まちこつれづれ

まちこつれづれ

2023.07.04
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私は修学旅行に出ていた 

なぜか大型バスでなく、バンに毛が生えたような小型バスに
グループごとに分けて乗せられていた 
せまい 
隣の友人と肘がぶつかるレベルでせまい 

「せますぎでしょこれ」と、お互い笑い転げる 
社内はおしゃべりでにぎやかだ 

車窓からは、まず断崖絶壁が見える 

切り立ったオレンジの山肌むき出しの崖に、申し訳程度に(段差ですか?レベル)存在する道 
舗装されておらず、ガードレールすらない道をガダゴトいわせながらバスは進む 

少しでもバランスを崩せば、谷底に真っ逆さま 
だがどのバスからも楽しそうなクラスメイトたちの声が聞こえてくる 
なんならバスの窓を開けて、身を乗り出し後続車に乗る友へ手を振る猛者もいた 

ポッキーやらなんやらお菓子を食べながら「なんで先生こんなとこ旅行先に選んだんだろうね?」と 
素朴な疑問をかわしつつ、おしゃべりしているうちに、目的地についたようだった  

駐車場に降り立った私の目の前には、長い長い階段があった 

見上げた先にちょっとした公民館のような建物が見える 
郷土資料館的な施設のようだった 



右側2列に整列し、おしゃべりしながらだらだらと登っていく 

先に見学が終わった面々が、左側を駆け下りていく 

「どうだった?」 
「しょぼかった」
「おつかれー」
そんなやりとりを交わしながら、すれ違っていく 

やっと上まで登り、建物に入る 

係の人らしきおじいちゃんに挨拶もそこそこに、先生に促され、すぐに出る 
何も見てない 
修学旅行なのに 

不満に思っていると、隣の友人がこっそり言った 

「抜け出さない?」 

黒髪おさげに眼鏡という、どう見ても優等生、委員長タイプな見た目の友人からの意外過ぎるお誘いである 
即OKした 

2人連れだって駐車場まで階段を駆け下りる 
敷地の片隅にバイクが停まっている  

「ちょうどいいじゃん」と言いつつ、友人は速攻でシートにまたがった 

私も後ろに乗る 
2ケツというやつだ 

彼女の腰に手をまわして抱き着くと、バイクは走り出した 

速い 

速い 

バイクはすごいスピードで、あっという間に都会に出た 

階段をがたがたいわしながら降りて、そのまま地下に入った 

なぜか地下鉄の線路上に出た 

暗くてちょっと怖いと思ったら、隣の線路をすれ違うように地下鉄が走り抜けていった 

ファアアーン!と、クラクションがうるさい 

すごい風圧を感じる 

友人はそんな時でもゲラゲラと笑い、最高にハイだった 
確かに楽しい 

でもそんな時間も終わりだ 

地下の柱の裏にバイクをつけると、がやがやと声が聞こえてきた 

クラスメイトらとの合流の時間である 

友人はちょっと乱れた前髪をピンでとめなおしながら 
「もどろっか」と上目遣いで言った 

私はうなずきながら
友人の腹が、思った以上に贅肉がないのにいい感じに柔らかくて、痩せてていいなぁと思った





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最終更新日  2023.07.04 19:20:07
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