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今日は、その読後感のゆえに小泉喜美子氏の「弁護側の証人」を紹介しようと思います。タイトルから想像がつくかもしれませんが、法廷をとおして殺人事件の真相を解くという話です。決してトリックがすごいというタイプの話ではありません。結末に驚く作品はあります。ミステリの面白さの1つだと思います。しかし、結末にめまいに似た読後感が来るミステリは少ないのではないかと思います。この作品がそれに該当します(私の場合は、ですが)。その読後感は意外性だけでなく、読んだ瞬間には結末の意味がよく分からなかったというのもあるかもしれません。この本を紹介しているウェブページなどを見ると、あまり驚かなかった人もいるようなので、人によるのかもしれません。願わくは、私と同じように幸せなめまいを感じてもらえれば、と思ったりします。ちなみに、アガサ・クリスティの「検察側の証人」を読んでいないと楽しめないということは全く無いので、その点はご安心を。弁護側の証人 (集英社文庫) [ 小泉喜美子 ]【中古】 弁護側の証人 集英社文庫/小泉喜美子【著】 【中古】afb
2023.08.29
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これもたまたま出会った本の1冊です。夏樹静子氏の本は「Wの悲劇」やいくつかの短編集を読んだことがあり、面白かったのでこの本も手に取ってみました。私の場合、面白かった作者の本を書店(古書店の場合も多い)で見つけて、前情報無しに読んで見るというパターンは多いです。この作品は、鉱山の事故で家族を失った女性(恵さん)と、それを巡る男性たちの物語です。その女性に結婚を申し込む男性、養女にしたいと申し出る男性、弁護士の男性などが物語に登場します。どの人物にも、なにか影のようなものや隠しているものがあるようにも見えながらストーリーは展開していきます。最後まで誰が味方で誰が敵なのか、誰が何を隠しているのか、背負っているのか、それが見えてこないのが最高の謎です。【中古】 死の谷から来た女 / 夏樹 静子 / 文藝春秋 [文庫]【宅配便出荷】
2023.08.27
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たまたま古書店で見かけて購入し、読んでみたら面白かったので紹介したいと思います。今日紹介する1冊は「怪盗ジバコの復活」という北杜夫氏の作品です。「怪盗ジバコ」の続編のようですが、出会った経緯上「復活」を紹介します。この作品は、世界を驚かせたという怪盗ジバコが、恋人の求めに応じて世界の名探偵と戦う作品です。戦うと言っても知恵比べです。相手となる名探偵は刑事コロンボ、ホームズ、ポワロ、明智小五郎?、チャーリー・チャンです。何がいいかと言って、各探偵の癖や喋り方などが少しパロディ的かつリアルに描かれているところです。セリフの雰囲気がとても良く出ています。また、怪盗ジバコが主人公の作品とはいえ、ライバルの探偵を過度に貶めることはせず、敬意が払われているところも好感度が高いです。まあ、ポワロは・・・。コロンボとは謎の死体を巡って、明智小五郎?とはワインの入れかえ事件を巡って、ポワロとは高額切手の謎を巡って、ホームズとは赤毛の人ではなくて禿頭の人が募集されている謎を巡って、それぞれ知恵比べをします。私は、コロンボとの対決が一番気に入りました。まずなによりコロンボっぽい。クラシックですがいくつかのトリックも効いています。コロンボはうまくジバコを追い詰めたと思いきや、果たして最後は?たまたま出会った本が面白かったというのは良いものですね。【中古】 怪盗ジバコの復活 / 北 杜夫 / 新潮社 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】怪盗ジバコの復活(新潮文庫)【電子書籍】[ 北杜夫 ]
2023.08.26
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読者の皆様、ご訪問ありがとうございます。今年も、少しでも更新できるように努めてまいります。たまにでも訪れていただければ幸いに思います。それでは、今年が良い年になりますよう。今年もよろしくお願いいたします。
2023.01.01
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読者の皆様方、今年もありがとうございました。読んだミステリがいくらかあるので、来年はそのあたりからぼちぼち更新をしていければと思っています。皆様、お体に気をつけてお過ごしくださいませ。来年が良い年でありますように。
2022.12.31
