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小説 「
scene clipper
」
Life goes on
クリップされたシーンが繋がってゆくから人生は面白いのかも知れない。
だから・・・
Life goes on
待ち合わせていた霊園の駐車場に、リンカーンコンチネンタルマークⅢが先に到着していた。
マリを連れてゆっくりと近づいていく。
青木さんのことは来る途中に話してある。
2メートルほど手前で足を止める
後部ドアが開いて先ずはケンが降りてきて会長を守れる位置に立つ。
(顔色がとてもいい)
「お待たせ致しました」と軽く頭を下げる
「いやいや、おかげで楽しませてもらったよありがとう」
「それは何よりです。青木さん突然ですが紹介させてください」
斜め後ろを振り返りマリの肩に軽く手を添えて言った。
「私の婚約者の内藤まりです」
リョウの半歩後ろにいたマリが半歩進んでリョウに並び
「初めまして、内藤まりと申します。よろしくお願いいたします」
「青木ですこちらこそよろしく」
マリが半歩下がったのを確かめて
「ではご案内します」
「お願いします・・・リョウさん、わしは何だか少年の頃に戻ったように緊張してるよ」
頷いたリョウは
「叔父もきっと喜んでくれます」
「そうだと嬉しい・・・」
「喜ぶに違いないです。叔父はストレートに心情を吐露できる人を見ると、嬉しそうに白い歯を見せる人でした」
「確かに・・・そうだったと記憶しているよ」
「私にはもうすでに、嬉しそうに白い歯を見せて微笑む叔父の顔が、あの青い空に浮かんで見えています」
立ち止まり空を見上げるリョウにつられて、青木もトンビの舞う空を見上げた。
「リョウ君、まだ墓前に手を合わせてもいないのに・・・
わしを・・・」
青木さんはそう言うと喉を詰まらせて、夏羽織の懐に手を差し入れてハンカチを取り出した。
ここは見ないようにしておくことだ。
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