はあと・めもりいず

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2008/01/22
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カテゴリ: 読書録。
「パラレル」長嶋有



~妻の浮気が先か、それとも僕の失職が原因か?ともあれ僕は、会社を辞め離婚した。顔面至上主義のプレイボーイ津田と、別れてもなお連絡が来る元妻、そして新しい恋人…。錯綜する人間関係と、男と女の行き違いを絶妙な距離感で描く長嶋有初の長篇。斬新な構成と思わず書きとめたくなる名言満載の野心作。~

ストーリーが、時系列順に展開していかず、意図的に区切り取られた時間をあちらこちらにジャンプしていく。その時々の人とのつながりや感情が、様々なエピソードを通じて浮かび上がってくる感じだ。
ストーリー展開そのものが”パラレル”=平行といえるが、多分この表題の意図するところは人と人との微妙な距離感やすれ違い”パラレル”といっているのだと思う。
登場人物がみんなどこか切なげで弱く、頼りにならないようだが、それでいて他人に依存することなく自立している。”個”を感じる人物設定だ。
情けない男たちのように感じるのだが、ラストにはこれでいいんだなあと感じさせるのは、孤立しているのではなくて、独立しているからなのかもしれない、、、。

”結婚とは文化であります。文化というのは国や民族に生じる固有のものであります。・・・一番小さな文化の単位は家族、ひいては夫婦ということになるのではないでしょうか。恋人が長く付き合うと、何だか夫婦みたいだなどといいます。ここでつい夫婦という言葉をネガティブなものとしてとらえがちになりますが、それは違います。夫婦のようになったと感じるとき、その二人の間には確かに文化が芽生えているのです。今の時代、籍を入れて結婚することの意味はゆらいでいます。だけれどもこれは断言してもよいのですが、文化の無い場所に人間は長くいられません。お二人は夫婦という文化に守られるのではなく、結婚によって自分たちを守る文化を築いていってください。”
プレイボーイの結婚式でのスピーチは見事だ。このまますぐにでも使えそう。
しかしこれには続きがある。披露宴後にいったキャバクラのお姉ちゃん相手に酔っ払って語る・・・。
「結婚とは文化であります。」「だから、物語が終わるのは”悲しい”だけど、文化が無くなるのは”怖い”なんだ。」

★★★☆☆





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Last updated  2008/01/22 04:32:03 PMコメント(0) | コメントを書く
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