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霧の夜・・・ミステリ・・・といえばシャーロック・ホームズ的な古き良き英国のミステリが想像されます。あるいは、切り裂きジャックの恐ろしい世界?今回紹介する「霧の夜にご用心」(赤川次郎 作)は現代(とはいっても今から30年近く前ですが)の日本を舞台にしたミステリです。しかし、切り裂きジャックと無関係というわけではありません。なぜなら、この話の主人公は切り裂きジャックのような殺人に憧れ、自ら手を下そうとするからです。主人公はその思いに囚われ、作戦を立て、準備をしてターゲットを定め、犯行に乗り出しますが・・・。本のカバーにすでに書いてあるので、ネタバレにはならないでしょう。実は彼は犯行に失敗します。ドジを踏んだからとか名探偵に邪魔をされたとかではありません。他の人が先にターゲットを殺してしまったからです。そんな偶然が?でも、もし意図的なものだとすると、一体なぜ?切り裂きジャックになろうとした主人公はここから奇妙なミステリの世界を彷徨います。彼は切り裂きジャックになれるのか・・・?殺人事件の真相は?ドキドキしながら読める作品です。私は試しませんでしたが、静かで本当に霧が出そうな真夜中に読んでみるのも悪くはないでしょう。ちょっとポップな感もある紙書籍の表紙が私は好きです。霧の夜にご用心 (徳間文庫) [ 赤川次郎 ]霧の夜にご用心【電子書籍】[ 赤川 次郎 ]
2022.07.31
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私は結構「倒叙」のミステリが好きです。倒叙とは、犯人と犯行が先に描かれてその後で謎解きがなされていくタイプのミステリです。犯人が気づかなかったミスは何か、犯人と探偵役のやり取りの緊迫、犯人の心情・・・などが見どころになるミステリです。古くは、シャーロック・ホームズのライヴァルたちの一人として名高いソーンダイク博士シリーズがあります。犯人が残した痕跡を科学調査によって暴いていくスタイルです。歌う白骨【電子書籍】[ オースチン・フリーマン ]ソーンダイクシリーズは倒叙の長編もありますが、こちらは短編で気軽に読めます。その倒叙の系譜は21世紀に至るまで続いていくのですが、今日紹介する「福家警部補の挨拶」もその系譜に連なる名作の1つです。この作品は、ドラマで有名な「刑事コロンボ」の後継者と位置づけられるようです。コロンボといえばあのキャラクターと色々な職業の犯人とそれに関連する犯罪が特徴的です。本作でも、図書館の管理者、大学の先生、酒造会社の社長などバラエティに富んだ犯人が登場します。事件の舞台ももちろんそれぞれの職業に関連する場所と内容なので、短編ごとに色々な世界をのぞけるという楽しみもあります。犯行の手がかりや動機なども職業世界としっかりと結びついています。その職業ゆえにできたこと、その職業ゆえに残ってしまった手がかりなど、1話1話にそれぞれの世界が詰まっています。コロンボの場合も服装や台詞回しに個性がありますが、この福家警部補も、よく調査時に警部補だと認識されなかったり、バッジをなくしていたりというコミカルな特徴があります。なお、本作品はトリックに凝ったものではないと思います。やりとりや手がかりなど倒叙の本流が見どころです。本作の中で私のおすすめは「月の雫」。タイトルもさることながら、犯行場面が映像のように記憶に残ります。福家警部補の挨拶 (創元推理文庫) [ 大倉崇裕 ]福家警部補の挨拶【電子書籍】[ 大倉崇裕 ]
2022.07.30
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今回は、遠藤周作のミステリ的な短編を集めた「怪奇小説集 恐怖の窓」を紹介したく思います。遠藤周作というと「沈黙」や「キリストの誕生」などにおいて私達とともに歩む、ともにある存在としてのイエス(神)の姿を見出そうとした作家というイメージがあり、ミステリとは結びつかないかもしれません。しかし、彼のミステリ的な作品は実は結構あるのです。今回はそれらの中の1冊です。ミステリ「的」と書いているように、必ずしも犯人探しやトリックや論理の小説ということではありません。犯罪や謎をテーマにした「奇妙な味」の広い意味でのミステリと考えられます。ホラーであったり、ユーモアであったりします。「詐欺師」は謎とユーモアの一品。ドストエフスキーに詳しいを松平氏の正体とは?「姉の秘密」では、謎の手紙を導入に、優しく哀しい人生の一幕を切り取る。「悪魔」は、展開を気にして読んでいくと、印象に残るオチが待っています。そのほか、ホラーと思いきや・・・な作品も。いろいろな味のものが混ざっているからこそ、この作品はどんなタイプ?とわくわくする楽しみもあります。遠藤氏の一般的なイメージに合った人間の弱さに目を向ける作品も多く、謎解きだけに終わらない楽しみを提供してくれる1冊です。怪奇小説集 恐怖の窓(3) (角川文庫) [ 遠藤 周作 ]怪奇小説集 恐怖の窓【電子書籍】[ 遠藤 周作 ]
2022.05.28
