マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2007.10.01
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<勇者の横顔>

 ホテルに向かうマイクロバスの中から、にせこさんが走っている姿が見えた。ずいぶん前で抜いたと思ったが、きっと私の最後の走りは彼の歩きとさほど速度が変らなかったのだろう。昨年彼は少ないスタッフの一員として狩り出され、第3ASで私達のお世話をしてくれた。今回ようやく念願かなって選手として走ったのだが、果たしてどんな感想を抱いたのだろう。

 ホテルに戻るとS藤さんとO川さんが部屋に居た。S藤さんは30時間台、O川さんは38時間台でのゴールだった由。萩往還250kmを39時間台で走ったS藤さんもさすがに疲れたようで、到着したお昼ごろからホテルで眠っていたとか。一方のO川さんだが、この夏は佐渡対策の一環として、山形の山寺から二口峠越えのロングランを実行した由。また翌朝は数ヶ月前に退院されたばかりの奥様を気遣いつつ、電話で完走報告をされていた。

 私は風呂に入り直ちに床に就いた。目が覚めたのはO川さんが仲間の3人組がゴールしたか確認するために階下に降りた時だから、多分朝の4時半頃だと思う。食堂に行くとM井さんはその場所で眠り、Y田さんは食事中だった。どうやら仲間の3人組は全員無事ゴールしたようだ。ウルトラ未経験で初参加のA子さんもゴールしたみたい。私は暖かいトン汁とお握りで空腹を満たした。

 食後ホテルの外へ出ると、「舘ひろし」と仲間2人が、まさにゴールへ向かう途中。「間に合いますかね」。舘ひろしが聞いたので、「大丈夫。絶対間に合うから」と励ます。朝風呂に入り部屋へ戻ると、Y田さんが布団で眠っていた。その手にそっと触れてみる。彼を「佐渡」へ誘ったのは私だ。スピードこそないが堅実なランナーで我慢強い山男である彼にはとても向いているし、200km超級のレースに挑戦するチャンスは滅多に無いと思ったからだ。

 朝の7時過ぎ、最長老のS野氏夫妻がタクシーで観光に出かけた。後で知ったのだが彼はA子さんと夜っぴて歩いたようだ。第1仮眠所の先で走りながら私を抜いて行った秋田のF原さんの足首は、朝、赤く腫れ上がっていた。きっと軽い捻挫状態のまま走り通したのだと思う。湿布薬を上げるからと制止したのだが、彼は急いでタクシーに乗り、港へ向かった。

 打ち上げの料理は豪華だったし、朝から飲むビールも美味かった。第1ASで「早くもばてました」と話していた21歳のトライアスリートも、稲荷寿司をおすそ分けした後輩のS潟さんも無事ゴールしたようだ。舘ひろし達3人組は制限時間3分前のゴールだったみたいだ。驚くべきことに翌週も215kmを走るR子さんはゴール寸前で道を迷い、かなりの時間徘徊していたとか。実に不思議な話だった。

 皆良く頑張った。仲間のK藤さんの顔は少し青かったけど、完走の喜びに溢れていた。「今回は練習出来てなかったので初めから完走は無理だと思っていた」と、途中リタイヤのD口夫人。病気の親御さんを見舞うためしょっちゅう帰郷していたようで、出来れば万全の体調で走ってもらいたかった。そして皆を激励して廻ったH多夫人には、かなり疲労が色濃く出ていた。

 確認はしなかったがD口氏は昨年のタイムを大幅に更新したはず。普段は話好きのT田さんが意外に大人しい。三脚まで背負って走った206kmもの道のりは、初参加の彼にとって相当厳しかったのかも知れない。目覚めたM井さんは大いに飲んだ。きっとY田さん、K藤さんを率いて無時ゴールさせ、去年の「借り」を返した喜びに溢れていたのだと思う。参加した48名の選手それぞれに、様々なドラマがあったことだろう。







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Last updated  2007.10.01 19:14:52
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