おせんの江戸日誌

おせんの江戸日誌

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2010年12月21日
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カテゴリ: 惚れ薬
儂が目をつけたのは、伊予の大洲藩だった。


むろん、売ってくれた相手の名は言えぬ。
藩の機密を売るというのは命がけの事じゃからの。
ま、その男にも金の要る事情もあったのであろうよ。
ともかく儂は運が良かった。

当時旗本だった樋津の、小さな領地で細々と作る蝋ならば
自藩への影響も無いに等しいとその男も判断したのだろうヨ。

だが、その男の言い値は高かった。


になり樋津の蔵の中は偽物ばかり、すっからかんとなって
しまったのだからのう。

が、しかし、その甲斐あって我が方で出す蝋は格段に良い
値がつくようになった。
それで売り飛ばした品々もすべて買い戻せたという訳じゃ。
権現様の御刀以外はな・・・

その頃には樋津に出入りしていた蝋燭問屋の、ホレ、あの
桐屋も買い戻しに随分と骨を折ってくれたものじゃ。

ところが鳴滝堂の店は人手に渡ってしまっておっての、店
の者の行方、これが知れずじまい・・・
ウム、

とうとう、このたびの騒ぎになってしもうた。

¢.jpg

と、そこまで問わず語りだった大殿さまがニヤリとし、

「これ、桑田屋、おぬしの父よりも儂の方がよほどの
 博打打ちであったのう、 フォ~ッフォッフォッホ~

大笑いしたものですから桑田屋、何と言っていいか判らず
ハハッと平伏し、畳に頭をこすりつけています。





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最終更新日  2010年12月22日 03時35分14秒
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