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今回は小説ではなく映画ですが、名探偵コナン「ハロウィンの花嫁」みてきました。名探偵コナンは漫画等は多少読むくらいでずっと追いかけていたわけでもないのですが、それでも楽しめる内容の作品となっていました。いわゆる「犯人当て」や「トリックの解明」といった要素は薄かったように思えます。しかしその分、キャラクターたちのドラマやアクション、ちょっとした(メタなものも含む)ギャグなどが随所に散りばめられ、スピーディーな展開も相まって、2時間あっという間に楽しめます。ちょっと感動的なところもありました。ミステリ系なので内容にはあまり触れられませんが、私は登場するある組織のボスとコナンのやり取りが好きでした。犯人の過去のシーンの超人感も印象的でした。そういえば、映画の予告編で「バスカヴィル家の犬」が登場していました。
2022.05.05
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今日は、前に少し言及した「誰かのぬくもり」(新津きよみ)を紹介しようと思います。ミステリ、とは言い切れない部分もありますが、広い意味ではミステリと言って良いのではないかと思います。タイトルはなんだかあたたかみがありますが、ここで紡がれるストーリー(短編集です)はどちらかというと人間の昏い面が多いように思えます。それだからこそ極上のドラマがある、とも言えるのですが。「お守り」は不思議な話。祖母のお守りはいつも自分を守ってくれた。それを捨てるタイミングは?捨てるべきか捨てざるべきか、それが問題だ。「誰かのぬくもり」はラストが、意外というより印象的。重い。「罪を認めてください」「思い出さずにはいられない」は最もミステリ的な作品群。絡み合う思惑や利害が話を濃厚なものにしています。「骨になるまで」には、なんとマジシャンが登場。カード当てや10円玉を消すマジックを演じている。マジシャンが意外と話に印象深さを与えている。それがどういった点でかは読んでのお楽しみでしょう。多くの話において何かを抱え、何かを背負っている人々が主人公となっています。人生をやり直したいという思いを抱えている人も現実にいるかも知れません。読者はそのような主人公とともに、新津きよみさんが描く作品世界を生きてみることになるでしょう。楽しく読める、というタイプの作品ではないかと思いますが。色々な人生とミステリに触れられる好著だと思います。【中古】 誰かのぬくもり 光文社文庫/新津きよみ(著者) 【中古】afb誰かのぬくもり【電子書籍】[ 新津きよみ ]
2022.05.04
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先日「彼女たちの事情」という本を紹介しました。その作者が新津きよみさんという方です。その作品世界に最近とても惹きつけられているので、ちょっと書いてみたいと思います。一番最初に読んだ彼女の作品は「イブの原罪」という作品でした。予備知識は全く無く、本屋さんで見かけてタイトルが気になたっため購入した作品でした。読んでみて、タイトルから想像したのとは全く違う話で、色々な意味で鮮明に記憶に残るシーンの多い作品ではありました。この作品で少し彼女の作品世界に興味を持ち、「彼女たちの事情」でぐーんと引き込まれ、もっと読んでみたいと思っている今です。好きな作品のどこが好きかを説明するのは案外難しいものです。彼女の作品の魅力の1つ目には結末の意外性があります。とはいえ、多くのミステリはその長所を持っています。そこに加えて、様々な人間模様、人生模様が描かれていることが大きな魅力かなと思っています。例えば星新一氏のショートショートではエヌ氏やエス氏等といった命名を使うことで、人物像よりもプロットやオチに集中することができ意外なオチに鮮やかに斬られます。新津さんの場合は、固有名詞を持った人物がそれぞれのドラマを背負って出てきます。そのドラマに思わず引き込まれてしまうのです。今は彼女の「誰かのぬくもり」という短編集を読んでいます。沢山の作品を書いているということなので、今後も楽しみです。偶然に素敵な作品に出会えるのも読書の楽しみです。イヴの原罪【電子書籍】[ 新津きよみ ] 【中古】 彼女たちの事情 傑作ミステリー・ホラー / 新津 きよみ / 光文社 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】誰かのぬくもり (光文社文庫) [ 新津きよみ ]
2022.05.02
