今の歌舞伎で観られるのも、200日を切ってしもた。
一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
粂寺弾正:三津五郎 小原万兵衛実は石原瀬平:錦之助 小野春風:松 也
錦の前:梅 枝 秦秀太郎:巳之助 八剣数馬:萬太郎 腰元若菜:吉 弥
秦民部:秀 調 八剣玄蕃:團 蔵 小野春道:東 蔵 腰元巻絹:魁 春
二、蜘蛛の拍子舞(くものひょうしまい) 花山院空御所の場
白拍子妻菊実は葛城山女郎蜘蛛の精:玉三郎 碓井貞光:松 緑
渡辺綱:萬太郎 ト部季武:尾上右 近 源頼光:菊之助 坂田金時:三津五郎
三、心中天網島 玩辞楼十二曲の内 河庄(かわしょう)
紙屋治兵衛:藤十郎 紀の国屋小春:時 蔵 江戸屋太兵衛:亀 鶴
五貫屋善六:寿治郎 丁稚三五郎:萬太郎 粉屋孫右衛門:段四郎
河内屋お庄:東 蔵
四、音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり) 藤間大河初お目見得
音羽夜叉五郎:菊五郎 奴伊達平:松 緑
稚児音若:初お目見得藤間大河(松緑長男)
大内息女大姫:菊之助 大江三郎:権十郎 結城左衛門:錦之助
白拍子仏御前:萬次郎 鎌田蔵人:團 蔵 夕照の前:魁 春
局常盤木:田之助 畠山重忠:吉右衛門 雲霧袈裟太郎:富十郎
今回の演目は、どれも初めて観るもんばかり。
「毛抜」は、お姫様の髪の毛が逆立ったり、毛抜きが踊ったり、セクハラの場面があったりとおもしろい。
主人の婚礼の催促に訪れた粂寺弾正(くめでら だんじょう)は、目の前で姫の奇病、髪が逆立つのを見せられる。
黒衣さんが髪の束を、タイミングよく差し金で持ち上げはる。
主人小野春道に会うのを待っている間、煙草盆を持ってきた美形の若衆に馬の乗り方を教えるふりして、手取り足取りセクハラ。
お茶を持ってきた腰元にもセクハラして、「びびびびび~」とアカンベされる。
暇つぶしに持参の毛抜きで髭を抜いていると、下に置いたはずの鉄製の毛抜きが立ってる。
この毛抜き、最初に髭を抜くのも大きいのやけど、踊る毛抜きは50cmほどもある。
色々試してみると、銀の煙管(きせる)は立たなくて、鉄製の小柄(こづか)は踊る。
さらに、家の中がごたついている様子。
弾正は小野家の家宝、小野小町が名歌「ことわりや」を書いた雨を降らせるといわれる短冊を取り戻し、さらに姫の奇病の謎を解き明かす。
姫の蝶花形の櫛笄を引き抜くと、髪はもう立たない。
弾正が槍で天井裏を突くと、転がり落ちてきた忍びの者が大きな羅針盤磁石を持ってる。
櫛笄は鉄製で、磁石がそれを吸い上げるので髪が逆立っていたということや。
すべてはお家転覆を謀る悪家老の陰謀と見抜いた弾正は、「主人豊秀から舅殿への頼みの祝儀」と、玄蕃を切り捨てる。
すべてめでたし、めでたし。
粋な三津五郎さんの弾正やった。
「蜘蛛の拍子舞」は、豪華な長唄の舞踊。
玉三郎さんの蜘蛛の精は、上品でかわいくてあんまりこわくなかった。
途中で蜘蛛の着ぐるみが登場して、舞台狭しと動き回り、見得まで切って大活躍。
玉三郎さんの千筋の糸をふんだんに投げてくれはる。
玉三郎さんが投げると、放物線を描いてきれいに糸が広がって行く。
華やかな舞台やった。
「河庄」は、紙屋治兵衛(かみや じへえ)が妻子がありながら遊女小春と深い中になり心中するつもりやったけど、妻おさんに義理立てして小春が別れようとする場面。
別れるように説得する義兄の粉屋孫右衛門(こなや まごえもん)を、段四郎さんがやってはって味があった。
でも、ぱっぱっと場面が変わっていくお江戸の歌舞伎と比べて、ねちねちと心理描写が続く上方和事は眠くなる。
「音羽ケ嶽だんまり」は、3歳8か月の藤間大河くんお披露目の舞台。
大河くんは、尾上松緑さんの長男。こんなに小さいのに、舞台中央に正座して、ちゃんとご挨拶もしてた。
この子が活躍するのは、20年後ぐらいかなあ。
そのころ歌舞伎の世界はどんなになってるんやろう。
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