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白い倍音の魔法使い

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December 15, 2008
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 「ありのままのその人を受け入れること


ある本に書かれていたホスピスについてだ。

 ホスピスという言葉は、今までよく耳にしたけれど、具体的に「ホスピスとは何か」については知らなかった。
自分なりのイメージは、「もう他に治療方法がない人が、心の癒しを求めて行くところ。死までの期間をよりよく生きるところ」

 ホスピスの理念は、その人のありのままを受け入れて、あなたが生きていることが大切なのだと伝えること。
ふと目の前に、マザーテレサの姿が浮かぶ。
 ある記者がマザーに「なぜ、もう死ぬ人を助けるのですか。」と尋ねたとき、

 この言葉に私はすごく感動した。
人は死ぬ瞬間の想いを抱いて次の世界へ旅立つという。
例え、それまで憎しみの人生や、悲しみの人生だったとしても、死ぬ瞬間愛に包まれた想いで逝ける人は、きっと魂は愛の世界に旅立てる。
と私は信じている。

 だから、ホスピスの理念を改めて知り、その必要・重要性を益々感じた。
 本来このホスピスの理念は、死期が近い人だけに当てはまる理念ではない。
 でも今の医療では、死期に近い人にこの理念はとても必要だ。
一般の医師や看護婦に身体の手当てはお願い出来ても、心の癒しまではとうてい要求できない。
 実際、病院で医師や看護婦を見ていると、とてもそんなことを望めない。これは医師や看護婦個人の問題として思うのではなく、今の医療体制ではとてもそう望めないと思うのだ。

 母が癌と知って、心の葛藤がいろいろある。
苦しくて辛くて、そういうとき、一番聞いてもらいたいのは、聞きたいと思う相手は、本当は医師なのだ。


 母の転院前の病院では、癌患者・患者の家族を対象に臨床心理士による無料カウンセリングが設けられていた。
 大変有難い制度だと、私は一度受けたことがある。
相手は医師ではない、治療的なことは何もわからない。
でも心がすごく楽になった。
そう、ただ聞いてもらいたかっただけなのだ、

一緒に泣いて欲しかっただけなのだ。
泣かせてくれる場所が欲しかっただけなのだ。
 それだけで、救われる。
人の心は薬だけで癒されるのではない。

 人はいつか死ぬ。
だから治療過程で、「もう手の施しようがない」という時は必ず訪れる。

 そのとき、どう相手にそう伝えるのか。
そしてその後、どう相手を癒していけるのか。

 「もう手の施しようがありません」と言われ、
あっさりと「わかりました、では後は結構です」と言える人など、どれくらいいるのだろう。

 「治療法がないので、退院して下さい。」では
心は癒されない。安らかに逝けない。
人は薬だけで、癒されるわけではないのだ。

 昨年患者として知り合った、F医師を思い出す。
彼は、終末医療に力を入れている。
彼は「治す医療より、看取る医療をしたい」と言った。
「メスで患者の心は癒せない」と外科医の彼はメスを捨て、勤務医から開業医になり、現在は終末医療に力を入れている。
最初はそれがよくわからなかった。
 そんな諦めの医療なんて・・と好きな医師だけど、彼が理解出来なかった。

 でも今は彼の想いが少しはわかるようになってきた。
彼は、患者や家族と一緒に泣ける医師なのだ。
患者の心に寄り添うことで、患者の身体は治せなくても心は癒している。最期に愛の世界へ旅立てる。
 マザーが生涯をかけて行った、愛の治療を彼はしている。

 ホスピスの理念が医療に幅広くゆき渡っていく、医療体制が整うことを切に願う。

 きっと、医療の原点は、
マザーの行為にあると思うから。
















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Last updated  December 16, 2008 10:23:29 PM
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