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今日は、うまく説明できないのですが、非常に素敵だと感じた本「彼女たちの事情」(新津きよみ)をご紹介しようと思います。【中古】 彼女たちの事情 /新津きよみ(著者) 【中古】afbこの本は、色々な女性たちが出会う事件や奇妙な出来事を巡る短編集です。ショートショートっぽく落ちがどれも鮮烈なのですが、単に意外な、というだけではないのが本書の魅力の1つです。驚かされるオチはもちろん、くすっと言うユーモアも含んだ落ち、ゾッとする落ち、本格推理的な結末など、色々な結末が楽しめます。もう一つの大きな魅力は、どの話にも人生のドラマが入っていることである。決して落ちのアイデアだけで書かれた作品ではないということです。人間の悪意、偶然の出会い、狂気にも至る強い思い、疑心暗鬼・・・さまざまな心情と人生が描かれています。どの作品もキラッと光るも所があり、ドラマにせよ落ちにせよ隅々まで味わえます。突然かかってきた謎の電話から、二人の女性の人生が交錯し、お互いに思いもよらぬ新しい道を歩き出す「花火」、本格推理と人間の狂気にも似た振る舞いを描く「紫陽花」など、どの作品もおすすめです。【中古】 彼女たちの事情 /新津きよみ(著者) 【中古】afb彼女たちの事情 決定版【電子書籍】[ 新津きよみ ]
2022.04.17
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時刻表を見ながら、旅の計画を立てたり、空想旅行をしたりするのは楽しいことです。しかし、時刻表を見ながら殺人計画を立てるのは・・・。今回は、「線路上の殺意」という短編集を紹介します。この作品には、昭和の鉄道ミステリとして4作品が掲載されています。鮎川哲也氏の「早春に死す」、西村京太郎氏の「あずさ3号殺人事件」・夏樹静子氏の「特急夕月」、山村美紗氏の「新幹線ジャック」です。そうそうたるメンバーですね。少しかいつまんで紹介します。「あずさ3号殺人事件」は、クイズ番組で当たった京都旅行を、別のクイズ番組で当たったという人の長野旅行と交換するというやや奇妙な設定から始まります。長野〜京都をまたいで鉄壁のアリバイを巡る捜査が始まります。推理をしては行き詰まり、行けたかと思えば強固なアリバイが出てくる、という謎の追求過程が楽しめます。トリックの意外性よりプロセス重視かと思います。タイトルから想像されるとおり、名曲「あずさ2号」に関する雑学?も入っていたりします。「特急夕月」は、実際に時刻表やフローチャートが挿絵として挿入されており、頭で追うのが苦手でもついていけます。とはいえ、この作品は時刻表トリックよりむしろ犯人のパーソナリティーや行動のやや奇矯な面が面白みかなと感じました。犯人はうじうじしてみたり、強気になったり。その描写とともに、なぜそう振る舞ったのかが興味深い。「新幹線ジャック」は、緊迫の展開とともに、犯人の行動や要求の不自然なところを探っていく話。実際に出くわしたらとても怖い話です。線路上の殺意 鉄道ミステリ傑作選〈昭和国鉄編〉 (双葉文庫) [ 鮎川 哲也 ]
2022.01.03
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今日は、最近読んだミステリを紹介したいと思います。タイトルだけ聞くと、ミステリを想像できないかもしれませんが、れっきとしたミステリです。作者はマイケル=イネス。創元推理文庫のシャーロック・ホームズのライヴァルたちシリーズの1冊「アプルビイの事件簿」の作者です。スコットランドのアルカニー城というお城が舞台。そこに住んでいるガスリー氏という人物が奇矯な人物で、変にケチだったかと思えば旧に気前が良くなったり、死を連想させる詩を口ずさんでいたり。そんなガスリー氏が「墜落死」を遂げた。事故か?自殺か?殺人か?この謎を探っていく話ですが、色々な人の見方、様々な推理が出てくるところが本作品の面白みです。叙述は、複数の人の手紙や記録という形式によって進められます。語り手によって味方や見えているものが違いますし、人の捉え方も異なってきます。そういった差異を含みにして推理が展開されますが・・・果たして?城の構成などじっくり読まないと分かりづらいところもあると個人的には思いました。しかし、それを補って余りある推理と結末が待ち受けていることでしょう。※ 左が紙の書籍、右が電子書籍です。 ある詩人への挽歌 (創元推理文庫) [ マイケル・イネス ]ある詩人への挽歌【電子書籍】[ マイクル・イネス ]
2022.01.02
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読者の皆様、昨年はお世話になりました。ついに2022年になりました。今年もミステリの紹介や、マジック動画のアップをしていけたらと思っています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2022.01.01
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読者の皆様、ブログに来てくださりありがとうございます。早いもので2021年ももう終りとなりました。来年が良い年になりますように。年明けにまたお会いしましょう。
2021.12.31
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腕にスプーンが!?
