負け犬日記。

負け犬日記。

Dec 30, 2005
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カテゴリ: 趣味
 プチクリ 好き=才能!(岡田斗司夫著)を読んだ。

 時代に感の良い人は、今、「生きるための作品」を作っている、と思う。よしもとばななも書いてたけど、今、暗いだけで辛いことがいっぱいあって、報われないような話なんか、時代遅れだと思う。
 時代は癒しを求めているし、あまりに多い、斉藤環が言うところのトラウマ語り文学、リストカット文学だって、そりゃ作り手は読む人に癒しを与えたいと思って作られているのだろうけど、それって昨日もねーさんと話したけど、「死なないための文学」であって、「STOP!!!」でしかないのよね。でも、そーいうSTOP!!!が必要な人がたくさんいるのだよね。
 「お母さんは自分を愛してくれなかった。それを批判したら、謝ってくれたので救済された」であるとか、「あなたが悪いんじゃない。親が愛してくれなかったのが悪いのだ。そうね私は悪くないんだ!!!!」であるとか。「リストカッターで摂食障害の鬱系のオンナノコを、愛で癒してくれる王子様が!!!もうあなたは一人じゃないんだ!!!だいじょーぶ!!!!!」とか、そーいうトラウマ語り、リストカッター文学が、まぁ別にあってもいいんだけども、あまりに多いこと、つまり、バランスが悪いのが気になる。(あと、同時にあまりに「勝ち負け」言い過ぎる傾向も気になっている。あたしは自分から負けで結構といいたいので負け犬でオッケー。)
 あなたにもたった一人の王子様が現れるかもしれない。という、妄想に掛けて、今日死ぬことを耐えるのって、まぁそれも価値あるかもしれないけど。
 だって、鬱で引きこもってる女の子の所に王子様なんか来る訳ないじゃん。愛なんかで心のびょーきが直る訳ないじゃん。何でもかんでも親のせいとか、自分の人生を「他人のせい」にする人が、幸せになんかなれる訳ないじゃーん。現実問題。
 でもまぁそーいうある意味、残酷な幻想が、死ぬことにSTOPを掛ける力があることはもちろん認める。自分の非を認められるほど、強くない人もいるのだ。それを癒しと呼ぶのも……癒しの質は違うと思うけど、まぁそれは良い。(でも何が癒されてるのかはあたしには良く分からないんだけども。)

 でも最終的には、「生きるための作品(文学)」が必要とされなきゃ駄目だと思うんだ。これからの時代。

 ずっと一緒にいなくても、金でたいていの問題は十分片付きまっせ。大丈夫、あなたは残酷なんかじゃない。愛が心のびょーきを癒すなんてのが、嘘っぱちなんだから。
 というのが、明日生きるための情報だ。残酷に聞こえるかもしんないけど。(と書くとうつ病良く知らないくせに、といわれそうだけど。うちの家族がそうだから、全部「実践」しましたぜ。)

 あたしは、「愛さえあれば、びょーきは癒える」とか「待ってりゃあなたにも王子様は現れる」という幻想の方がずーっと残酷だと思う。それで、王子様が来なかったら誰が責任取ってくれんのよ。
 親に問題のある育て方をされてる人が、そーいうかかわり方しかできなくて、他者を傷つける。(モラルハラスメントとか。) それを原因は「親」であって、「本人」じゃないのだから、許されなくてはいけないのか?子供や妻が生死にかかわるDVにさらされてていても。そりゃ残酷だー。本人に、「原因がない」のだから、「本人のせい」ではないのだから、責めるべきではないのなら、苦しむのは回りの人だよ。(大体、育てられ方のせいだったとしても、そこに本人の明確な「悪意」はあるよ。)
 村上龍も言ってるけど、耳障りの良い幻想に、日本人はどれだけ傷つけられているのだろう、と思うとぞっとする。
 すべての悩みは、幻想と現実のギャップだ。果てない幻想を見て傷つくより、現実見た方がずーっと優しいぜ。今日はよく眠れたとか、美味しいご飯が食べられたとか、そっち見た方がずーっと健康的。

 プチクリは現実をクリエイティブという方法で楽しくする方法の書かれている本だ。明日、生きるための本だ。待ってるだけじゃなく、諦めて途方にくれるだけじゃなく、自分から動きなさい、と、背中を押してくれる本だ。
 地方の美大を出て、紆余曲折色々あって、出版系で働いていて、フリーのイラストレーターやライター、漫画家を使う側の自分はこれに書かれてることが本当に身をつまされてよく分かる。なんかそんな話を、12/14にも書いたな。
 プチクリもすばらしい。うん。あたしなんか本に出てくるような、完全にプチクリだ。自費出版で小説の本を出しているので。
 ファンといってくれる人もありがたいことに少しはいるし、ファンメールもたまに貰うし、たまに差し入れを貰ったりもしちゃう。本当にありがたいことだ。それで幸せなんだから。

 しかし、同じ頃、夢を抱いて、東京に出てきて、でも結局地元に帰っていって、まったく関係ない仕事をしながら、まったく金にならない趣味のクリエイティブをしてる同級生達を、それでいいの?と見ていたが、それに関しては見方を改めなくてはいけないと思った。それも幸福なプチクリの生き方だと。


 プチクリの最後は、「幸せは独り占めせず」で括られている。表現は絶対に連鎖する。人の心に影響与えるからこそ、表現は文化なのだ。うーん、岡田さんは本当に良く分かっている。なんと、時代に感の良い人か!!!とぴっくり。

 一流大学出なきゃもうおしまいとか、そんな一つの生き方しか認めないような情報だけじゃなく、死なないために必要な、毎日親への恨み節みたいな、辛いことがあり過ぎて、全然報われないみたいな話やありえない王子様到来!!!の、トラウマ語り系文学じゃなく、「より良く生きるための情報」を発信する人が、もっと増えて欲しいと、切に思う。
 あたしも生きるための情報を発信したいものだ。誰かの背中を押してあげられるような、本が作りたい。←趣味で本作ってるから。仕事でも本にはかかわってるけど、そっちは「売れないといけない本」しか作れないから、まずおいといて。(笑)





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Last updated  Dec 30, 2005 12:54:56 PM
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