一緒に歩こう

一緒に歩こう

PR

Profile

白い倍音の魔法使い

白い倍音の魔法使い

Calendar

Comments

白い倍音@ そうだったんですね ごちゃまぜアイスさんへ  ブログ閉鎖さ…

Archives

November , 2025
August 12, 2008
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 今日、仏様のことを書いたばかりだけど、実際の私はこんなもんです。

 最近、介護や介護保険の本を読んだいたら、ふと自分の老後のことを考えてしまった。
今のような生活をしていて、自分の老後は大丈夫なのかと。
やはり先立つものは「金」ではないかと、いつものように不安になってきた。
 その不安を自分だけのものにしておけばいいのに、つい夫に言ってしまう。
「このままで将来大丈夫かな」とかそういうこと。
 夫は「今、幸せだから気にしない」と言って、私が色紙に書いたお釈迦様の言葉を私の目の前に持ってくる。
「・・過去は捨てられた、未来はまだやって来ない・・」というあの言葉。今なすべきことをなせというあの言葉。
 だけど、見向きもせずに横を向く私。

 そんなの僕は気にしないと言われて、自分の気持ちが見放された気がした。だから独り言のように「あぁ、昔のあなたの方がよかった」と言ってしまった。夫が傷つくと分かっていたのに。

 夫はしばらく黙っていたけれど、
「今の僕が嫌ならもう出て行く」と立ち上がり、服を着替え始めた。
前々から「僕のことが嫌になったら言って欲しい、すぐ出て行くから」と言っていた夫。

 夫は本気だ、本気で出て行く。私には分かる。

 私も立ち上がりドアの前に立ちふさがって「嫌だ嫌だ」と夫を引き止めた。
私より力の強い夫を、精一杯の力を込めて押し返す。
どうしよう、夫が出て行ってしまう、涙がぽたぽた流れてきた。
「もう今の僕は嫌なんだろう、昔の僕がいいんだろう。だったら出て行く。」と言う夫に「今のままでいい、今のままでいい」と言いながら必死に抱きついた。
 このまま夫が出て行ってしまったら、もう二度と会えない気がした。

だから必死に夫を引き止めた。夫の服が「ビリッ」と音を立てた。

 「今のままでいい、今のままでいい」と泣きながら言う私に、ようやく夫は出て行こうとする力を弱め「じゃ、ここにいる」と言ってくれた。
 そして静かに「僕はいつも真剣に生きている。
だから、君が嫌になったんならいつでも出て行く。これは本気だ。」ともう一度言った。
私は夫の首にしがみ付きながらヒクヒク鼻をすすってた。

 夫の生きることの真剣さに比べて私はどうだろう、言ってることと行動がバラバラだ。
これが本当の私だ。

 もう少しで大切なものを失くしてしまうところだった。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  August 12, 2008 09:42:02 PM
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: