フリーページ

2007年10月15日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
此方が気づく前に既に五感は捕らわれていた。纏(まと)わりつく甘い香りは奥深い何やら熟れた花の香り。喉から零れる声は音と言うよりも管弦の糸の振るえの様に切ない。増してや指先に感じる感触は絹衣に触れた様。

その時点でハッと気づいた。女だ! だがいったい誰?誰よりも何故?こんな所に。闇の底で女は佇んでいる。淡い憂いはなにをも受け入れそう 霞む紅を引いた唇が薄く笑った。

思わず指が深衣に分け入る。そして思考は過去のページを捲った。しかし数少ない近しい女の中にはその女は居なかった。

余りにも出来過ぎている。女は華やいで若くも見え叉艶やかにろうたけても見えた。それよりもなにも指先は深い所へ彷徨わずにはいられなかった。

それで一層 女の匂いは強く立ち昇った。

翻弄される野生の中で僅かに覚醒した部分が記憶の糸を探る。この女は・・・・阿刀田高によって画かれた女 いや渡辺淳一に・・連城三紀彦・・それとも向田邦子いや違う 小池真理子・・ええい 誰でもいいや 今はただ・・・女を・・・

唇が耳元から項(うなじ)へと流れ漏声が女の喉から零れ出たかと思った刹那 突如として白磁と見まがう貴膚は霞と消えた。

それでも未練がましく霞を追う如くかき抱いた両の腕(かいな)は虚しく暗闇を弄(まさぐ)った。

ZZZ zzz ・・・ ZZ zz ・・ Z z ・ ハ!・・・・



秋の夜は長い小水をして布団に潜り込み出来たらもう一度、かの女に出会いたい。

そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年10月15日 18時52分46秒
コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

はやと89314

はやと89314

コメント新着

ヨッシー89314 @ Re:卒業式(03/25) さすが、はやとさんの息子さん!! 父親同…
ヨッシー89314 @ Re:いいわけもこんなもんで(03/18) まあ、人生ここまで来れば焦る事はありま…
ヨッシー89314 @ Re:途中です(03/16) そう言えば、お互いに、じっちゃんと呼ば…
ヨッシー89314 @ Re:菜の花にモンシロチョウ(03/11) 是非、次の次元ははやとさんの独壇場にし…
ヨッシー89314 @ Re:はるとおからじ(03/09) お疲れ様でした。 お互いに春の気分ですね…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: