迷鴎亭 ★BAKERY FESTE★

迷鴎亭 ★BAKERY FESTE★

2006.10.21
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カテゴリ: 日記
両親といっしょに名古屋へ行った。今回はダンナもついてます(おまけかよw)。


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駅に隣接しているというか、一体化している建物にあるホテルである。15階にフロントがある。ロビーから出ると、広い通路のような空間があって、展望台になっている。なんかいますが、気にしないでください。

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部屋は46階(47階だったかな?)、線路が見える。

芝居は、エウリピデス作『オレステス』、蜷川幸雄演出。出演は藤原竜也、中嶋朋子ほか。
ご存知オレステスは、トロイ戦争の総大将アガメムノンの息子。アガメムノンが戦争に行っている間に愛人を引き込んでいた母クリテイムネストラ(なんとトロイのヘレンの姉である)が、帰ってきた夫を殺害してしまったので、オレステスと姉のエレクトラは母を殺して父の仇を打つ。この劇は、それから6日後の話。母親殺しの姉弟に、判決が下されようとしている。

劇中に「出来事」はあまりない。重大なことはすでに終わってしまっている。父の敵討ちではあったが、母殺しという大罪を犯してしまった、しかし死刑にはなりたくない、というオレステスの苦悩が描かれている。

母を殺すようにと積極的に唆したのは、アポロン神だった。そもそもトロイ戦争だって、誰の婚礼か忘れたけど招かれなかった争いの女神が金のリンゴを投げ込んでパリスの審判があって女神たちが嫉妬と憎しみの火花を散らして・・・というところに発端があったわけだし、何もかも神様たちの気まぐれによって起こっているのだ。

そして、最後をまとめるのも神様。デウス・エクス・マキナ、初めて見たw。

エウリピデスの劇の話をするのにネタバレも何もないだろうから言ってしまえば、市民たち(議会みたいなもの)を説得することにも失敗し、死刑が確定して姉弟を救うすべはもうないと思われたとき、突然現れた(声だけである)アポロンが、彼らを救ってしまうのだ。

へんな終わり方だー、そんなのありかよ!人間の意志と努力によって困難は解決されるべきじゃないのかー?とか文句言ってもしょうがないのだ。こういうふうに書かれているのだから。

それでも、この劇は私にとって現代劇より見ごたえのあるものだった。
印象に残ったのは、オレステスが必死に自分の行為を正当化し、死にたくないと叔父や祖父にすがって懇願すること。オレステスのせりふに、家系を絶やさないために自分は生き残らねばならない、だから恥も外聞もなく命乞いするのだという意味の部分があるが、それだけではなく、彼は理由などなく生に執着しているように見える。エレクトラも弟と自分の命を救うために最後まで必死である。
人間は、理由などなく少しでも長く生きようともがくのが当たり前なのだが、現代劇ではそういう描き方はしないのではないか?
昔の劇のほうが、たとえ破れて滅びる悲劇に終わっても、主人公は最後まで精一杯生きている。もう死ぬしかないと思ったときでも、戦い、抵抗し、最後までテンション高く生き抜いて散っていく。絶望の坂を転げ落ちていくようなマクベスも、この世は吐き気をもよおす汚いものばかりだと呻くハムレットも、だから何をしても虚しいのだ自分の命なんかどうでもいいという態度はとらない。

なんか謎が解けたぞ。私が現代劇を見ていつも後味が悪いと感じるのは、人物たちが最後まで生に執着して暴れることをしないからだ。そこがリアルでいいのだという人も多いのだろうけど、私は嫌いなんだよ。それじゃカタルシスがないんだよ。

私の好き嫌いなんか聞きたくないという方々、すいませんね。私の日記ですから・・・。
そういうわけで、神々に振り回されているだけのように見える人間たちの劇ではあるが、やはり人間の劇である。
私の見た『オレステス』を要約するとこうなる「大罪を犯して責められているのは辛いし苦しい。だが、その罪を犯すことを決意した理由は間違っていないし、やらなきゃよかったとも思っていない。俺は間違っていない。死刑になんかなりたくない。死にたくないんだあああ!!」
うん、気に入った。この劇好きだ。


名古屋に来たからにはきしめん食べなくちゃ。明日食べられるかどうかわからないので、ホテルのラウンジできしめん食った。だってメニューにあるんだもん。
10-21-003.jpg.なんかいますが(ry
名古屋コーチン入りですごくおいしかった。





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Last updated  2006.11.06 13:31:13
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