山種美術館で「松岡映丘とその一門」展を観てきた。
ご本人の作品は、5点で残り43点は一門さんのやった。高山辰雄も一門さんやとはびっくり。こんなけいろんな作風の人材を育てはったっていうことでも、すごい人やなあ。
その後、国立劇場小劇場で文楽の二月公演一部と二部を観た。
第一部 「鑓の権三重帷子(やりのごんざかさねかたびら)」
浜の宮馬場の段 松香大夫 清友
浅香市之進留守宅の段 津駒大夫 寛治
数寄屋の段 切 綱大夫 清二郎
岩木忠太兵衛屋敷の段 英大夫 団七
伏見京橋妻敵討の段
おさゐ 呂勢大夫 宗助
権三 咲甫大夫 清馗
市之進 つばさ大夫 清丈
甚平 芳穂大夫 龍爾
ツレ 希大夫 寛太郎
第二部 敵討襤褸錦(かたきうちつづれのにしき)
春藤屋敷出立の段 中 咲甫大夫 清志郎
切 嶋大夫 富助
郡山八幡の段 千歳大夫 清介
大安寺堤の段 切 住大夫 錦糸
後 咲甫大夫 宗助
(文字久大夫 病気療養のため)
鑓の権三重帷子(やりのごんざかさねかたびら)は実話を元にした作品で、 近松の三大姦通物の一つ。
「鑓の権三は伊達者の、どうでも権三は好い男。油壷から出すやうな、しんとろとろりと見とれる男」という25歳の色男、権三。
「おさゐはさすが茶人の妻、物好きもよく気も伊達に、三人の子の親でも華奢骨細の生れつき、風しのばしくゆかしくの、三十七とは見えざりし、数寄屋廻りの掃き拭ひ、路地の飛石敷松葉箒放さぬ綺麗好き」という37歳の女盛りの奥さんで夫は江戸勤め中の、おさゐ。
この二人の茶道の秘伝「真の台子」の伝授をめぐってのやりとりから、「不義密通」の汚名を着せられてしまう。
この場面がおもしろかった。
二人の様子が障子越しの影絵になって、人形が遣われる。文雀さんのおさゐが、色気と執念たっぷりやった。
茨垣をくぐるのに、剣菱の四斗樽を使うねんなあ。
当時は、武士が姦通を犯した妻と相手を成敗する「妻敵討(めがたきうち)があった。
二人は、松江から伏見へと「妻敵討」されるための道行きへ。
「こゝはナ、こゝは伏見よ三十石の
船を出すなら夜深かに出しやれ
橋のナ、橋の別れが辛ろござる
撞木ナ、撞木町ならついてもよかろ
ついた一とつき引導鐘よ
朝のナ、朝の名残りが辛ろござる
京ヘナ、京へ上らは島原祇園
唄へ騒げや、騒げや唄へ
あとのナ、あとの払ひが辛ろござる」
盆踊りの賑わいの夜、二人は念願どおり、おさゐの夫、市之進に討たれる。
濡れ衣とはいえ、この二人、討たれるのもしょうがないなあと思う。
権三は許婚がいるにもかかわらず、「真の台子」を伝授してほしさに、おさゐの13歳の娘、菊との婚約を受けてしまう。伝授の場には、許婚手製の帯を締めていくし。
おさゐも「そなたがいやなら母が持つ、ほんに母が一人身ならば、人手に渡す権三様ぢゃないわいの」というほど権三にご執心。
伏見京橋は、寺田屋のそばにある橋やと思う。だんな様の実家の近くで何度か渡ったことがある。
綱大夫さん、前半は病気休演やったそうや。この日は語ってはったけど、まだ本調子やなさそうで、心配やなあ。
第二部の「敵討襤褸錦(かたきうちつづれのにしき)」は床のすぐそばの席で観た。
これも、敵討ちの話。
共用してる井戸を境として隣り合う春藤家と須藤家がかたき同士になる。
春藤家の長男助太郎は生来の愚鈍さ(阿呆)から廃嫡、家は次男の次郎右衛門が継いでいて、三男新七は須藤家の娘お霜と婚約中。
そこに父が惨殺され、敵討ちという話が持ち上がる。
妾腹の次男、三男は兄を尊重し、敵討ちに同道するという。足手まといになることがわかっているので、思い余った母は自ら長男助太郎を殺し、父の冥土の供をさせる。
この場面の床が嶋大夫さん。気合のこもった熱い語りに思わずほろりときた。
人間国宝の蓑助さんが遣う春藤助太郎がまた絶妙。阿呆ぶりが、おかしくって、かわいくって、切なくって。
住大夫さんの「大安寺堤の段にも聞きほれ、大満足の舞台やった。
今日のラッキーくじは、両方ハズレやった。
1日1回のクリックで、募金ができます♪
二月文楽公演 第三部 冥途の飛脚 2021年02月16日
曲輪文章 吉田屋の段 二月文楽公演第二部 2021年02月16日
五条橋 伽羅先代萩 国立劇場 二月文楽… 2021年02月12日
PR
カテゴリ
キーワードサーチ
フリーページ
カレンダー