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白い倍音の魔法使い

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白い倍音@ そうだったんですね ごちゃまぜアイスさんへ  ブログ閉鎖さ…

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August 4, 2008
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 先日、父から「先生からここは面会人が多いので、しばらく面会を控えるように言われた」と聞かされた。

 母は現在、抗がん剤治療中。
免疫力が落ちている上に母の血液の状態も悪く、体重も健康な時は40キロあったのが32キロに落ちていた。
 抵抗力がないので、菌に感染しやすい状態だからというのが理由だ。

 先生は「面会人が来るということは、ばい菌が入ってきたと思って下さい」と言ったそうだ。

 そのため、一回目の抗がん剤投与が終わる水曜日までは母に会いに行くのは控えるようにした。

 母が入院したのが、7月4日。一ヶ月になる。
入院当時は、苦しくて声を上げて泣き続けた。
この苦しさは枯れることはないと思っていた。


夜も眠れる、食欲もある。
焼肉を食べに行きたいなと思えるほどに。
 ただ、朝目覚めるときは今も長い夢を見ている気がする。
入院も母の病気も全部夢の中の出来事で、母は今も元気で実家にいるような気が、どうしても一瞬、してしまうのだ。

 不思議だ、現実は何も変わっていないというのに。

 母が病気になるなんて、ましてや一万人に一人と言われる癌になるなんて、思ってもいなかった。
 母はここ30年ほど寝込むような病気をしていなかった。
身体の調子が悪いとすぐ病院に行くような母だった。
一年前にも人間ドックを受けていた。
 毎日高価なサプリメントも飲んでいた。

 でも、「悪性リンパ腫」という血液の癌になった。



 私もそう思った、
母の入院に至るまでの経緯を何度自分の中で反芻したことだろう。なぜ、なぜと

 でも、なぜに答えはない。
たとえ、毎年人間ドッグを受けていても

 病気にはなる。

 これが事実だ。

 抗がん剤を投与中の母は元気そうだ。
生きたいという気力に満ちている。
自分が癌であるといいう事実を知ってもなお、母の口からは否定的な言葉は聞かない。

 自分が母と同じ立場で、癌と知ったとき、母のように過ごせるのかと思う。

 一年前の私は、癌や死はもっとも考えたくないことだった。
「死を見つめることで、生が見えてくるのです。
よりよく生きるために死と向き合うのです」
こう言われても、よくわからなかった。
死を見つめることは、死を引き寄せてしまう気がしたからだ。

 でも今は違う、
癌も死も真剣に向き合いたいと思う。
 怖がって避けるのではなく、この目でしっかりとその姿を捉えたいと思う。

 その思いが、私の生きる力にもなっている。

 不思議だ・・・











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Last updated  August 5, 2008 09:54:24 PM
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