有朋自遠方来、不亦楽乎!

有朋自遠方来、不亦楽乎!

5,6月のトップ


新緑

 智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。

 住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟った時、
詩が生れて、画が出来る。

 人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。
やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。
ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。
あれば人でなしの国へ行くばかりだ。
人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。

 越す事のならぬ世が住みにくければ、
住みにくい所をどれほどか、寛容て、
束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。
ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。
あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。

(夏目漱石著『草枕』冒頭より)


主に書評、映画評を書いています。
日記は自己対話式日記です。
登場人物:
『某名』       少しきつい口調で諭してくれる直言者。
『其妙』       落ち着いた口調で諭してくれる仁徳者。
『我(maroninsky)』 いつも溜まった毒を吐き出す凡人。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: