ある夫婦の始まりから終わりまで・・          (ノンフィクション)

ある夫婦の始まりから終わりまで・・          (ノンフィクション)

依存

それまでの私は、N県とはほとんど縁の無い人だった。

父方の伯父と伯母が近くに住んでいたが、親同士もあまり付き合いが無い為、

私が伯父たちを頼る事も無かった。

知り合いがいない街。

夫は学生時代の友人夫婦を私に紹介してくれた。

奥さんは私と同じ歳という事もあって、この県で唯一の友人となる。

しかし、若い子同士の友達付き合いとは違い、どこか田舎の主婦同士のような

付き合い方に、煩わしさを感じる事もあった。

私はそんな暮らしの中で、頼れる人は夫だけである事を再三夫に訴えてきた。

しかし、どんなに訴えてみても、それを解決する事は自分自身の気持ちの

問題である為、救われる事は無かった。

夫も仕事にいっぱいいっぱいで、思いやりに欠けていたように思う。


数ヶ月後、出した結論は、村を出る事だった。

村から数キロ先には観光でも有名な都市がある。

その市内の、比較的私の実家近辺の雰囲気に似た住宅地にある

アパートを借りる事にした。

私の借金を全て清算した為、なんとかギリギリやっていけそうな範囲。

築年数も浅いそのアパートはとてもきれいで、周りに大型販売店もあり、

何一つ不自由ないかのように思えた。

しかし、根本的な決意や覚悟が無かった私の心には、常に遠く離れた地元があった。

東京での華やかな暮らしを引きずっていたのかもしれない。



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