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サトゥの死ぬまでシネマ。
第12話。
第12話「ループ・エンド・ループ」
「きゃあ」
ハリコが悲鳴を上げた。オンミョウジが手をつかみ、屋上のヘリまでハリコを連れて来る。
「おい、やめろよ」
「どうしたんですか、オンミョウジ先輩」
「すまんねえ、君の好意は嬉しいが。俺、ここんとこフラレまくってるし」
ま、そんなの関係ねえ。か」
おいおい設定は2005年だぞ。そのフレーズは早すぎる。
と、つっこんでいる場合ではない。
隣りの建物をみると、すでにミナミヨウコとルコが屋上の端に立たされていた。
「くっそ」
「さあ、どうする。本来の歴史のようにミナミヨウコか。愛する妹か、愛したルコちゃんか」
「ハリコ。こうなるならオンミョウジは止めとけって言っておけばよかったな。ルコ、2回目のあの日お前へしっかり思いを伝えておけばよかったよ」
「えっと、私になにかないの?」
ミナミヨウコが言った。いやいや、軽くボケられても。
「そうだな。俺がつきとまった理由がわかっただろ。本当は君が落ちるハズだったんだ。感謝しろよ」
俺は屋上の端までいく。隣りまでの距離は5メートルはあるだろうか。助走があってもなくても飛び移れない。まあ、そのつもりもなかった。
ルカと目が合った。アイコンタクト。下をチラ見。
わかってる。俺もその手を考えてる。
「リンジ最後に言っておくよ。許さねえからな。フドウ、あんたも。オンミョウジも」
「最後?すると?」
「ああ、俺が死ぬ。死ぬ運命にあるのは俺でいい」
「そうか。『あの人』も納得するだろう」
だから誰だっつうの。
「待って」
ミナミヨウコが言った。
「私だったんでしょ。話を聞くと。その死ぬ運命だったってのは」
「おい、その手にはのらねえぞ。いいか、一度目の今日、お前は逃げようとしてここから落ちたんだからな」
フドウアキラが言った。
「ヘイヘイ。争わねえって」
俺は思いっきり飛び降りた。リンジが驚いていた。俺にではなく自分が捕まえていたミナミヨウコも飛びおりたからだった。自分も落ちそうになろうとしたところをフドウに助けられていた。そのスキにルコは逃げていた。
そこまで確認して(それにしても滞空時間が長いのは置いておこう)
俺が目指したのはもちろん地上ではなく1号館のクーラーの室外機だった。
あそこに掴まれば。5階の室外機に。
だが現実はうまくいかない。ものすごい勢いで落ちる俺は4階の高さまで落ちていた(それにしてもスロー過ぎるのは置いておいて)
なんとか4階の室外機に手がかかり、俺は衝撃とともにぶら下がることに成功した。思わず離しそうになったが。なんとか持ちこたえた。だがやばい。
手が離れるかどうかのところで誰かが俺の手を掴んでいた。
「ミギー!」
「誰よ。ミギーって」
ルカは言った。室外機のそばの窓から身を乗り出していた。顔は真剣だった。無理もない男の体重を支えている。
「いやいや、こっちの話。サンキュー」
俺はなんとか窓のヘリを掴み、室内に入った。
「あいつらは?屋上の・・・」
かなりの息切れで聞く。
「大丈夫。鍵かけてきた。時間は稼げるわ」
内側から鍵、かけられるのか?まあいい。ご都合主義だと言われようと。
「まだ終わってねえか」
窓から2号館をみる。
「わーお」
2号館の5階の室外機に必死でミナミヨウコがしがみついていた。
「運命とやらを変えなきゃな。ルコはそこで、そこも危険か。とにかくどっかに逃げて!」
俺は走り出していた。
2号館まで行き、5階までいっきに駆け上る。
いまだしがみついていてくれたミナミヨウコを引き上げる。
「ダイジョブか」
「ええなんとか」
「あんた運動神経いいんだな。俺なんて4階だぜ。落ちすぎだろ」
「あたしもイチかバチかよ。でも一人だったらやばかったかも」
俺はそのとき彼女はもしかして、1回目の今日でも同じことをしようとしたのか。と思ったが口に出すのは止めた。彼女には確かめようがない。
「それより屋上にいかないと」
「そうだった」
屋上の扉を開けるとオンミョウジが倒れていてそこにはルコともう一人がいた。センマルリョウだった。
「リョウ!どうしてここに!」
「ああ、コイツに言われて」
俺を指差す。
「あんたの言う通り俺、ひとりでロッカー運んだじゃんかよ。それでも信じられなかったけど気になってヨウコの家に行ったんだ。そしたらヨウジ君がヨウコはいないっつうから」
「ヨウジって?」
「私の弟。中1」
なぜここでここまで詳しく彼の話が出てきたのか。作者の意図を感じる。
「手遅れかとも思ったけど、あんたがここの話してたからさ。守衛のおっちゃんに聞いたらここに向かったって聞いて」
「で、俺の妹を助けてくれた。と」
俺はルコを見た。ヤバイ。センマルを見つめている。恋の目だ。懲りないやつめ。
「あいつらは?」
俺は1号館の屋上を見た。誰もいない。
「逃げたな。まっ後でなんかするか。メモリースティックも取り返さないと」
「ありがとう」
ここにも恋が生まれてくれると嬉しいが。
「おい、待てよ。これ最終話だろ、けっこう解決してないこと多いぞ」
センマルが慌てていった。
「えっ、お前のときもあっただろ」
「まさか」
「そのまさか。だよ、まあもうひとつのエンディングっつうよりまとめだな。まとめ。とりあえず、これでミッションコンプリートだな」
遠くで救急車のサイレンが鳴っている。
「おっちゃんにも賭けて正解だったな。ちと遅いが」
おしまい。だけど「もうひとつのエンディング」に続く。
第13話(もうひとつのエンディング)
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