2021.10.08
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先日、「ねらわれた街」という作品を紹介しました。講談社青い鳥文庫文庫に収録されている「テレパシー少女蘭」シリーズの1巻目で、主人公たちが出会い事件を解決するところです。なにか前評判を聞いていたわけではなく、たまたま古書店で手にとったのですが、非常に面白い作品でした。そのため、シリーズの第2巻目も購入し、読んでみました。第2巻目は、「闇からのささやき」という題名です。イーデン=フィルポッツを思い浮かべます。この作品は、謎のエマヒクサという植物が鍵になっています。主人公蘭のちちは漬物マスターとも言うべき人物です(こういう設定も面白いのです)。その父のもとに旧知の人物から謎のエマヒクサという植物があり、それを漬物にできないか調査してほしいという少し奇妙な依頼が来ます。その依頼を受け父は、主人公蘭と友達の翠、ボーイフレンドの留衣とともに調査にでかけます。エマヒクサには、もう絶滅したはずの植物だとか、戦争前によく食べられたとか、いわくつきの伝承があるのでした。調査先では、いくつかの小さい謎が登場します。例えば、彼女たちが止まった家にはコーヒーがない。理由はその家の女性がコーヒーがあまり好きでないから。しかし、女性はコーヒーに詳しい(好きでないのに)。父の友人の心に霧がかかっている(主人公蘭はテレパシーを使えるという人物です)。何故か揚げ物が弁当のメニューにない。こういった謎が最後につながってくる・・・というのがミステリ的な面白さです。一体エマヒクサとは何なのか。いくつかの謎が導く答えは?それを探っていくのが第2巻です。第一巻でも印象的であった主人公蘭と翠の掛け合いも健在です。延喜式を演技のやり方と勘違いしたりとか。実は続きも注文してしまいました。気になるシリーズです。【中古】 闇からのささやき テレパシー少女「蘭」事件ノート 2 講談社青い鳥文庫/あさのあつこ(著者),塚越文雄 【中古】afb闇からのささやき テレパシー少女「蘭」事件ノート2【電子書籍】[ あさのあつこ ]
2021.08.21
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【中古】 ねらわれた街 テレパシー少女「蘭」事件ノート 講談社青い鳥文庫/あさのあつこ(著者),塚越文雄(その他) 【中古】afb古書店で何気なく手にとってみたら、とても面白そうで。読んでみたらやっぱり面白かった・・・。ちょっと本格ミステリというわけではありませんが、ミステリっぽくて面白い本に巡り合ったので紹介したく思います。講談社青い鳥文庫という児童向けのシリーズがあるのですが、その中に「テレパシー少女蘭事件ノート」というシリーズがあります。これはマジックのお話ではなく、テレパシー能力を持っている少女と仲間たちが、怪奇に満ちた謎を解くというSFミステリです。8巻くらいまであるようですが、その一巻目が「ねらわれた街」です。フィニイの作品を連想するタイトルです。主人公の蘭は、自分が超能力の持ち主だとは気づいていません。そんな彼女の前に翠という転校生が現れるところから話は始まります。どうも彼女の住んでいる街には、近頃よくわからない事件が起こっている。くまと間違えて人を撃った、火炎瓶が投げ込まれた・・・共通点はある???このような謎に超能力少女は挑みます。事件の真相は本格ミステリ的なガチガチの論理による解決というわけでもないですが、筋は通っており意外性もあるものです。とはいえ、このシリーズの最大の魅力は登場人物の掛け合いかなと思います。結構怖い雰囲気なのに、やりとりがとても笑えるという作品です。憎めない口の悪さがあります。子供向けに思えますが、そうでない人にも読んで楽しめるかと思います。
2021.08.19
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はしが入ったビンに注目を。念力を送ると・・・
2021.07.06
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割箸だけを使い(開いたり、折ったりしない)、コップに手を触れず、コップを持ち上げることは可能か?解答編です。
2021.07.05
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マッチ箱の中身が、ひとりでに!?
