程度きれいなジュースだとオリが少ないためジュース中の酵母と糖が触れあう面積が減少し、酵母の働きが鈍く発酵が進みづらくなることがあります。この問題に関しても24時間コンピューターによる発酵中のワインの温度制御や発酵の進み具合を細かく調べ適宜発酵助剤を添加することで問題なくほとんどのワインで発酵を行うことが出来ます。
そのため、このセパレーターがあれば人員や作業時間の削減に繋がる優秀な設備であることはわかりましたが、大型機械のため設置にスペースを要することや、機械自体のコスト(本体価格や電気代)が大きく掛かってしまうので、製造するワインの特徴やコストに見合うワイナリーでの使用が重要になると感じました。
10月の中旬には、醸造スタッフの父親が運営する畑でぶどうの収穫体験を行いました。
今回収穫体験をさせていただいた畑は総面積0.7hで黒ぶどうを中心に栽培しています。この日収穫したぶどうはレンベルガーという黒ぶどうで同じ村の農家も手伝い10人で
収穫を行いました。朝7時から始めそこから4時間ほど続けて作業を行い、2600kgのぶどうを収穫しました。
畑の斜面がきつく収穫機を使うことが出来ないので、全て手作業でぶどうを摘み取ります。朝早くから始まりずっと中腰で行う作業は非常に辛く、農家さんの苦労や努力を知ることが出来ました。
私が研修を受けているヴュルテンブルク地方では、農家は兼業農家が多く、農業と関係ないサラリーマンをして収穫時期だけ休みをもらって農業を行う方も多く居ます。今回収穫体験させてくれたスタッフも将来は親の畑を譲り受けて、ワイナリースタッフと農家を兼業してぶどうの栽培も行うそうです。
北海道でも後継者不足の農家がたくさんいるのでドイツのようにサラリーマンと農家を兼業出来る社会が実現できれば、この問題の一つの解決策として有効なのではと感じました。
10月はワイナリーでの醸造作業以外にも収穫体験や初めて触れ合うワインとの出会いなどがあり、私自身の経験としてもたくさんの収穫がありました。来月は瓶詰め作業やワインの熟成作業に携わる予定なので、様々な視点から学びを深め、帰国後に役立てたいと思います。
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