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2010年05月16日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 石川英輔氏の「大江戸シリーズ」の小説を愛読しています。初回の出会いは「大江戸神仙伝」という本だったように思います。

 現代の製薬会社に勤めていた経歴のあるフリーライターの男性が江戸時代に転時(タイムスリップ)する能力に目覚めて、現代と江戸時代を言ったり来たりするというお話が基本です。

 面白いのは江戸時代の生活の豊かさ、合理性、人々の面白さでしょうか。現代に失われてしまったものが、数多く残っていて「貧しくて、汚くて、せせこましかった」江戸時代なんてとんでもない誤解だということが石川さんの社会描写で詳しく描かれています。

 それは島根の松江を訪れたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が見た昔の日本の鄙びた懐かしい風景を思い起こさせるものです。日が昇り働き始め、日が沈むと休んでしまう。人の生活の基本的なリズムが身体と心に見事に沿っていた時代。
 潮干狩りに行ってもせせこましく貝をせっせと採るわけではなく、振袖を着てのんびりと砂浜を歩いて楽しむ・・・そんな江戸時代の女性のレジャー感覚というのは優雅なものに感じられます。

 医学が今ほど発達していないから、人の死というものがとても身近にあったという悲劇は描かれているけれど、それよりも「生」を謳歌する逞しさが勝っていた時代のようにも感じられます。

 エネルギーもそんなに使わず、食品にも何の化学物質も含まれていない。戦争なんてどこかの遠い国の話だというような平和な時代。人の数が少なくて、便利ではないけれどどこか憧れてしまう時代のように思います。





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最終更新日  2010年05月16日 07時31分47秒
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