2021.05.05
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指先においたマッチ箱。そこにエネルギーを送ると・・・??
2021.05.04
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できるでしょうか?問題文のスキをつけば、解決できるでしょう。下の動画が解答編です。
2021.03.23
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不思議なカードケースに、4枚の裏向きのカードを入れて振ります。すると・・・?
2021.03.22
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以下の写真のように、4本の割箸があります。1本だけ動かして、四角形を作ってみてください。できるでしょうか?解答です。ちょっとずるいかもしれません。
2021.02.08
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先日、『罪灯』(佐々木丸美)というミステリを紹介しました。今回は、同じ作者の『崖の館』という作品を紹介したいと思います。「館」というと、いわくありげな人物たちが館に閉じ込められて、連続殺人が発生する、などを思い浮かべるかもしれません。館と聞いただけで、ぞくぞくするかもしれません。本作では、かつて館で起こった出来事(女性(千波)の「事件」or「事故」死)への疑惑からストーリーが始まります。その館にすむおばのいとこたちが集まり、「事故」ということに疑惑がもたれます。千波(亡くなった女性)は日記帳を残していた?それはどこにあるのか?探そう。そんなところへ、飾ってあった絵の消失、さらには人間の消失といった事件が起こり始め・・・。という館にふさわしいストーリーが展開していきます。前にも書きましたが、ミステリの仕掛けだけでなく、情景や信条の描写もこの作者の魅力です。始まりはこのような文からです。「目もくらむ断崖。切りたつ岩にうちよせる波。散ってくだけてまたうちよせてくる。冬の波濤は非情に人を拒み隔離された世界を構築してゆく。沖の海は銀盤にゆらめき流れる潮の花を浮かべていた」(7ページ)。いきなり物語の世界に心を飛ばせそうです。また、所々で出てくるミケランジェロ、リルケ、パステルナークなど詩人や画家に関する語りもあり、情景と相まって作品のロマンを形成しています。確かにストーリー的には王道的な館の事件ですが、様々な描写が館を恐ろしいものとしてよりどこか美しく見せている、そのような雰囲気もまた魅力でした。崖の館 (創元推理文庫) [ 佐々木丸美 ]崖の館佐々木丸美コレクション16【電子書籍】[ 佐々木丸美 ]
2021.01.17
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ミステリといえば、殺人をイメージする方も多いともいます。私も実はそうです。そのトリックを読み解き謎を解く興味がある一方、殺伐とした印象がないでもないかもしれません。今日紹介する本『あなたに謎と幸福を』は、基本的にはそういった印象から離れた作品のアンソロジーです。日常生活で発生した謎や事件を解き明かす作品が中心で、読み終わった後にいやな後味が残らない作品を集めています。いくつか収録作品を紹介したいと思います。あなたに謎と幸福を ハートフル・ミステリー傑作選 (PHP文芸文庫) [ 宮部 みゆき ]「割り切れないチョコレート」(近藤史恵)なぜか、19個入りとか23個入とか、割り切れない数のチョコレートが売られている。それはなぜか、という謎。この作品は『タルト・タタンの夢』に収録されています。私はこちらも購入しました。ちょっと料理に詳しくなれる、というおまけもある作品です。タルト・タタンの夢 (創元推理文庫) [ 近藤史恵 ]「次の日」(矢崎存美)これはびっくりするので、多くは語りません。事件としては立てこもりを扱っています。あなたはいったい・・・?「ドルシネアへようこそ」(宮部みゆき)ドルシネアという高級らしいディスコがあるという。速記の勉強をしている青年は、伝言板に「ドルシネアで待っている」と、誰にも当てもなく書いた。まさかそれに返事があるとは…。その返事の理由と正体は?「謎と幸福」にふさわしい宮部みゆきの一品。『返事はいらない』に収録。ミステリに求めるものはいろいろあるでしょうし、いろいろな楽しみもあります。もし、求めるものが謎と、読み終わった後の温かい読後感ならば、この作品集はぴったりだと思います。
2021.01.16
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2020年の創元推理文庫復刊フェアで復刊した『罪灯』を読みました。作者は佐々木丸美という方です。この本は、いわゆるプロバビリティの犯罪を扱った4つの短編からなっています。プロバビリティの犯罪とは、例えば「毎日料理に余分に塩をかける」とか「道を聞かれたとき、事故に合う確率が高そうな道をあえて教える」などのように、それ自体では罪に問われないような行為によって、あわよくば殺しを実行するというような犯罪です。江戸川乱歩の短編「赤い部屋」や谷崎潤一郎の「途上」などが有名です。今日紹介する『罪灯』は、そのような「犯罪」を扱った4つの短編が収録されています。4つは連作で、いずれも春夏秋冬を名前に持つ女性と謎を解く男性が登場します。