マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.06.29
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カテゴリ: 芸術論


 だが歌を聞いてビックリ。ハーモニーと歌唱の正確さに先ず驚かされた。最初の歌は合唱団の団歌。どうやら「パリンカ」は木の実で作った酒みたい。後で調べたら、プラムを原料にして作るルーマニアのブランデーのようだ。そして私がうなったのも道理で、パリンカは全国合唱コンクールで金賞を受賞した、実力のある合唱団だったのだ。

 団歌に続く曲は、トマス・タリス作曲の「預言者エレミアの哀歌1」。カトリックの典礼で復活祭に先立つ3日間、ミサの際に朗読されたり歌われる旧約聖書の一節のようだ。後で調べたらタリス(1505~1585)はイングランドの作曲家で、オルガン奏者。当時は宗教改革の真っ只中で、彼自身はカトリック信者だが、曲はプロテスタントのために作曲された由。

 荘厳なミサ曲と言うよりは、「美しく清らかなこだま」を聞くような感じ。プログラムには全ての曲の歌詞が紹介されているが、これはBC586年ユダヤが新バビロニアによって滅ばされ、それ以降ユダヤの民が流浪するきっかけになった歴史の一幕で、悲哀と重厚さをさほど感じなかったのは、まだ和声理論が確立してなかったことによるのかも知れない。

 3曲目は間宮芳生作曲「合唱のためのコンポジション」第6番から。これは岩手県の稗搗き歌、田植え歌のはやし詞、青森県の神楽舞、福島県の田打ち歌をアレンジしたもの。女声のトップテナーが目立つ美しいハーモニーは良いが、本来生活臭のある民謡としては物足らない感じ。最後の「合いの手」の部分が面白かった。

 第2ステージは友情出演の「お江戸コラリアーず」が担当。一昨年の10月に仙台で公演した際、街中で「パリンカ」と隣り合って歌ったのが縁らしい。その時、練習は居酒屋を借り切って行い、公演後はそこに戻って祝杯を挙げた由。団の名前のユニークさ、東北出身の団員の多さ、「パリンカ」との因縁、そして歌唱力、その全てに感動を覚えた。彼らも全国合唱祭で金賞を受賞している実力者だったのだ。

 「お江戸」の最初の曲は「東京ブギウギ」。これは言って見れば団歌代わりみたいなもの。壇上で踊りながら歌い、最後は隠していた手拭を振って挨拶。歌った曲と言い、実に愉快な演出だった。2曲目は「シェナンドー」。これはこれまでに聞いたことがある曲。歌詞の中に「ミズリー」と言う地名が出て来るのでアメリカの歌だろう。哀愁を帯びた名曲だった。

 合唱の合間に軽妙な語り口での団の紹介や団員募集がなされる。まあ、わざわざ仙台から東京まで練習に行く人はいないだろうが、とても愉快で好感が持てた。この「お江戸」にも女性の団員が3人いた。男性に混じって歌う女性の存在が、とても新鮮。そして「パリンカ」とは実力伯仲の、良い勝負だった。<後半に続く>





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Last updated  2012.06.29 04:45:52 コメント(6) | コメントを書く


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