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サトゥの死ぬまでシネマ。
第3話。
「第3話 フューチャー・イン・ザ・ダーク」
俺がノリコとつきあった理由はいわゆる「ノリ」だった。センマルリョウで千丸亮。ハミガノリコで葉見賀紀子。もうお分かりだろう。センガンリョウ(洗顔料)とハミガキコ(歯磨き粉)。これで2人が付き合わないわけがない。俺にとってこの偶然は付き合う理由としては充分だった(いつも迷うけどコレ『十分』でもいいのかね)。おかげで奇面組カップルと呼ばれた俺たちの恋は2ヶ月で終わった。(高校生のくせに奇面組とかネタが古いのは作者のせいだ)。まあ、彼女もいい加減俺が「ノリ」で付き合っていることに気が付いたってわけだ。それに俺が「童貞」だというのも彼女が嫌だったらしい。ヘヴィだ。クラス1の美女は「童貞」がお気に召さないらしい。その本意はわからないが、「処女」を好きな中年オヤジと同じ感覚・・・でもないか。実は俺は童貞ではなかったのだが(詳しくはいずれ発表される前日談『野鳥。をプロデュース』で明かそう)。彼女にはそう言った。なぜか嫌悪感を持った彼女とその後ギクシャクしてしまい、結果別れることになった。俺としては高校生活を童貞キャラで過ごすつもりだったので、いや変なこだわりだけど。訂正する気にもなれず俺の童貞説は学年中に広がった。実は「なら私が初めての人に」と手を上げる女子がいることを密かに期待している自分がいるのだが、今だ立候補者はいない。ウーム。キャラ変更でいくべきか。しかし、もったいないことをしたかもしれない。「ノリ」とはいえクラス1の美女と言われる女の子と付き合えていたのだ。そんなに俺はモテるほうではないというのに。少なくともテレフォンショッキングでタモさんに「学生時代モテたでしょ?」とは言われないルックスだ。
「な~に考え込んでんの?リョウちゃ~ん」
クラスで仲が1番いい、堀部圭太が話しかけてきた。こいつはこれまた同じクラスの勝俣国男とお笑いコンビ「フォーク&リフト」を組んでいてヒマさえあればネタみせをクラスにしている。俺はいつもこの3人でつるんでいる。やっぱりクラスにはいろんな派閥があって、秀才組、スポーツ組、不良組、ヲタク組ぐらいに別れているのだが、俺達3人はどこにも属さず、どのグループとも比較的仲がいい「要領いい組」だ。
「なんか話せよ」さすがにお前の紹介をしてた。とは言えないので適当に相槌を打つことにした。
「別に」
「またまた~お前ノリコちゃんの方を見てただろ?」クニオが話しに加わる。クニオ、お前の紹介は終わったよ。お前がボケでケイタがツッコミって言うのは忘れていたけど。今は昼休みで皆弁当を食べたり騒いだりと思い思いに時間を潰していた。
「いや、ちょっと話があってさ」
「ヨリ戻したいのか?」
「ちげえよ。それよりさ。転校生、髪切ったの気づいた?」
「ああー。あの暗い子ね。まっ何気にカワイイ気はする」
「初期のエンクミみたいだな」
おかしい。初期のヒロスエを意識したハズだが。まあ、彼女のヨサに気づいてくれただけでもありがたい。
「つうわけで今日の放課後ナカニシに集合な」
「何が『つうわけで』だよ。意味わかんねえ」とケイタがつっこんだ。
「でも、久しぶりだな。リョウがナカニシに召集かけんの。夏休みの『潜水艦事件』以来か?」とクニオが余計なことを思い出した。
「何にせよ、なんか企ててるなお代官様」
「そちも悪よのう・・・ホッホッ」
「ま、大黒屋や越前屋並みの悪巧みではないけどな。とにかく集合。話しはそれからだ。この話は他言無用だからな。俺、ノリコに話してくっわ」と言って俺はノリコの席へと向かった。仲良しグループの輪の中で話をしていた彼女はこちらに気づくと一瞬顔がこわばったがかまわずしゃべり続けていた。彼女の席の周りに群がる女の子達に目配せしながら俺はズンズンと彼女に近づいた。
「あのさあ、ノリコ。いや、ハミガさん。ちょっと2人で話してえんだけどさ」
目配せ効果のおかげで取り巻きの女子はいなくなっていた。
「何?」
「そんなコワイ顔すんなって何も教室の中心で愛を叫ぶわけじゃねえからさ」
彼女を中心に女の子達が群がっていることを皮肉ってみたがソレはどうやら伝わらなかったようだ。
「私、忙しいの」チャンスだ。俺は彼女の耳元でささやいた。
「イジメでかい?」彼女の顔がこわばる。
「ごめんねえ。教室の中心で愛をささやく。でもなくて」
今度の皮肉は伝わったに違いない。
「何が言いたいわけ?」
「ここじゃあ、なんだからさ。廊下で話そうぜ」
彼女はだまって立ちあがり、俺に教室を先にでるように促した。
「オウケイ。さすが初代ジェニファーだけのことはある」
「何それ?」
俺が彼女に近づいたあたりからクラス中が注目していたのには気づいていたが、俺達が出て行った後のクラスのざわめきが予想できた。ほぼ1ヶ月ぶりのツーショット。大物芸能人なら、写真誌の見開きものだ。ま、かまやしない。こっちはこれから宣戦布告をせにゃならん。
第4話
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