プロバビリティの犯罪とその発想、どのようにほころびるかということはもちろん興味の中心で、その興味に十分こたえてくれる作品でした。しかし、それだけでなく、「犯人」の女性の感じ方や情景描写も独特で、味わい深いところがこの作品の魅力となっています。例えば「水死体が引き上げられた。彼女の十七年間も彼女を取り巻く憎しみも、やわらかな黄昏に溶けていく。高慢と咲いた大輪は散った。その姿に一抹の憐憫」(16ページ)「私は冬の娘。厚い雲の中、冷たい水の中、寒さに凍結した青春」(22ページ)などのような表現が随所に見られます。トリックだけでなく、描写も味わえます。罪灯 (創元推理文庫) [ 佐々木丸美 ] 谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫) [ 谷崎潤一郎 ]「途上」はこの作品集に収録されています。また、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/cards/001383/card56849.html)にも収録されているので、そちらを使えば無料で読めます。江戸川乱歩全集(第1巻) 屋根裏の散歩者 (光文社文庫) [ 江戸川乱歩 ]「赤い部屋」はこちらに収録されています。また、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/card57181.html)にも収録されているので、そちらを使えば無料で読めます。
2021.01.11
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100円ショップの「レモン」で、マジック専用(仕掛けがある)トランプを売っていたので、紹介しようと思います。その名も、「マジックトランプ」です・・・。このトランプ自体に仕掛けがあり、いくつかのマジックができるというものです。簡易な説明書がついています。できるマジックとしては、選ばれたカードを完全に混ぜられた山から抜き出す、カードを透視する、などが考えられます。練習したら、動画も上げたいと思います。ケースはこのような感じです。滑りは良く、広げやすいです。レモン以外の100円ショップにあるかどうかはわかりません。
2021.01.10
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先日、100円ショップダイソーで売っている「CIRCUS」というバイシクル風の本格的なトランプを紹介しました。その時は、赤色のみだと思っていたのですが、ほかのお店で青色も発見したので、紹介したいと思います。赤と青、バイシクルっぽいですね。2組あれば、マジックの幅も広がるかもしれません。ジョーカーはこんな感じ。エースとおまけ?のカード。
2021.01.04
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今日は久しぶりに、ミステリの紹介をしたいと思います。今日紹介するのは宮部みゆきさんの『長い長い殺人』という本です。夜の9時ころ読み始めたのですが、一気に真夜中までかけて読んでしまった、それくらいに引き込まれた本でした。宮部みゆきさんの作品に触れたのはあるアンソロジーにあった「ドルシネアへようこそ」という短編でした。温かみがあり意外性もある作品に引き付けられ、その後いくつか彼女の作品を購入し、読んでいるという次第です。今回の『長い長い殺人』は、財布が語り手をつとめるというところに意外性があります。いろいろな財布が語り手になるので、語り口にバラエティがあって表現的に面白いです。また、明るい作品ではないですが、財布の語りにはユーモアが感じられて、救いになっている面もあります。逆に、動けない財布であるが故のもどかしさもあります。事件の始まりはひき逃げらしき事件なのですが、どうもその事件には裏があるようで、いろいろな人の財布の語りを通して、その事件の全体像が少しずつ見えてくるという構成をとっています。一見関係ない財布が事件にかかわってくるので、続きをどんどん読みたくなってしまうのです。財布だけでなく、デカ長、探偵、少年などキャラクターとそれぞれの心情も印象深いです。長い長い殺人 (光文社文庫) [ 宮部みゆき ]
2021.01.02
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2021年がやってきました。去年のブログ読者の方、ありがとうございました。去年は多少は更新できたかな、と思っています。今年も更新できるように取り組んでいきたく思います。今年が平穏な年となりますように。それでは、本年もよろしくお願いします。
2021.01.01
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2020年もいよいよ本日のみとなりました。このように大変な年にも、私のブログを見てくださった方々には感謝です。更新は続けていきたく思っていますので、来年もよろしくお願いいたします。
2020.12.31
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特にクリスマスとは関係がないマジックです。ジョーカーが変身します。
2020.12.25
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2020.12.16
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1円玉を握りしめると・・・?
