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2020年08月08日
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カテゴリ: 資料館

こんにちは、資料館です。
「大月空襲」特集第4弾も、戦争の遺跡です。

上の写真は、大月市立中央病院裏のむすび山にある防空監視哨跡です。
手前の石積みの丸井戸のようなものは「聴音壕」です。
昼間はこの穴の周りに2人立ち、双眼鏡を使って敵機の襲来を監視していました。
視界が利かない夜間などは、一人が穴の周りで通常の監視を行い、もう一人がこの穴に入り音の反響で航空機の爆音を聴き分けて機種やコースなどを判定しました。
左側に立つ案内板の前の平らな場所には事務所がありました。
今でもその基礎を見ることができます。
事務所には電話が置かれていて、監視情報を大月警察署内にあった防空監視隊本部に報告しました。
報告を受けた監視隊本部は警察電話で東京の航空本部へと報告を上げました。
航空本部では、この報告をもとに警報を発令したり「駿河湾より富士山へ東進中のB29」の情報を流しました。
​

※出典:『終戦二日前』(大月市総務課編 1884)
こちらの図は七保監視哨に監視隊員として勤めていた小俣敏雄さんが描いた立哨壕略図です。​
「立哨壕」とあるのが「聴音壕」のことです。
同じく「監視哨」とあるのは「事務所」のことです。
大月も同じレイアウトだったことがわかります。
ただし、七保監視哨の「立哨壕」には屋根が描かれていますが、大月については屋根の存在については不明です。
ご存知の方は資料館までご連絡ください。
​

こちらは、監視哨跡より富士山方面を写したものです。
視界が開けているのがわかります。
※このページで使用した2枚の写真は冬に撮りためていたものです。

より深く研究していただくために、説明板の写真をリンクし説明文を掲載します。​
​​ ​​ 説明版 ​​ ​ はここをクリックしてください。​
​説明文は次のとおりです。
日本は昭和一六年(一九四一年)一二月アメリカ・イギリス等に宣戦布告をし、第二次世界大戦に突入した。
緒戦こそ戦果が上がったが軍事も経済も豊かな連合軍にかなうはずもなく、昭和一七年のミッドウェー海戦に敗れてからは不利を余儀なくされた。
昭和一七年米爆撃機による本土初空襲があり、空の守りとして「民防空監視隊」が組織された。その時山梨県には甲府・大月・南部に監視隊本部が設置され、その下にそれぞれ一五・一〇・七の監視哨が置かれた。
大月監視隊本部は、昭和一八年暮れに猿橋から大月へ警察署と共に移転し、傘下には、丹波・西原・上野原・七保・大月・笹子・谷村・吉田・精進・河口の各監視哨があった。監視哨は、哨長一名監視隊員九名で編成され、三交代で昼夜を分かたず空の守りについていた。
その役割を、昼は二名で双眼鏡で空を監視し、夜は一名が監視、一名は聴音壕の中で飛行機の音を聴き飛んでいる方向や機種を探り、一名は電話番としてキャッチした情報を本部に伝えるという、分担制で果たしていた。
左にある縦穴は聴音壕の、右の平らの部分は事務所のあった跡である。
監視隊本部では、各監視哨からの情報を、女子隊員が警察電話を使い、直通で東部軍管区へ通報した。
東部軍管区では、これらの情報を、警戒警報や空襲警報を発令したり、立川にある飛行集団本部に連絡し、迎撃の飛行機を発進させたりする判断の資料とした。
昭和一九年サイパン島が占領され、そこから飛び立つアメリカ爆撃機B29は富士山を目標に北上し、東に折れて京浜方面へ、西に進んで中京方面へ向かうという進路を取るようになり、大月の監視哨の役割は重要性を増してきた。
昭和一九年から二〇年にかけて、B29による本土爆撃は三五三回におよび、東京をはじめ二〇〇近くの都市が空襲され、八月には広島・長崎に原爆が投下された。
八月一五日敗戦。「国破れて山河あり」、そして疲弊という無謀な戦争によるつけも残った。
戦後半世紀を経た今、この地から望める大月の町を眺めるにつけ、世界平和が続くことを祈らずにはいられない。五〇年前の苦しみを平和への一里塚ととらえ、この記念標を建てた。
決して戦争賛美の為ではない。
(この文は、当時の大月監視隊本部隊長山口明男氏の貴重な体験談をもとに作りました。)
平成三年
大月公民館
​
※年表はご自分で書き写してください。

※おまけ
説明文にあるように、大月市内には七保と笹子に監視哨が置かれていました。
七保監視哨は駒宮に置かれていました。
草が枯れる初冬にでもブラブラしようと思います。
笹子監視哨はどこにあったのかわかりません。
ご存知の方は、資料館までご連絡ください。

身近な地域に戦争の悲惨さや愚かしさを知ることのできるモノが少なからず残っています。
ただ、戦争体験者が年を追うごとに少なくなっているように、それらもまた時の流れの中で朽ち果てようとしています。
紙に書かれた文字よりも、見て触れるモノたちは、直感的に心に語りかけきます。
過去を知り未来を拓くことへの機会を与えてくれるモノたちを大切にし、遺して行きたいものですね。

※おまけのおまけ
​特別展「大月空襲」の​ ​​ web版 ​​ ​ をコッソリ作りました。​
まだ工事中で完成は未定ですが、お読みください。





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最終更新日  2020年08月08日 16時43分36秒
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