マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.06.18
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 目には青葉 山ホトトギス 


高倉山温泉前を通過。「もう直ぐダムだっけ?」。いつの間に近づいたのか、東京のSさんが尋ねる。「先ず小さなトンネルがあって、鉛温泉を過ぎたらダムだよ」と私。その小さなトンネルが見えた。そしてトンネルを抜けるとスキー場が左手に見え、さらに過ぎると右手に温泉の建物が見えて来る。そこから少し下ると豊沢ダム。ダムの放水口を珍しそうに覗き込むランナーが数名。おそらく今回が初出場なのだろう。

ダムの堤防上が道路なのだが、狭いために交通規制をしている。小さなトンネルを抜けるといよいよ山道に入る。目に鮮やかな新緑。そして時折聞こえるホトトギスの鳴き声。素晴らしい大自然。ホトトギスとウグイスの二重唱をしばし楽しんでいるうちに、一つの考えが閃いた。「目には青葉 山ホトトギス いわて銀河」。そうだこれを完走記のタイトルにしよう。

左手にダム湖が見える。その水面がドンドン下に見えるようになる。ダムに沈んだ集落の記念碑や取り残された小さな神社を見ながら走るうち、次第に道路の傾斜がきつくなる。左足底の痛みはなくなったが、その代わりに左足のアキレス腱が珍しく痛む。果たしてこのままゴールまで行けるのだろうか。

登り坂で大勢のランナーが歩いている傍を、歌を歌いながら走る。曲は夏川りみの「童神」。沖縄のとても優しい歌だ。高音だがゆったりとした曲がこの坂には良く似合う。いつしかダム湖の湖面は去って、ブナの深い樹林となった。本当に登りなのだろうか。後ろを振り返るとやはり相当登っている。道理でスピードが出ないわけだ。でも昨年苦しんだ股関節痛が起きないだけありがたい。

やがて前方に一つ目のトンネル。ここは短いがトンネルの中も緩やかな登り坂。そして二つ目のトンネル。ここは長くて暗くて涼しい。コーンでランナーが走る部分が仕切られてはいるが、きっと閉所恐怖症の人は通れないだろう。横から何かが飛び出して来そうな深い闇。思わずつまづきそうな気になってしまう。「あ~みま~」私は大声で叫んだ。トンネル内に反響する声。これはアースマラソンで目下北アメリカ大陸を走っている間寛平ちゃんのギャグだ。応援の人も彼と一緒に叫ぶこれを、私も一度やってみたかったのだ。

第三のトンネルに入る前が55km地点。このトンネルが最長で暗く、中では寒い風が吹いている。まだ5月開催だった第2回と第3回は、このトンネルを抜けたところに雪が残っていた。この寒さに耐えられないランナーは歩き出し、さらに体を冷やしてリタイヤしてしまう難所なのだ。選手受付の際、防寒対策用にビニール袋を配っていたのはこのため。私はそれに加え手袋もポシェットへ忍ばせていた。だが気温の高い今日は涼しくて気持ちが良いくらいだ。約2kmのトンネルを脱出すると外が眩しい。<続く>





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Last updated  2009.06.18 03:42:38 コメント(6) | コメントを書く


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