2020.12.14
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トランプをごしごしこすって、変化させます。
2020.11.15
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指先の動きに、ストローがついてくる!?
2020.10.22
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コインを肘にこすりつけると、何かが起こる・・・?
2020.10.19
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パズルにも使え、テーブルマジックにも使える心強い味方。それがマッチです。私はあまりやりませんが、モノを燃やすマジックでも大活躍でしょう。100円ショップでは、数箱まとめて100円で売っていることが多いようです。左は未開封の6箱で100円です。特に、100円だからといって困ることはありません。少なくともマジック上は。中身はこんな感じです。
2020.10.19
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今回は、100円ショップダイソーで売られているトランプを紹介したいと思います。CIRCUSというトランプです。有名なトランプ「バイシクル」に似ているように見えます。実際に使ってみると、100円と思えないコシ、滑り具合で、マジックに十分使えるトランプだと思いました。1個【メール便送料無料】マジック トランプ バイシクル バイスクル BICYCLE お好きなお色を1個お選ぶください【コストコ通販】【送料無料:沖縄・一部地域、離島は対象外】↑こちらはマジックで使うトランプの定番「バイシクル」です。私は、バイシクルも使用していますが、100円で気軽に買えるダイソーのトランプもよいなと思います。以下の動画で、シャフルの様子などを紹介します。
2020.10.10
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最初に「モダン・コイン・マジック」を読んだとき、シンプルで面白そうだ、と感じたトリックです。
2020.10.07
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今日は、百円ショップ(Can★Do)で手に入れたマジック関係のアイテムを紹介したいと思います。じゃじゃん、本日のアイテムは・・・・木のコインです。軽い割に厚みがあり、扱いやすいアイテムです。銀貨から変化する現象が分かりやすい、ぶつかっても音がしない、銀貨とは違った雰囲気で演じられる、などのメリットが考えられます。他方で、日常品ではないので、仕掛けを勘ぐられてしまう危険性はあります。実際には、おもちゃのコインですので、特に手品用の仕掛けはありません。今後も100円ショップのアイテムを紹介しますので、お付き合いいただければ幸いです。
2020.10.05
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2枚のカードの間から・・・。コインマジックもしくはカードマジックです。参考文献Bobo,Modern coin magic,Dover,1982=1952.
2020.10.02
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2020.09.30
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コインは足を貫通して・・・。参考文献Bobo,Modern coin magic,Dover,1982=1952,p.63.ボボの本で、Through the legのタイトルで解説あり。
2020.09.29
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お札が、マッチ箱の上で見事にバランスをとっています。
2020.09.28
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ハンカチで包み込まれたボールは、跡形もなく・・・。参考文献Walter Gibson's Big Book of Magic for AllAges,1980,DOUBLEDAY&COMPANY,INC.
2020.09.24
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ターメリック(うこん)パウダーの入った瓶が、指にくっついてしまいます。どんなに揺らしても、取れません。ヒンズーロープも、ターメリックの魔力なのでしょうか?参考文献SchindlerGeorge , Magic with everyday objects,SCARBOROUGH HOUSE,2000収録「mystic shaker」。Magic with Everyday ObjectsOver 150 Tricks Anyone Can Do at the Dinner Table【電子書籍】[ George Schindler ]
2020.09.22
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