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2007.07.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
『明日はさよちゃんの勤務よ』と言うと、今までは『ほんま? うれしい!』と喜んでくれていたおばあちゃんが、最近は『ああ、そうな?』とそっけない。『うれしくないん? 大好きなさよちゃんなんじゃろう?』と言うと、『そうでもない』と言ったって。

 それを聞いて、わたしのことをそんなに好きでないと言ったことより、私自身が最近おばあちゃんに対して前ほど触れ合ってないことを指摘されたようでドキッとした。

 以前は同じくらいの認知の人が3人いて、そのうちの二人はほとんど寝たきりだったので、自然とそのおばあちゃんとのふれあいが多かった。昔話をしたり歌を歌ったり、おばあちゃんの世話も誰の目も気にせずできた。トイレ誘導も、『さあ、トイレに行こうか』と声をかければ、『さよちゃんには世話になるなあ。何のお返しもできんのに気の毒じゃなあ』と言いながらもさっと動いてくれていた。
 ところが、認知のないおばあちゃんが入所してきてからは様子がガラッと変わったのだ。

 トイレ誘導をすると、『今はトイレに行きたくない。行きたくなったらわかるから』と拒否するようになったのだ。時間を見ながら誘導しても失敗していて着替えることが多いのに、認知のない人の前ではしっかりしているところをアピールする。それなら、と認知のない人に先に声かけしてトイレに行って貰ってからおばあちゃんを誘導するようにし、後の整容も見えないところでするようにしても、おばあちゃんはトイレのたびに拒否するのは変わらなかった。
『私がトイレに行くたびに、私の尻まで覗いて見んでもいいのに』と時に悪態をつくようにもなった。自分は呆けてない、しっかりしているんだとしきりに言うようになった。

 その上、認知のないおばあちゃんが、『あなたたちはあの人ばっかりかわいがる。○○さん、○○さん、と一日中言うとる、私には誰も言うてくれん』とやきもちを焼くようになったのだ。『○○さんは自分では何もできないでしょう? 私たちが言ってあげないと自分からトイレに行くこともないし、ズボンもちゃんと上げられないでしょう? あなたはしっかりしてるから自分でできるでしょう?』と言っても、おばあちゃんのやきもちは治まらなかった。

 自分にやきもちを焼いているのを知ったおばあちゃんは、その日を境に優位に立ったことになる。私たちに対して横柄になったのだ。

 お年寄りの言動に対して絶対に怒らない、が原則なのでできるだけ平常心で接していたのだが、それが甘やかしにもなっていたことに気づいた。認知のないおばあちゃんとも公平に接するために、少し距離を置くようになった。



『この頃は、さよちゃんもさほどにない』と言うおばあちゃんは、私の心の変化にとっくに気づいていたことになる。
『認知があっても感情は残ってるからね』は、先輩職員さんの言葉だ。『一日中二人きりで顔を突き合わせているのはつらいものがあるんよ』とわたしは正直な気持ちを話した。
『自分を好いてくれているおばあちゃんと一緒にいてもつらいんだから、嫌われている私はもっとつらかったんよ』ともう一人の職員さんが言った。

 少ない利用者と職員一人の職場の難しさをつくづく感じている今日この頃である。

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最終更新日  2007.07.09 21:40:18
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